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逃げるが勝ち、のその前に。

こんにちは。

青山にてフリーランス美容師をやっております加藤亮平と申します。


美容師のように「手に職」と言われる職業はいくつかあると思います。

僕もこれまでお客様に「美容師さんは手に職だからどこでもやっていけて良いね」なんてよく言われてきました。

確かに一度身につけた技術でどこでもやっいけるというのは僕らの美容師の特許だなと思います。

一旦身につけた髪を切るという技術は忘れることはないですし、個人の体力は別として目の前にお客様がいればその対価をお金という形でいただくことは可能です。

もちろんトレンドを抑えることや似合わせのスキルというのは常に自分の中でアップデートしていく必要があるのでまた別の話にはなってきますが、美容師のような手に職の仕事というのは色褪せない価値があるものだと思います。

⬛️二面性の危険性

とはいえ美容師に限らずこの「どこに行ってもできる」というのは少し厄介な二面性を持っているようにも思います。

それは嫌になったらすぐに環境を変えることができるということ。


いい意味で言えば自分にあった環境を選びやすいということかもしれませんが、必ずしもその全てがポジティブな意味から生まれる選択でもないような気がしています。

例えばお給料の面や労働環境、人間関係等でモヤモヤ感じた時、環境のせいだという少し偏った大義名分で環境を変えようと考えたことはありませんか?(僕はめちゃくちゃありました。)

環境を変えることが自分自身のステップアップのためであれば話は別ですが、こういったマイナスな要素から派生する感情というのはいつかどこかで自制しコントロールしていかないといつまでもキリがないように感じます。

⬛️フリーランスはその最たるもの?

「じゃあフリーランスはどうなんだよ?」

僕は今まさにフリーランスという働き方で絶賛美容師をしている最中なのですが、確かにこの働き方は全てのモヤモヤを自分好みにカスタマイズすることができるという側面があるので、もしかしたらマイナスの感情を全てプラスに持っていけるのでは?と思われているかもしれません。


わかりやすいところでいうと、

・今より収入が増える
・今より自由な時間が多い
・今より人間関係がラク

個人的な見解ですが正直な、話収入と時間のコントロールというのは働き方どうこうではなく自分の努力次第でなんとでもなることなんじゃないかと思っています。

働き方を自由にカスタマイズしたことで勝手に収入は上がるわけはないですし、じゃあ取り急ぎ収入を上げるためにはどうしたらいいかというと収益を発生させる時間を強制的に多く割く必要がある。

そうなると自由な時間はどんどん無くなってしまい、恐らく「こんなはずじゃなかった、、、」になってしまう。

なんとなく一般的に持たれているイメージに対する答えとして提示するならば、自由な時間を確保して収入を上げるというところでいうと、そもそもの大前提として自分という個の価値を高める必要があるのは絶対条件な気がします。

というかフリーランスの最大の課題はこれ。
(絶賛加藤もこの課題に取り組み中です。)

⬛️環境を変えても変わらないもの

もしお金と時間に関して今不満を感じている人がいるならまだやれることがきっとあるはずで、今回僕が注目したいのがこの3つのうちの最後にある「人間関係」です。


この人間関係というのは環境変えても、もしくはどんなに働き方をカスタマイズしたとしても切っても切れない永遠の課題だと思っています。

なんでかっていうと対人の間に出てくる感情の問題であるということ、解決する上で相手の感情も大事な要素になるため自分だけでは完結できることではないことだからです。

人間だから好きな人や嫌いな人、得意な人や苦手な人がいて当然です。

むしろそれがないという人は神か仏か、ゴッドかブッダか。


じゃあそういう人がいたら「めんどくせぇ」という感情のみで断ち切ることが得策なのかというとそうではないと思っています。

もしかしたらそれが一番オンタイムでできる解決法なのかもしれませんが、先ほどもお伝えしたように人間関係というのはどんな環境下においても避けては通れないもの。

つまりその場しのぎで断ち切ったとしてもまたいつかぶち当たる壁なんです。

そしてこの壁は恐らくちょっと「めんどくせぇ」ものなはずなのですが、このめんどくせぇに出会った瞬間というのはレベルアップするための絶好のチャンスなんです。


そうなってくると人間関係が面倒だから環境を変えようはただの自分都合であって、自己成長を考えた上で得策ではない。
こうなるはずです。

⬛️他責にせずに向き合う

そうは言ってもめんどくせぇ人とコミュニケーションというのはかなり気力と体力を使います。

ただ僕はコミュニケーションというのは決して自分の感情を抑えて仲良くお話をすることが全てではないと思っていて、相手が何をどう考えているかを理解するために相手の目線に立ってみることや、ちょっとだけ歩み寄ること、これがコミュニケーションをとることの本質なのかなと思っています。


これは完全な自戒なのですが、僕も以前務めていたサロンに大嫌いな先輩がいました。

その先輩とはなるべく二人きりにならないようにしたり、意図的にその先輩のヘルプにはつかないようにしたり。

言っていることに対しても「その先輩が嫌い」という分厚いフィルターがかかっていたので何を言われても受け入れることがでいなかったし、受け入れようとする姿勢なんてこれっぽっちも持ち合わせていませんでした。

そもそも先輩と後輩という構図において今思えばなんとも生意気だったなと反省しています。

結局当時の店長に「あの先輩が辞めないなら僕が辞める」なんて逃げ確定な反抗もしていました。

今ならもっと歩み寄れたし向き合いたかったと思うし、もし当時の僕にこんな考えがあったらフリーランスという働き方に出会っていなかったかもしれません。

むしろもの働き方を選んだことで気づけた尊さだとしたら、結果論にはなりますが良かったのかなとも思います。

⬛️逃げるが勝ち、とも限らない

とはいえやはりどんなに働き方を変えたとしても人対人のコミュニケーションというのはどこにだってあるもので逃げも隠れもできないないもの。

手に職をいいことに少し逃げの姿勢を選びそうになっている方がいるならちょっとだけ立ち止まって考えてみてほしい。

きっとその感情は一生どこへ行ってもつきまとうし自分自身で向き合う姿勢を変えないことにはいつまでも環境のせいにし成長することはできません。


逃げるが勝ちという言葉がありますが、人とのコミュニケーションの前では逃げる前に一旦向き合ってみる価値は大いにあります。


これから新しい環境に飛び込む人が多い時期ですが、僕自身のこれまでを振り返った時に環境を変えることの逃げを肯定しかけていた時期があったなぁと、自戒を込めて書きました。


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