【記事抜粋】模倣や学習について(山際寿一(2006),日本経済新聞/夕刊「あすへの話題」2006年12月12日)

「 … 他人の行動をうわべだけまねることは、猿のような卑しい行為と言われている。 でも、動作を即座にそっくりまねられるのは実は人間だけなのである。 …では、なぜ人はたやすく他人のすることをまねられるのだろうか。 それは、すぐに他人に同化して、その行為を繰り返せるからだ。 人は誰かになった気持ちになることが得意である。 とくに、自分が憧れたり尊敬している人の動作は、無意識のうちに身についてしまう。知能の高いチンパンジーやオランウータンでは、仲間と親密につき合うほど、さまざまな行動を学習する率が高いという結果がでている。 どうやら人は、仲間と特別親密な関係をつくり、他者に憧れるような感情をもつようになったおかげで、簡単に猿まねができるのだと思われるのである。 猿まねを基本として、その上に読みと独創を重ねるのが人の模倣や学習だ。 … 」

ブログ「生活と人間行動」の記事(2006年12月24日)再記。

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