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読書記録 1|企業の歴史 ~GE・ソニー~

企業とか商品・サービスの歴史について書かれた書籍を読むのが好きだ
そこで得たインサイトを仕事に活かすとかそういうことではなく、
単にストーリーとして読むのが好きだ

ただ、たいていの場合は一度読んでしばらくしたらディテールは忘れてしまうから
せっかくだからnoteにアウトプットをしようと思う

タイトルにナンバリングしているのは今後も書きたいという意気込みです


今回は読んだのは『GE帝国盛衰史 「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか』『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」』の2冊

GE帝国盛衰史は書店で山積みになっているの見かけたのをきっかけに購入
GEといえばアメリカを代表するコングロマリット企業だが
せっかくGEのことを読んだから日本の企業の比べようと思い、ソニー再生も手にとった

GEもソニーも、この書籍しか読んでいないから一つの側面でしか理解をしていないことは前置きしつつ、それぞれの本を読んで自分なりに感じたことを書いていきたい

GE帝国盛衰史 「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか

GEはアメリカを代表するコングロマリットで、エジソンが創業者としてもよく知られる(実際は名ばかりだったようだが)企業である

日本で暮らしているとあまりピンと来ないが、かつてはGEで働くことはなによりもステータスだったようで、投資家もGEの株を買えば間違いないと思われるほどに信頼の厚い企業だったようだ

GE史上最も有名なCEO、ジャック・ウェルチの時代に全盛期を迎えたが、
この本は、ジャック・ウェルチのあとを継いだイメルトの話がメインであり、
著者の圧倒的な取材をもとに、ジャック・ウェルチ以降、GEがどのように凋落していったかを描いている


GEは売上至上主義で、予算を達成するためには何でもしなくてはならないし、予算を達成しなければクビが飛ぶ
社員はそんなプレッシャーに常に晒されていた

予算も緻密に計算されたものではなく、株価を上げるためにエイヤで決められていてなんの根拠もない

そんな予算を達成するために、法律スレスレの会計処理で売上をあげることが普通で、実態とは大きくかけ離れていた

イメルトはGEを衰退させたと常々批判されているが、こういった不正と思しき行為は前任のジャック・ウェルチから横行していたことであり、イメルトは少し酷にも思う

そんなGEの株価は今も低迷しており、今も再建を目指している

ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」

本書は、ソニーの歴史というよりは、ソニーの再建を果たした平井一夫氏の半生を平井氏自身が書いたもの

GE同様にエレクトロニクスを起源に成長し、世界に名を知らしめたコングロマリット企業となったソニー
そんなソニーは一時大きく失速し、2012年期には5000億円を超える赤字を計上する

そんなソニーの立て直しを任されたのが平井氏だった

平井氏のキャリアはソニーの音楽事業、いわゆるソニーの"本流ではない"ところから始まる

そして見事にソニーを立て直し、2012年に772円の安値をつけたソニーの株価は、2021年には14,745円の高値をつけることになり、2022年には1.2兆円の営業利益を出すまでに成長した

GEとソニーの違い

見事な再建を果たしたソニーと未だ再建を目指しているGEで何が違うのか
「GE帝国」を書いたのはジャーナリストで、「ソニー再建」は平井氏自身が書いたという点はあれど、それを差し引いてもそこにエッセンスはあるような気がする

私が一番に感じたのは"リーダーシップ"である
歴代のGEのCEOは激しい出世競争の中で勝ち抜いてリーダーになった
GEのリーダーは株価を上げることが市場から常に求められる

一方の平井氏は、そもそも入社時からソニーのメインストリームにはおらず
出世など考えてもいなかった(…と本人は語っている)

平井氏は市場よりもまず社員と向き合い、自分たちが何をする会社なのかを定義した

株式市場に存在する限り、株価を上げて株主へ還元することを第一とするのは至極全うである
けれど、GEはその結果本質や実態を見失ってしまったし、リーダーが自分のメンツを何よりも大切にしていることが立て直しの障害になってしまったように感じた
(GEの歴代のCEOは、前任や現任をメディアで批判することがよくあるらしい)

でも、自分の名声や名誉を脇において、会社のために最善をつくし続けることは人間にとってはとても難しいことだし、そんなデキた人間はほとんどいないように思う
競争を勝ち抜いてきたエリートにとっては余計に


冒頭の繰り返しになるが、ここで感じたインサイトをキャリアや仕事に活かそうというものではないので特にオチはないが(自分で見返しても急に終わった感じが否めないが…)
強いて言うなら、社内で競争をしたりだれかを蹴落としたりするのではなく、サービスや会社のミッション・ビジョンと向き合って、仕事に楽しさを見出して仕事をしていきたいと感じた

それと、サムネイルのために本を並べて写真を取れないことが電子書籍の欠点だと気づいた

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