見出し画像

リモートワークは消滅してしまうのか

コロナ禍が落ち着いてから、アメリカでも日本でもリモートワークを止めてオフィスに回帰する例が増えているようです。特にアメリカのIT企業は、オフィスでのコラボレーションが社員の創造性を刺激し、生産性を上げると主張して、オフィスが原則の企業が増えているようです。

私が勤めている会社でも、アメリカ本社ではオフィス回帰の指示が出ました。日本では、まだ様子を見ている感じでまだ若干リモートの方が多いのかな、という気がします。コロナ禍の間にリモートワークが推奨されたことで遠方に住居を移した方もいらっしゃるみたいで、人事的な扱いが難しいのかも知れません。

当の私はどうかと言えば、8割がたリモートワークです。職種が地方周りの営業なので、お客様先に行くことも多く、家から直帰、直行になってしまい、打合せと移動の兼ね合いから結果的に家で仕事することが多くなっている形です。

リモートワークは良いところも悪いところもあって、リモートワークが正しい、オフィスワークが正しくないとかそういう問題ではないのですが、コロナ禍のリモートワークで私が感じた一番のメリットは通勤時間がなくなったことだと思います。

通勤時間は朝晩合計ドアツードアで2時間は取られていたと思いますが、この時間、特に朝の時間がとても貴重であることに気付きました。朝起きてから9時までの数時間がもっとも頭が活性化し、集中できる時間帯であることが分かりました。9時以降は打合せが多くてほとんど自分の時間を取ることができなくて、コロナ以前は18時以降会社に残って自分の作業をしたり考えたりする時間を取っていた結果、家に帰るのは早くても21時過ぎでした。

リモートワークになってから、朝の数時間が集中して使えるので、だいたいの仕事は朝終わってしまいます。ですので、このコロナ禍の間、私は残業をほとんどしたことがありません(例外的に仕事が重なったりしたときは徹夜をしたり土日仕事をしたことはあります)。日常的に19時には風呂に入って家族とご飯を食べることが出来るようになったので、生活が豊かになったように思います。

もうひとつのメリットは、仕事、特にシステム構築などの作業に集中することができたことです。オフィスで仕事をしていると、なんやかやと邪魔が入ったり、仕事を中断することが多くて、まとまって集中する時間を取ることが難しかったです。本当に余裕がないときは会議室に篭もったりしていましたが、また会議室もだいたい一杯で予約できないんですよね。仕事柄お客様向けのシステムデモンストレーションを行うことも多いのですが、ざわざわとうるさいオフィスの中でWeb会議をすると他の人の声が入り込んだりしてお客様にもご迷惑をおかけしたりしていました。その点、家の書斎は私一人しか居ませんから、お客様向けのプレゼンテーションも邪魔されることなく、集中して行うことができました。

一方で、リモートワークの弊害も確かにあって、一番大きかったのは、運動不足になったことです。通勤時間というのは結構歩いてて、一日合計すると一万歩にはいかないものの、5千歩から6千歩程度は歩いているんですよね。ところが、家で仕事をしていると、朝からずーっと座りっぱなしで仕事をしているわけですから、ほとんど歩かない。10歩とか20歩の日もざらにあります。こうなると体重も増えがちで、私はコロナ前よりかなり体重が増えてしまいました。結果として血圧も上がり、健康状態は悪化したかも知れません。

また、リモートだとかなり自己管理しないと、無限に仕事をしてしまいます。先ほど19時には仕事を終えて家族と食事を、と書きましたが、油断していると、定時を過ぎたことも忘れて仕事をしてしまうことも正直ありました。これは、残業と言うより、趣味として仕事をしている状態と言った方が良いかも知れません。公私の切り分けが曖昧になるため、プライベートのことをしながらなんとなく仕事のことを考えて仕事をしてしまったりすることが多くなります(でも、逆に仕事の間にプライベートのことを考えるということはほとんどないんですよね……)。そうなると、自分では気付かないうちに精神的に参ってしまうことになります。なんとなく、肩が凝るな、とか体調が今ひとつだな、と感じたときは、だいたい無意識に仕事の量が増えていたことが原因でした。

総じてリモートワークは良いところも悪いところもあって、プラマイゼロという感じです。でも、あの通勤ラッシュを経験しなくて良いという点は、最大のメリットでもあって、それが故に私はリモートワーク推奨派です。一番良いのは、通勤しなくてもオフィスに行けることなんですけどね。どこでもドアが本当にできれば、そういったことも可能になりますが、それはもう少し未来の話ですね。それまでは、自己管理と体重に気を付けながら、オフィスワークとリモートワークのバランスを取る日々が続くのでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?