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90秒で学ぶ!逆説の日本史1⃣古代黎明編(序論)

今回は「逆説の日本史」1⃣古代黎明編(著)井沢元彦(小学館文庫)
の序説を90秒で紹介します。

日本の歴史学の三大欠陥

日本の歴史学には三つの大きな欠陥がある。第一に日本史の呪術的側面の無視ないし軽視、第二に権威主義、第三に権威主義史料至上主義である。これによって起きる歴史認識の齟齬を井沢氏は「逆説の日本史」シリーズにまとめている。

呪術的側面の無視ないしは軽視

呪術的側面の無視ないしは軽視とはどういうことなのか?
一言で言うならば、「宗教不在」ということである。

明治以降、西欧の影響を受け、怨霊、呪詛、神、宗教といったものが科学の対象から外すことが正しいとされた。
つまり、宗教はあくまでも、宗教である。こういった考えが歴史を研究する知識人に広まった。
これが日本歴史学の欠陥が生じる最大の原因になる。

歴史とは、過去の人間の行為を研究の対象とする学問である。
そして、その過去の人間の行動に最も影響を与えていたのが、宗教である。
このことは、宗教を理解しなければ、歴史を理解できないことを意味する。

過去の人間は本気で宗教を信じ、それに基づいて行動していた。
十字軍も、サンピエトロ大聖堂が建設された事も、宗教に基づいての行動である。

決して宗教を信じろ、信仰しろと言っているのではない。
だが、真に歴史を理解するには、過去の日本人が信仰の対象としていた宗教、つまり怨霊を理解し研究の対象とすることが重要である。

権威主義

権威主義については字の通りであるので、ここでの説明は割愛するが、
日本では東大の人が言っているからそうだ!や
主張に対する反論と人格批判を混同することが多い。
これが権威主義につながっているといえる。

史料至上主義

現在の歴史学は、「史料の分析」が基本である。
史料をベースに研究することで正確な歴史が研究されると思われる。
だが、これには落とし穴がある。
それは「当たり前のことは書かれない」ということである。

例えば、面白いのが「アダルト・ビデオ」
広辞苑でアダルトビデオと引いてみると、「アダルト」は載っているが「アダルト・ビデオ」は載っていない。

仮に1000年後の日本人が言語を研究するとする。
当時、国語辞典で最良である「広辞苑」という史料に「アダルト・ビデオ」が載っていないからと言って、彼らがその存在が無いと結論付けたならば、
それは間違いである。

つまり、これほど当たり前ことは記録されないのである。

もちろん、過度な実証主義批判は却って妄信を生む。
しかし、現在の歴史学はあまりにも史料だけに囚われ、当たり前のことを見落としている。

上記三つが原因で日本の歴史学は頓挫している。

まとめ

今回は「逆説の日本史」1⃣古代黎明編(著)井沢元彦(小学館文庫)
の序説を90秒で紹介しました。

こんな感じで簡潔にまとめていきたいと思います。
また、興味があれば、「逆説の日本史」(著)井沢元彦(小学館文庫)を読んでみてください。

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