子供の貧困を考える~ヒューマンフェスタ in 亀山を終えて

12月5日 ヒューマンフェスタ in 亀山において、子供の貧困を考える機会があった。講演をいただいた内容から、自分なりの感じたことをまとめてみる。

子供の貧困は目に見えづらい

日本には、約7人に1人が相対的に貧困である。35人クラスだとしたときにに、約5人が貧困に苦しんでいることになる。しかしながら、学校という同じコミュニティにいる中で、この子の過程は貧困であり、この子の家庭は問題ないなどはなかなか見えてこない。一緒に参加された、先生方の話では、家庭訪問は行くと、見えてくるものもあるが、実際のところすべてを把握するのは不可能であるという現状がある。

なぜ見えてこないのか?

 この問いについては3つの要因があるといわれていた。

・親の収入についてそもそもそも子供は知らない(比較的低年齢)

・親の収入についてばれるのは恥ずかしい(思春期など)

・物価が安く、モノの質が上がっており、安いものを身に着けていても、わからない。

貧困だと不幸せなのか?

 講演の中では、1人の女子高生の事例として、その現状を教えていただいた。片親で、昼夜と仕事をしても、生活が満足いく水準でいない為、アルバイトで生計をたたており、しかし成績は優秀である。といった状況である。確かに、今という状況を見れば、非常に苦しいだろうな、かわいそうだという感情がわく一方で、高校生という年齢から、世間の厳しさを学び、何らかの目的をもって勉強しているからこそ、成績優秀であるので、人生におけるたった数年はつらかったであろうが、今後は自ら生き行く力を手に入れたという面でみれば、今後は幸せな生活がおくれるのではないかと考える。

なぜ貧困が問題となってきたのか?

 振り返ると、2005年くらいに非正規労働者が急激に増えそれが、親世代となることで、貧困が加速しているのではないかという仮説。またそういった世代は親が安定的な所得で育ってきたいわゆる中流階級である為に、プライドもそこそこあり、何とかやっていけるんではないかと思ってしまっているのも拡大の背景にあるらしい。それに加え、現在のコロナ禍の中で、非正規の雇止めなどが加速し、現状もどんどん悪化してしまっている状況である。

じゃあどうすれば?

 講演の中では、「現在日本はスパイラルダウンの状態であり」「もっと労働者を大切にする制度」「税金で再分配される制度」など、事象対策にしか聞こえない、ことをおっしゃっていたので、そこはあまり共感できる部分ではなかった。そこの究極を目指したら、社会主義国のような形がいいって言っている?ってことになってしまうので。

 私の意見ではあるが、私の子供のころに比べ、大きく変わったのが、圧倒的な情報量を今では比較的低価格でだれもが入手できる実態がある。塾や、通信テキストがないと、学力が身につかないかと言われればそうではなく、無料のコンテンツが多数散らばっているのは昔との違いかなと。そうは言うものの、なかなか貧困世帯が情報を自由にとりに行くというのは難しい状態であるのも事実である。結局最後は、自分の力で生きていかなくてはならないので、ある程度の支援はするものの、情報により、いろいろな選択肢を子供たちに与えてあげることで、人生の早い時期に、「生きていく力」を得る自分で考えてもらう支援をするというのが一番いいのではないかと思う。そういった活躍する人材が日本で多く活躍することで、日本経済がスパイラルアップしていくのではないかと思う。

お金ではなく、食の支援

https://aichi-children-dining-network.jimdofree.com/

愛知県のある自治体では、フードロスを活用した、食の再配分を行っている事例を紹介。それは売れないけど、食べられるものを集めて、貧困世帯に配るという方式。これは社会問であるフードロスと、貧困家庭による栄養の問題が非常にマッチするいい事例だなと思った。しかし、現在どちらかというと、供給過多状態らしく、冒頭で言ったように、なかなか自分が貧困である、支援が必要だと言いづらい、そもそも知らないなどがあり、このあたりは市の支援の取り組みと連携していくことを期待したいというところだろう。

食の支援と情報の支援を

お金での保証も確かに大切ではあるものの、子供に対しては、社会問題と連携した食の支援を活用しながら食自体の支援をしっかり行い、大きな情報世界の中で、子供が情報を得る機会を平等に与えることが、いろいろな価値観を学び、自ら生きていく力を身につけ、今後、社会全体がスパイラルアップしていくのではないかと考える。

終わりに

 この講演を聞いて、改めて子供が将来活躍できるかどうかというのは、本当に大人の責任であるところが大きいなと感じた。豊かな未来を実現するためにも、子供たちに何をできるのかを考えていきたい。

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