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笑顔のスライドショーで会議を飾る

仕事中、気分転換に昔の活動写真の整理をしています。20年ぐらい前、デジカメが普及し始めたころの写真です。あのころは、デジカメがうれしくて写真を撮りまくっていました。行事の写真、日常の活動を写した写真、ただなんとなく写した写真、とにかくいっぱいあります。また、どの写真もみんないい顔をしています。最近、この写真をケース会議で活用することを始めました。重たい会議を利用者の笑顔でスタートさせます。

私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。この仕事に就いて35年が過ぎました。長くこの仕事をしているといろいろなことがあります。先日のnoteに「長い付き合いがプラスになることマイナスになること」という記事を書きました。今日は、長い経験でたまった笑顔の写真の話です。

輝いていたころに注目しよう

日常業務で気になることがあります。それは、現場の支援者が「利用者の今」にとらわれすぎていることです。「今」というのは、支援や介助が必要な状態ということです。たとえば「〇〇さんはトイレの支援が必要な人」とか「〇〇さんは食事介助をしなければいけない人」というように、福祉サービスの対象者という視点を重視した見方です。たしかにこれらは事実です。しかし、他の側面もだいじです。

また、できないことや課題があるというのは、そのとき調子が悪かっただけだったり、もしくはその人よりもっとできる人が来て役割が変わっただけかもしれません。さらに、加齢による場合もあります。特別なことではありません。

誰にもやんちゃっだったころや、バリバリだったころがあります。また、いつまでも何度でも輝くチャンスが保障されなければいけません。輝きを保障するためには、その利用者の輝いているところを今の支援者に伝える必要があります

ネガティブを断ち切る

事業所の利用者に問題が起きるとケース会議が開かれます。その場合は、ネガティブな話に始終することがほとんどです。また、最近の福祉サービスは細分化されて専門的になりました。そのため、支援者はその利用者の一部分しか知らないことがあります。

また、ケース会議に参加した支援者は、ケース会議で聞いたネガティブな話を中心にその利用者のことを組み立てます。必然的に課題の多い利用者ができあがります。これでは、利用者の輝いている部分は伝わりません。

オンライン会議だからできること

面白いことを思いつきました。最近はZoomによる会議が増えました。そこで私は、会議の冒頭1分間だけ時間をもらいました。その1分間で、これから話をする利用者のキラキラしている写真をスライドショーにして参加者に見てもらいました。それがどこまで効果があったかはまだわかりません。

会議では、どんな支援が必要か、調整することは何かと、福祉サービス重視の視点ばかりになりがちです。しかし、それだけではなくその人がキラキラできる、笑顔でいられる場面を考えよう、そんなことをねらっています。

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