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自分のキャリアは自分で切り拓く④

これまで、「元部署とそこで学んだこと」「異動を志した理由」といった流れでnoteを書いてきたが、今回は異動実現に至るまでの
①プロセス
②制度
③思ったこと・気付き
④おわりに
といった流れで綴っていく。

プロセス

5月からの異動となったわけだが、本格的に異動に向けて動き出したのは昨年11月。なので、動き出しから実現までに半年弱の時間を要したことになる。以下、時系列に沿ってまとめていく。

11月後半:
急激に業務が忙しくなり、もっぷ会(朝晩のzoom勉強会)が継続して開催できなくなる。
その代わりに、週に2~3回、一回20分ほどで、モバイル内外の先輩社員にお話を伺うセッションを実施。当時は、異動を念頭においた取り組みというよりは、自部署の業務に追われて視野が狭まりがちになることへの対抗策として実施していた。
そこで出会ったある方から「異動希望だしなよ」と言われたことが事の発端。

12月:
そこから、興味のある部署を3つほどピックアップし、それぞれの部署の方、複数名にお話を伺う。
相手方として欲しい人材像と、僕自身の経験・スキル・今後の展望などをすり合わせながら、最終的な異動希望先を絞る。
絞った異動希望先の各レイヤーの方と面談を複数回行う。
人事権のあるL1.5のマネージャーからOKをいただく。

1月:
異動先のOKをもって、元部署のSectionマネージャーに異動希望を伝える。
ただ、その後のDepartmentマネージャーも含めた面談で、在籍2年未満の社員は自己申告による異動ができないと言われ、一旦頓挫。
これを機に、並行して進めていた転職活動に本腰を入れる。

2月:
ただまぁ、モバイルに携わりたくて入社している手前、転職は最後の最後までしたくなかったので、GHR、RM人事の方にコンタクトを取り、人事制度について調べる。
その結果、新卒2年目未満の社員でも異動可能なことが分かる(制度的な話は後述)
再度、元部署のマネージャー陣に制度の説明、異動を希望する理由などを、何度かプレゼン。

3月:
元部署と異動希望先の上長同士で話し合いが行われ、異動が決定
異動先の上長と、アサインされる課に関する希望やその他諸々に関する面談を実施
5月付での異動が決定

4月
引き継ぎ、異動

という感じ。

制度

異動に関しては、大きく3つの方法がある(あくまでも僕の認識で、厳密には異なる点もあるかもしれないので悪しからず)

1. 会社都合での異動
これは一番よくあるやつ。本人の希望ではなく、会社の決定事項としての異動。恐らく、社長レベルや上長同士のコミュニケーションをもって、リソース不足の部署や新設部署などへのアサインが決まる。
2. Open Job Informationを利用した異動
これが所謂、社内公募制度。各カンパニーや部署が社内向けに空きポジションや欲しい人材を公開している。そこで、普通の就活や転職活動のように応募と面接を重ね、採用が決まると異動が実現する。ただし、入社2年未満の社員はこの制度が使えない。
3. 自己申告制による異動
今回の僕の例はこれ。自己申告というのはそもそも「キャリアの棚卸しを行うため、上長との面談を依頼する」制度。ただ、実質異動希望を伝える場として機能しており、そこで上長の理解を得ることができれば、上長同士のやり取りを持って「①会社都合の異動」と同様のフローで異動が可能になる。

ということで、入社2年に満たない僕たちは、3の制度を使う必要がある。まぁ逆に言うと、あと一年頑張れば、2の制度が使えるようになるので、異動のハードルは大きく下がる。

思ったこと・気付き

• 上長(特に中途の方)は、そもそも異動に関する制度について理解が浅い。過去に同様の働きかけをする新卒があまりなかったんだと思う。
• 市場出身の方や、新卒から叩き上げの上長は、異動希望にアレルギー反応を示すことがある。幸い、僕の上長は該当しなかったが、年次の近い上長ほど希望を支持しないといった話はよく聞くので、少々慎重にならざるを得ない。まぁ「自分がずっと異動できなかったのに、なんで部下の異動を推奨しなきゃいけないんだ」ということで、理解できる話ではあるが…。
• 手続きにめちゃめちゃ時間がかかる。そもそも異動する前月の1日までに稟議をあげる必要があるため、希望するタイミングがある場合には、かなり前もって話を進める必要がある。
• 転職活動は、自分の市場価値を計るよい機会となる。転職するしないに関わらず、サイトに登録だけしてエージェントに話を聞いてみたりするのは良い経験だと思う。自身のこれまでの業務の棚卸しにもなるとともに、客観的に楽天からいただいている給与や制度を認識することになる。余談だが、僕個人としては「新卒市場においての価値の方が高かったんじゃないかな、、、」と思うことがしばしばあったのも事実。が故に、異動に対してより熱が高まったのも事実。

おわりに

ここまで、プロセスや制度、また一連の経験から思ったことを書いてきたけど、「自分のキャリアは自分で切り拓く」と題して綴ってきた一連のnoteで伝えたかったことは、詰まるところ「何がしたいか」「誰にどんなアプローチをするのかを考え抜くこと」の2つに尽きる。

「何がしたいか」に関しては、そもそも異動という手段を取る以前に、自分が今後どんなスキルや経験を得たいのか。また、そのためにはどんな部署、業務、上司が必要なのか。そういうことを常に考えておくこと。正直、今のモバイルカンパニーにおいては、そういったことを考える習慣や時間が、得られにくいと感じる。実際、事業の状況的にも組織的にも、ある程度仕方がない部分もある。ただ、だからこそ、日々の業務の意義や目的、そこから何を学んでいるのかといったことを考えるとともに、それが自分の描くものに沿っているのか、完全に沿っていなくとも大幅にずれていないのか、ずれていたとしてもそれを面白いと思えているのか、といった感情を定点観測する必要があると思う。こう書くと「将来のことなんてそこまで具体的じゃない」とか「明確にやりたいことは現状ない」という方も多くいると思うし、僕自身そこまで明確なプランや逆算はないし、正直、大半のことは「なんとなくいい感じするから」だ。ただ、漠然とでも「今やってること楽しいな」とか「〇〇ができるようになってきたな」ということは日々感じると思うし、「〇〇の仕事ってなんかかっこええな」とか「〇〇さんみたいな人になりたいな」ってのはある気がする。(ちなみに、「〇〇みたいにはなりたくないな」とか「〇〇はつまらんな」と言った減点方式もこういう場合には有効だと思う)
そういった自分の感情を常に感じながら、仕事に向き合う。もっというと、人生としてのキャリアに向き合う。その結果、異動や転職を志すのか、今の部署でやるべきことがあるのか、それは人によりけりだと思うし、良い悪いは全くない。ただこの意識は、特に楽天みたいな大企業で働く人が常に持ってなきゃいけないことだと思うし、その意識を持っていないと「ただ組織に使い倒される従順なソルジャーの出来上がり」となってしまう気がする。

そして、もう一つの「誰にどんなアプローチをするのかを考え抜くこと」に関して。これは、「何がしたいのか」を考えた結果「異動だ」とか「転職だ」と言った外に出るアクションを取る場合だけでなく、「今の部署が楽しい」「今の部署で得られることがある」となる場合においても、何れにせよ言えることだと思う。(ここでは便宜上、僕個人の話に置き換えて話を進めるが。)

今回、そもそも異動に関する制度や、人事権が誰にあるのかも分からないまま動き出しため、非常に時間を要した反省がある。また、普段気軽に面談ができるレイヤーの上長は、異動に関してはなんの権限も有していないため、動かすべきはそこではなかった。そういう意味で、まず「誰を」動かす必要があるのか明確にする。そして、その人が動くためには何が必要なのかを考える。丸腰で「異動したいです」といっても突き返されるだけだと思うので、それ相応の準備が求められる。
自分自身の例でいうと、「異動を希望します」と一言に言っても、そのなかに
・ 過去の経験
・ 将来やりたいこと
・ 今の業務内容(実際、上長はあまり良くわかってないことの方が多いと思う)
・ 今の業務で得られる経験・スキル
・ 今の業務では得られない経験・スキル
・ 異動先の業務内容
・ そこでのポジションと、得られる経験・スキル
・ 自分が異動することにおける組織に対するメリット・デメリット
・ 具体的に取っていただきたいアクション
などを組み込んだスライドを作り、Outlookでミーティングを入れまくった。
また、伝える内容だけじゃなく
・ そもそも動かすべき相手はどんな情報を持っているのか
僕の例だと、上長は異動に関する制度の情報は全く持ってなかった
・ 動かしたい人を動かすために動かすべき人はいないか
大体の組織には意思決定者を動かすブレーン的な人、そこまで言わなくても組織の中で影響力・発言力を持っている人がいるはず
・ 自分が相手の状況だったらどう思うか
今回、上長的にも最もネックとなったのは、他の人への影響だと思っている。つまり、自分が異動しますとなったことで、「自分も」となる人は少なからずいると思うし、それは上長的には好ましくないはずだ。(あくまで僕個人のスタンスは、同期なら全力で応援したいので、こうしてnoteを書いている部分があるが…)だから、自分の要求を通すことによるメリットとデメリットを示し、そのメリットをどうカバーするのかといった話をきちんと伝える。こういった全体としての「アプローチ」を熟考する必要がある。これは、どんな小さな仕事にも言えることだし、仕事以外の日常生活においても非常に大事になってくる部分だと強く感じる。

という感じで、「おわりに」が非常に長くなってしまったが。僕自身の異動の話と、そこから思ったことはこんな感じ。
実際、それっぽいことは色々書いているが、上長が中途の方であったため異動希望に対して寛容であったことや、異動先の方が尽力してくださった部分も多く、単純に「ラッキー」だった部分は大きい。
ただ、それでも自分の希望を伝えるにあたり、日々の業務でのアウトプットや、果たさなければならない「義務」に関してはコミットした自負がある。まぁ、毎度のごとく意気揚々と文章を綴ってはいるが、いざ働いてみたらうまくいかないことや、思ってたのと違うということは、往々にして起こる気がする。
ただ、前回投稿でも書いたが、これは「自分で希望した」選択であって、これまでの人生の如く「自分で切り拓いた道は自分で正解にする」覚悟はできている。

最後になったが、もしこれを読んでくれた方、特に楽天の同期の方で、今の仕事や業務にモヤモヤを抱えている方がいれば、是非僕にできることであればなにかさせて欲しい。noteという公共の場では書けなかった話はめちゃめちゃあるし、なにか手伝えることがあるかもしれない。

例の如くなかなかの長文が出来上がってしまったが。
明後日から始まる新しい部署での自分自身の健闘も祈って「自分のキャリアは自分で切り拓く」の最終回としたいと思う。
ではでは。

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