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フリーオペラント法

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【記事要約】佐久間徹(1998)「子どもを考えるための一つの発想」, 芦屋市立打出教育文化センター教材だより平成10年12月, 8号.

※下記の要約文の小タイトルは、私が勝手につけました。

事実

 現実に、わからないという事実が私たちの目の前にあります。 理解、理解、理解、理解が大切だということは誰でも十分にわかりすぎるぐらいわかっています。 けれども、理解しなければならないというだけでやっていけるでしょうか。 どんな世界でも人間の知識や技術には限界があります。

 専門家と呼ばれている人たちは、そんな状況に対して、実に巧みな

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【講演要約】佐久間徹「育児の行動心理学、発達障害児を中心に ‐ 強化して強化される関係 ‐ 」(中部行動療法・行動変容研究会四周年記念大会, 中京大学, 2005)

 ABAの基本は、三項随伴性(事前の出来事 ⇒ 行動・反応 ⇒ 事後の出来事)です。 とくに行動・反応と事後の出来事との関係性に注目します。 この枠組みにもとづくと、行動の予測と統制(こうであればこうなるだろうということ)、行動の機能の同定(当該行動の果たす目的をみつけること)、適応行動の形成が可能になります。 こうした背景には、オペラント条件づけ研究、スキナーの言語行動理論等々があります。

 

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【論文紹介】大野・杉山・谷・武蔵・中矢・園山・福井(1985)「いわゆる「フリーオペラント」法の定式化 – 行動形成法の再検討 -」(筑波大学 心身障害学研究, 9(2), 91-103)

 わが国の、行動論(行動療法・応用行動分析学)による療育アプローチに、<フリーオペラント法>と呼ばれるものがある。 Koegelらの<Pivotal Response Treatment>とも重なる点をもっている試みだ。

 久野能弘先生や佐久間徹先生が報告した試みで、 いっぱんには三つの流れがあるとされている。 そのうちの一つに、HIROCOと名づけられた試みがある。
 
 それがこの論文、「い

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【冊子要約】佐久間徹 (1981) 情緒障害児の言語指導. 財団法人 子供の城協会.

1. 身体接触 (こどもの好む肌と肌のふれあいをベースにする。 たとえば、だっこ、マッサージ、くすぐり、くすぐり合い等がある)
2. 発声・発語や身体動作の逆模倣 (おとながこどものマネをする。 そこから、こどもとのやり取り、こどものマネを引き出す)
3. 模倣行動の機会 (おとなやともだちのマネのできる機会/時間や場所をみとめる。 遊びにする)
4. 自発行動を支える正の強化の配置 (好きなこと

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