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Xジェンダー(特にアジェンダー)のような気がしたきっかけ

このことについて話す前に、前提として自分の体格や体質、経緯を振り返りたいと思います。

私は現在、163㎝、40㎏前後(行ったり来たり)です。
高校時代は160㎝、47㎏、
大学時代は44㎏(栄養の偏る自炊の罠)、
就職した頃は40㎏になっており、これを切って30台に下がるとふらつきや眩暈がありました。いわゆる就職氷河期にぶち当たったほか、私は嘘を付けない人間で、どうにも面接でうまくしゃべることができませんでした。就職活動によりストレスで大きく体調を崩していたのです。

面接官さん。
なぜ御社で働きたいかをよく聞かれますが、正直言うと「ビッグネームでかっこいいから」「社屋が素敵だから」「この業界で力を持っている会社のうちの一つだから」くらいしか思い浮かびませんでした。
御社のサイト、採用情報などを見る以外、業界の歴史や業績、経営状況を調べるなど深い調査をするまでに思考が至っていなかった私は、御社と同業他社の違いまで語れるほどになれなかったわけです。
御社に入社してどのようなキャリアを積んでいきたいですか? 御社のキャリアシステムが事細かに開示されているわけではないので、机にかじりついて勉強ばかりに明け暮れていた私には、会社の中身というものが皆目見当もつかずにおりました。

…というのは、面接が苦手だった私の余談です。
話を元に戻します。

最近遺伝子検査というものをやりました。(信憑性は正直専門家でないので分かりませんが、自分なりには「なんかちゃんとした会社が検査してくれたようだ」と考えています)
出た結果は、いわゆる「ノーリスク型」、とにかく遺伝的に太りづらく、同時にたんぱく質をエネルギー源とするためにたんぱく質から消耗してしまい、筋肉が付きづらい体質であるということでした。
どのくらいの精度の検査かは知りませんが、腑に落ちています。

私は人生で最も体重のあった高校時代でも、胸のカップはAAとなっていました。あれから結構痩せたので、今はAAAか、それより下の測定不能でしょうか。鏡で見ると、一応小さな膨らみは確認できます。なんとこの小ささでも、マンモグラフィー可能です。(乳腺が集中しすぎて参考にならないそうですが)

どんなに胸が小さくても、ブラジャーはした方がよいとよく言われます。
年齢と共に乳首の位置が下がってくるとか。それは少しかっこ悪いかもしれない? しかし、ゼロに近い重さの胸にブラジャーをする気にはなれず、私は普段からブラジャーをつけていません。外出時も、いつでもです。もちろん夏場など、薄い生地、透ける生地の場合は、下に黒を着たり、ペッと貼り付けるだけのヌーブラを貼るなどの配慮はします。男女の性別に関わらず乳首が浮いてると「あ、浮いちゃってる」と気になるのは日本人っぽいところです、多分今のところは。

高校時代、あまりに小さくて合うブラジャーが見つからず、母と一緒にショッピングモール(昭和の響き)に行って測定してもらい、初めてブラジャーを買ってもらいました。
着用してみました。
三日坊主発動…

これは肉体が女性の人なら、ジェンダー関わらず感じることかもしれませんが、ブラジャーは割と鬱陶しいです。
私は特に上半身が痩せていて、ブラジャーの締め付けが骨の位置に接触して非常に痛いのです。
それに、ブラジャーを胸に巻く行為。あれは何と言うんでしょうか。
自分の肉体が女性であることを思い知らされる行為とでも言うのでしょうか。巻く時の身体のひねり、腕の動作、付けて鏡で確認する、全ての一連の動作をした時に私は、「女性みたいな行動だなぁ」と思いました。
心が女性であれば、わざわざそんな感想は持たないのではないか? と今は思います。あくまで、私の「まるで他人事のような」テンションでのこの感想を分析すると。

もう一つ、胸に関するエピソード。
母に昔、いや今も時々言われますが、流していることです。

脱衣所などでたまたま母と出くわすと、母が言うのですよね。
「わ~平たいなぁ」(関西弁で再生してください)

これは母に限らず、言われる時は言われます。
その都度私の頭の上には「?」がうっすらと浮かび、私はそれをそっと聞き流します。
ここで生まれているのは明らかに「疑問」です。

つまり、「なぜ胸が平たいことをあえて言われているのか?」という疑問でしょう。私が男性の肉体で、姉ではなく兄(弟がいます)であったら、多分母は「筋肉ないなぁ、痩せてんなぁ」くらいの言い方をすると思います。
なぜ、胸がないと、局所的に部位について言及されるのか?
それは私の肉体が女性だからです。
でもそれが腑に落ちないのです。
「他の女性は胸があるが、私には胸がない」、つまりここでの「私」は、「女性という私」と言い換えることができます。
つまりここに矛盾を感じているのです。
「女性という私」は私が望む姿ではなく、「女性という私」は、下手をすると存在していないのかもしれないのですね。

ここで、Xジェンダーについて言及してみます。
~ジェンダーは「性自認」です。自分の性が何であるかというアイデンティティです。

Xジェンダーは広義的に使われる印象があります。
Xジェンダーというカテゴライズの中には、更に細分化されたカテゴリがあります。(引用元:牧村朝子「ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか?」2016.11.21初版, 188-189p)

・アジェンダー:無性、男でも女でもなんでもない。
・パンジェンダー:汎性、男でも女でもその中間でもある。全てを内包する。
・バイジェンダー:男でもあり、女でもある。
・トライジェンダー:男でも女でもその中間でもある。

また、出生時に診断された性を生きるアイデンティティを「シスジェンダー」、出生時に診断された性とは別のあり方を生きることを「トランスジェンダー」と称します。

他、以下のような用語も存在します。

・ジェンダークィア:男性でも女性でもないという自認を持つあり方の総称。
・ジェンダーフルイド:直訳で「液状の社会的性」。男、女、様々なあり方を水のように揺れ動く。
・ジェンダーベンダー:社会的性の押し付けに積極的に抗う人。髭を生やし、ドレスを着るなど、直訳で「社会的性を捻じ曲げる者」。
・ニュートロワ:自分自身からあらゆる性的要素を取り除き、男とも女ともみられないあり方で生きることを望む人。出生時に女性とされた人は乳房、性器など、男性とされた人は体毛、のどぼとけ、性器などの切除を望み、また声も中性的なものを目指す。

(以上引用終了)

恐らくこのような分類用語は、今後も増えていくと考えています。
人の数だけアイデンティティはあるわけで、性的なアイデンティティも同じです。
分類というのは「他者に説明しやすくするためのツール」としての役割を担っている節があると思います。

上記引用部を見ると、私はアジェンダー、広く言うとジェンダークィアかな、と思いますが、ここに書かれていない欲求も持っています。
例えば「低くて聞き心地のよい男性的な声になりたく」「のどぼとけが欲しく」「肩幅がほしく」「小さな男性的な尻が欲しく」「軽く鍛えたくらいの平たい胸が欲しく」「身長が欲しい」、その反面、「髭や体毛は生やしたくなく」「髪は侍のように伸ばしたく」「外性器はいらず」「女性的な軽快で曲線を併せ持つ脚のスタイルが欲しい」のです。性別ごちゃまぜの、理想とする容姿、性質です。しかし個人により目指す姿が異なってくるのは、まるで当然のようにも感じます。

私は遺伝的に生まれ持ったこの痩せ型の身体が、結構好きです。
乳房や腰回りの骨盤の女性特有の広さは、あまり好きではありませんが、そもそも裸となるのが好きではないので、服を着て、自分の裸をじろじろ見なければ問題はないレベルにいます。骨盤の広さは少し、身体のシルエットに影響するので邪魔なのですけど。


先日、胸を平らに見せることを目的としたブラジャー系の下着を注文してみました。金具はついていないはず。着やすければ着てみたいです、乳首が透けないので。
スポーツなどにもよさそうですが、コスプレで男装する人向けとも書いてありました。胸があって困っている人も大勢いますね。

さて、自分はどれだけ理想系に近づけるのでしょうか。
身体の手術を受けるのは少なからずリスキーで、私は幸いもともとの身体が好きでいます。

そうなると手っ取り早い打開策は、ファッションやメイクになってくるでしょうか。
実は自然に肩幅を出すことができる、ヌーブラの肩バージョンもあります。肩にペペッと貼るだけで、女性として見られたい方でも、凛とした印象になります。なで肩が緩和されて姿勢がよく見えることが要因のようでもあります。
ヌーブラ同様、夏はちょっと暑苦しいですが、いい塩梅に自然な肩幅が出ます。

当時買ったものを検索してみたのですが、随分前に買ったのでどうにも見つかりませんでした。
ですがきっと当時より、使いやすいものが出ていると思います。
「肩パッド」で検索するといろいろ出てきます。私も新たに買ってみようかしら…買って、いいものがあれば共有します。

出生時の肉体とは別に、「心の中の本来の自分」がしっくりくる姿は、人によって違います。
私のように混沌とし、社会一般的なマジョリティからすれば矛盾した姿を自らに求めている人間もいます。
自分が何者であれ、それが自分であることを、私は知りたいと思っています。

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