“Grapefruit Moon” Tom Waits
One, Two, Three, Four, ……
トム・ウェイツの「Grapefruit Moon」を聴いている。
今夜は、満月じゃないけど。
30年前に、高校で同級だった友達が教えてくれた。
あれからずっと、折にふれ聴いてきた。
彼のアパートに転がり込んで、半年くらい一緒に暮らしていた。
(恋をしていたわけではない。心から信頼する友人だっただけだ)
(うん、それは今も)
福永武彦の一節を暗唱する。友人が「すごい表現だね」と言う。
タバコ、ジン、小説、手つかずの夢、友達、トム・ウェイツ。
古いアパートの部屋に全てがあった。ないのは家具だけだった。
「おれがゲイだったらどうする?」「何も変わらないかな」
その一言で、カミングアウトはする必要もないものになった。
(カミングアウトしたのは去年だ)(本当に変わらなかった)
この歌を聴くといつも、凍てついたものが壊れる。
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