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社会情動スキルを身につける⑥/偽りのホープをやめよう

Hope(達成への意思と経路)についてまとめる2回目です。私が、2021年02月06日に受講した、早稲田大学エクステンションセンターZoom講座、「社会情動スキルを身につける(講師:向後千春先生)」で学んだことを、私の仕事と関連付けてまとめます。

傾聴…どこまで聴くの?

私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。理事長業務のほか、利用者の話を聴くことが私の主な仕事です。聴くことはだいじです。この仕事をしていると、必ず、カール・ロジャースの傾聴を学びます。私も常に傾聴の姿勢を忘れず、利用者が話してくれることに耳を傾けます。しかし、ときどき、いつまで聴いていればいいんだろう…と、疑問に思うことがあります。

社会情動スキルを身につける

今回の講義の目的は、社会情動スキルを身につけることです。社会情動スキルとは、非認知能力、人柄や態度、習慣等です。それらをトレーニングする方法について学んでいます。

はじめに、支援場面において効力感と自信を支援することについて書きました。昨日は、明確な目標を持つことの重要性を確認したうえで、支援場面では、目標が本人ではなく支援者の思いが強く反映されているということを書きました。今日は、その例を具体的に書きます。

遅刻をしない!

決められた時間通りに事業所に来ることは大事なことです。しかし、利用者の中には遅刻をしてしまう人がいます。生活習慣として遅刻をしてしまう人は、今になって始まったことではありません。また、その事業所に行くことをためらって遅刻することもあります。その場合は事業所に問題があるかもしれません。どっちにしろ、本人に注意をして目標に掲げても達成度は低いです。

さらに、遅刻をしないという目標を掲げて、遅刻をすると、「約束したよね」「自分でできると言ったよね」と責められます。

事業所の支援者に怒られた夜、その利用者から電話がかかってきます。利用者は、「怒られちゃった…」「もうダメかなぁ」そんなことをつぶやきます。

偽りのホープ

今回の講義では、ホープ(達成への意思と経路)を高めるために避けるべき点として3つの偽りのホープが提示されました。それは、高すぎる目標失敗を繰り返す目標を調整しない、です。

もともと目標が押しつけのため、利用者の話を聴いていても目指すところが見えません。電話の内容は、自分の失敗から始まり、愚痴、支援者への不満に変わります。また、最後は、「髙橋さん、また、何かあったら電話するから」と言って電話が切れます。電話が終わるときは、電話がかかってきた時よりは明るい声なので私の存在意義はあったのだと思います。しかし、このまま、このやり取りを続けていていいものかと疑問です。

ホープを開発しよう

直接支援をする事業所の担当者と話をしても解決には至りません。社会情動スキルに関係する目標は、それが社会のルール、できてあたりまえ、自分の努力が足りない、そう思っている人がたくさんいます。

私の法人でも、偽りのホープが設定されていることがあります。私も目をつぶってきてしまいました。今回の講座で、ホープを開発する方法を習いました。

その中では、ストレッチ目標(具体的で測定可能)、接近目標(回避目標でない目標)、儀式(意志力を使わない)などに、目標を置き換えていくことができるのではないかと思います。

目標は、標語ではありません。達成するためにあるものです。そこを忘れないようにします。

年度末が近づくと支援目標の見直しが増えます。これからホープを意識した目標立てをおこないます。

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