貢献的な仲間に囲まれて(アドラー心理学入門講座 第7回目より)
04月11日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学入門講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。
05月30日、第7回目のテーマは「人の役に立つ~貢献」でした。講義ではアドラー心理学の中心概念である、共同体感覚についてお話がありました。
昨日は、支援者の不適切な対応で共同体感覚を持つことができなくなってしまった利用者の例を書きました。今日は、私の周りにいる貢献感あふれる方々を紹介します。
私の車が駐車場に入るのを見つけると、作業室から玄関に行き、私の内履きをさっと出してくれる人がいます。
他にも…
コピー機の前に待機して、コピーが出ると配ってくれる人
穴あけパンチのゴミを定期的に捨ててくれる人
月が替わるとカレンダーを変えてくれる人
食事の配膳が好きでいつも手伝ってくれる人
ちょっとでも扉が開いていると閉めてくれる人
電気がついているとすぐに消してくれる人
食材の配達車を見つけると走って行って手伝ってくれる人
電話が鳴ると「でんわー」と教えてくれる人
毎日、大勢の利用者に助けてもらっています。
利用者の貢献的な活動には目的がはっきりしている場合があります。たとえば、私の下履きを出してくれる人は、私が下履きを履いたとたん、私の手を引いて中に入ろうとします。コピーを配ってくれる人は配った後、手で「いいね」のポーズを作りそれを返してもらうことが大好きです。
このような利用者の行動を「こだわり」と呼ぶことがあります。たしかに障害特有の行動かもしれません。しかしその行動によって、周囲の者が「たすかった」と思うことが大切であり、それに対して素直に感謝の思いを伝えることで利用者の自己肯定感が高まり、自己受容を深めます。
以前の私の反省では、利用者の貢献的な活動に対して「余計なことはしなくていいから、まずは自分のことをきちんとしなさい」と言っていたことがあります。今思うと、大変失礼なことをしていたと思います。人のこと、自分のこと、どっちが先でも良かったのです。
毎日楽しく活動できるのは、私の周りには貢献感あふれる仲間のおかげだと実感しています。
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