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座席は誰が決めるの?(我が家でスーパービジョン③)

利用者が座る座席の話です。福祉サービスを提供する事業所で、利用者が座る席、たとえば、作業やレクレーション、食事などの席です。誰がどこに、誰の横に座るか、それらは、そこの支援者が決めることがほとんどです。そのことについて娘から質問がありました。

「ねぇ、お父さん、(利用者の)席って誰が決めているの?」
「いつも一緒(の席)じゃなきゃいけないの?」
「隣に誰が座るかって、大きな問題だよね」

我が家のスーパービジョン

最近、我が家では夜な夜な、スーパービジョンが展開されます。福祉業種におけるスーパービジョンとは対人援助におけるスキル向上を目的とした教育システムです。

長女と次女が、家から歩いて5分のところにある高齢者デイサービスでアルバイトをしています。二人とも仕事に慣れた半面、いろいろな疑問や失敗もあり、その思いを私にぶつけてくれます。子どもたちがぶつけてくれる悩みは、いつも心に刺さります。

その席には支援者が誘導する

子どもたちの話では、利用者が隣に座っている人のことを良く思っていない、いつも文句を言っている、でも翌日に行くとまた同じ席に座らされている、と言います。

利用者の皆さんは、一人でその席に行くわけではありません。必ず支援者が席まで誘導します。つまり、支援者が決めているということです。支援者の立場から言えば、支援しやすい、介助しやすい席並びだと思います。それが一番安全だということです。しかし、利用者の希望もだいじです。

学校時代の席替え

子どもたちが中学生だったころを思い出すと、クラスの席替えは大きな問題でした。子どもたちは、席替えを心待ちにしていました。また、その席替えの結果で、泣いていることもありました。どこに座るか、誰の横に座るかということは大問題です。

事業所の席替え

私の法人の事業所では、利用者同士の相性により席替えをすることがあります。しかし、支援の状況で、完全に自由に座っていただくことはできません。利用者によっては、仲が良すぎて濃厚すぎる接触があります。上手に離さなければいけません。

また、そのときの利用者の状況によって机やいすの配置を変えます。利用者の中には、特定の利用者が気になり、視覚に入ると不安定になる人がいます。その場合には、机の配置を変えて視覚に入らないようにします。しかし、いつもこの方法がうまくいくとはかぎりません。ある利用者は、気になる利用者が視覚から外れたことで、余計にそわそわして、その利用者を探してキョロキョロするようになりました。

支援という仕事に「絶対これがいい」という方法はありません。やってみて、その効果を確かめて、その利用者に合った方法を見つけていきます。

ヒヤリハットの活用

娘たちがアルバイトをしているデイサービスでも、何か理由があってその席に座ってもらっているのかもしれません。娘の話を聞くと、そのデイサービスでは、定期的にヒヤリハット事例を書かなければいけない日があると言います。そこに書いてみることをすすめました。

ヒヤリハットは、日常の気づきを共有して、事故や利用者の不利益にはたらくことを繰り返さないために記します。何か、事が起きてから書くと、反省文になってしまいます。それを日常的に当番で書くというルールは良いことだと思いました。私の法人でもその方法を取り入れてみたいです。

席替えの件は、その良いルールを活用して改善されるといいと思います。

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