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私はなぜ髪を伸ばしたいのだろう

長いこと、ショートヘアの人生を歩んできました。
その方がカッコいいかなと思っていました。

ですが、美容院での注文を気をつけないと、
むしろショートヘアにする方がフェミニンな仕上がりになってしまうのです。

なので髪を短くしたい時は、
・かわいいのはいやだ
・かっこよくしてくれ
・うなじを若干刈り上げてくれ
・女っぽさはいらない
これを強調しなくてはなりません。

・中性的にしてくれ
で通じれば簡単ですが、それはお客のこちらも、美容師さん側も、双方イメージするのが難しいものです。自分ですらよくわからないものです。

このように、ショートヘアにするのはいいものの、毎回ガチャのようなもので「これはよいなぁ」になったり「これはかえって女の子っぽくなってしまったなぁ」になったりと難しい人生でした。

性別を感じさせない髪型というのは、パンクなものはさておき、元来ないのではないかとも感じます(大げさに言うと)。それは我々の体の奥底にしみついている男女二元論に由来する気がするのですが、要は髪型にこだわっても仕方がないのかもしれない、ということです。こだわるとすればメイクやファッション、そしてそれらを総合的に見て中性的であれば、自分の好きな感じにおさまりそうに思うのです。髪型はその人の印象を形作るパーツの一個にすぎないというわけです。

余談ですが、短い髪というのは管理が大変です。これは短髪の男性にも通じるのではないかと思いますが、寝ぐせがつきやすく、朝起きるとなんか頭部が一回り大きくなっている。微妙に襟足が伸びてきて暑いが、髪の長さが足りず結ぶことができない。そのためにわざわざ美容院に行かなくてはならない、または行くモチベーションが高まらないままうなじの暑い状態が続く、自分で切ったり剃ったりするのも骨が折れる。

更に、世間一般に、性自認が男性の人、あるいは性指向として恋愛対象が女性である人は「ショートヘアの人が多い」というイメージがそろそろ付いてきている気がしてならないのですが、これは気のせいなんでしょうか。もちろん自分の好みで短くしている人はいるわけで、私も長らくそれに該当したわけですが、「イメージ」による「分類化」はあんまりいいものを生まないような気もするし、カテゴリーで見られることにはやるせなさも感じています。

せっかくならせめて自分にとっては新しいイメージを付与したい、ということをぼんやりと思います。
そこで髪を伸ばしてみることにしました。

髪が長いというのは、実際のところ性別とは関係がありません。なんかよくわからんが男女二元論的に髪型展開されているというだけの話…いえ、どうなんでしょう。サムライは髪を伸ばしていた。そして時代が移り変わる中で文化も変化したので、髪型文化も輸入なんでしょうか。今非常にとりとめなく書いていて、しかも最強に眠くなってきているものですから、間違っているかもしれません。ご興味のある方は髪型の歴史を調べてみてください。私は今は深入りせずこの記事を書き続けます。

ここでエピソードを挟ませてください。
以前に出会った舞台役者さんが、重ためのぱっつん前髪に、美しい黒髪のロングヘアでした。長い自毛で歴史ものの舞台をやる彼は非常に美しかったものです。
初めて観た演劇で、彼は物語上の「スパイ」として女装をし、美しい女性の着物を着ていました。そして終盤で、「この時を待っていたのだ」と口上を述べ、男性として、男物のお召し物と刀を持って現れるのです。長い髪は小顔の後ろでポニーテールに束ね、髪も身体も躍動的で、いかにも武術に長けているさま。こなれたように刀を軽く握って持ち、それが言いようのないほどカッコよかったのを覚えています。

漫画の話はこちらではしないのが基本ですが、『ブラックガルド』に登場する「川上」の外見はこの役者さんの影響を大きく受けています。

そういう過程があって、私の中でのロングヘアには、戦う武士のイメージが付与されている気がします。だから女性的なロングヘアになりたいのではなく、カッコいいロングヘアになってみたいのです。

ただ、ここで一つ難しい問題が浮上してきます。
髪の長い件の役者さんは、やはり体を使う職業であるので、しっかりとした細マッチョ体型でした。骨格、体格、肩幅。一見女性らしさを加速させそうな長髪が中和される理由に、「体格」があると感じます。

女性でも鍛えられる部分はありますが、できない部分もあります。
ほどよい胸筋で、それはやわらかな乳房ではない、となると特に難しいでしょう。
あと遺伝的に痩せやすい自分には筋肉をつけるというのがもう大変難関です。

はてさて、最近買ってみたものがいくつかあります。
・撫で肩を緩和する肩パッド(ヌーブラのようにペタっとくっつける)
・胸潰しタンクトップ(私の場合は胸がないので、ほぼ乳首隠し)
・筋肉の位置にほどよいスポンジが入った控えめマッスルインナー(肩もスポンジ入ってます)

フェミニンに見られやすい長髪と、男性的な身体のシルエット作り。
ちょっと楽しそうです。
件の役者さんは肉体ベースが男性でしたが、ベースの肉体が女性の私は、あがいてなんとかなるものでしょうか、はてさて?

今度、実際に着てみたりして雰囲気を見てみようと思います。
noteで公開するか、動画にしてみるか、考えておきます。

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