「ご感想への返信2023」No.13
あなたのセクシュアリティはあなたにしか決められない
「こんな私はアロマンティックと言うのでしょうか」とあります。例えばセクシュアリティ診断のアプリに結論を求めるようなことは、あまりおすすめしません。セクシュアリティはあなたの内側からサインを出していて、回答はあなたの心の中にしかないからです。手がかりを外部に求めるなら、アセクシュアルやアロマンティックの人たちと交流する機会をもち、ここに書いてくれたように率直に話してみることです。リスセクシュアルやリスロマンティックの人たちとも話してみるといいでしょう。そうしたことは同定/断定してもらうためではなく「自分で考える材料を増やすために」そうするのです。彼らと同じ気持ちかもしれないし、ちがう経験かもしれない。もちろんあなたが最終的に耳を傾けなければならない相手はあなた自身であり、自分の心が語ることを聴かなければなりません。
「恋愛感情抜きのパートナーが欲しいが、どうしたら」
人生を伴走者なく過ごすことには不安がありますね。もし恋愛感情で一喜一憂する経験を諦められるなら、アセクシュアル/アロマンティック自認の異性と知り合い、婚姻等を提案してみることもできます。ただし、お互いにもし恋愛や性愛の欲求をおぼえて共有したくなった時にどうするか、公正証書を交わしておきたいか互いに確認することを含め、話し合っておくことは必要です。もしくは、異性婚を望む事情があるゲイと結婚する方法もあります。実家や仕事の事情でどうしても異性と結婚しなければならないゲイはあなたの同年代でもいるからです。
「相手を(恋愛として)好きじゃないのに」「(恋愛として)好きになれないのに」交際することの申し訳なさは、相手も恋愛を望んでいない場合には、かなり軽減されるのではないでしょうか。人と人を結びつけ合う感情は恋愛感情だけではありません。互いにパートナーとして必要とし合い、支え合う日々は二人を夫婦にするでしょう。恋愛ではなくても同じように確かな愛情や信頼感は生まれます。同じことを望んでいるかどうか、出会った人とよく話し合って下さい。
性的指向についての解説に納得していただけたこと、嬉しいです。
敬意と尊重以外で言えば、食事の「味付けの」好みが大体同じで、食べ物の好き嫌いがあまり違わず、笑う・怒るのポイントが似ていて、趣味や関心事の話が何時間でもできて、毎日一度は一緒にゲラゲラ笑えて、社会とのズレ方も似たようなもの。でも、少しちがう。――長く続いた「パートナーと私との関係」はそういうものでした。でもこの5,6年には私の実家絡みで不安要素もあって、先日は結構シビアな話もしました。「あなたは他の人との方が幸福になれるかもしれないんだよ」という提言までを含めた、(10年に一度もないような)かなり真剣な話でした。彼にとって自分が最適なパートナーであるか確信がもてないまま、これからやっていくんだなと感じています。50歳にしてそうだったりします――何が言いたいかというと、誰かと支え合いながら生きるということは、確信なんてないまま正解も分からないままに、手探りで続けていくワークなのかもしれない、ということです。ご自分の歩む道をぜひ見つけてほしい、ということです。いい? 本当にそう願っているんだよ。
文章から、あなたは自分について率直に/過不足なく語れる人です。自分を見つめ、表現できる。そして誠実です。だから、大丈夫。
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