書評 北中正和著『ビートルズ』
ビートルズがなぜ他の演奏家より別格か書かれている。
ビートルズのメンバーは初期以外解散まで変わらず、彼らにはメンバーチェンジをする考えがなかった。多くのファンも再結成は同じメンバーでと望んでいたはずだ。
それは叶わぬ夢だったけれども、彼ら全員がリバプール出身で、ロンドンはじめ英国圏で活躍するためには訛りをなおす必要があった。
リバプール訛りをなおすのは英米の音楽をカヴァーして演奏するのがいい。
本著で別格とされたのは彼らの自信であり、カヴァー曲よりポップに演奏できるという確信である。
リバプール訛りに近い発音はドイツオランダ語圏なので彼らが訛りをなおす「修行」したのも好都合だった。
正式にデビューした曲はカヴァーに若さと情熱が溢れていてビートルズの名前だけで曲を聴かせるようになっていた。
私はスティーブン・ウィンウッドがアフリカ系アメリカ人歌手のように歌える天賦の才に感心する。
ビートルズにはアフリカ系アメリカ歌手への敬意はあってもコンプレックスはない。
それゆえ、「本物の音楽ルーツはアメリカ南部にあるので現地に行かなくては衝迫」
もなかった。
北中さんの本に学んで考えたことをまとめた。「ロック名盤」以来、いつまで経っても彼は私にとり音楽の師のようだ。
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