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次の掌編小説集の布石

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まだ見ぬ新刊、レッドを作るため、書いてきた新しい掌編小説をまとめます。 わたしの性格上、真実性をもたぬものはあまり響きませぬ。
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掌編小説「デザートはおあずけ」

掌編小説「デザートはおあずけ」

 

頃子は困っていた。彼女は生鮮食品店にいては、そのデザートコーナーで立ち止まっていた。棚にはチーズケーキが数百円で売っていた。正直な気持ち、頃子はそのチーズケーキを食べたかったのだが、簡単には手を伸ばせなかった。電子マネーの残額が空っぽだからではない。非常時のために現金も幾らかは持ち合わせている。ただ、この日の買い物は合計3000円以内で抑えようと頃子は考えていた。今回の買い物にチーズケーキは

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