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交際経験なしコミュ障男の結婚
私が結婚したのは37歳の時でした。
彼女いない歴37年、異性と付き合うどころか会話をするのもままならない、友だちも一人もいないという、人と交わることのできない人間でした。
私は自分は役に立たない存在自体が不要な人だと思っていて、それでも親の期待に応えて結婚することができれば人として認められるんじゃないかと考えていました。
結婚できなければ自分が生きている意味はないので、40歳までに結婚できなければ死のうとまで思っていました。
だから、なんとかして結婚したいと思いました。
人が怖くて人と交わるのが怖かった私にはガールフレンドを作るのはほぼ不可能と思われました。
学生の時、何かの懇親会でお酒を飲んだ後同じ研究室の女性が私の下宿に行ってみたいというので、一緒に部屋に行きました。
しばらく二人きりでいたのですが、私はドキドキしてどうしていいかわからず、彼女から話しかけられても適当に相槌をうつのが精いっぱい。
やがて彼女はつまらなさそうに帰っていきました。
彼女が私に気があったのかどうかはわかりませんが(たぶん気があったと思う)、そうやってたとえ仲良くなるチャンスがあったとしてもどうすることもできませんでした。
社会人になった当初も先輩たちに誘われて合コンに行ったり、職場のアルバイトの若い女性の方たちと一緒にスキーに行ったり海水浴に行ったり仲良くなるチャンスはいくらでもありました。
でも、自分からは全く話しかけることができず、相手から話しかけられてもうまく答えられなくて会話が成り立たず、交流を深めることはできませんでした。
30歳を過ぎると時々お見合いの話がやってくるようになります。
合コンだと会話が成り立たないと難しいけれどもお見合いなら目的は一つなので、それほでしゃべらなくてもなんとかなるんじゃないかと思っていました。
それと、そのころに英会話学校に通ったことで異性と話をするハードルが下がりました。
英会話学校に通った理由はTOEICで高得点をとって周りから英語ができるように思われるようになったけど実際には英会話を全くしたことがなかったので、それができるようになるためでした。
英会話学校に行くと、20代、30代の女性が大半で、必然的にその人たちと話をするようになります。
そして、日本語の会話レベルには差があっても、英会話は初心者同士で同じレベルで会話ができるし、学校なので強制的にしゃべらされるわけですから、話をすることに慣れてきました。
しかもその学校は先生や生徒同士が学校外でも積極的に交流するスクールで、一緒に飲みに行ったり海水浴に行ったりしたので、異性と話をすることに対する抵抗がかなり少なくなりました。
しかし現実には、すべて1回あっただけで相手の方から断られました。
理由は大体同じで「全然しゃべってくれないので私に興味がないように思いました。」といったものでした。
私としては、全くしゃべっていないとは思っていなくて、相手に話しかけられたらちゃんと答えていたので少しは会話をしているつもりでしたが、こちらからは話しかけていないので、全然しゃべってくれないと相手が感じるのは当然です。
そんなことが続いたので、なんとか少しは自分から話しかけようと頑張りましたが、何をどう話していいのか全く分かりませんでした。
とはいえ、結婚できなければ死ぬしかないと思っていたので、なんとかしなければなりません。
ある時、お見合の相手が結婚した経験のある人でした。
一度結婚した経験がある人だからかどうかわかりませんが、それまでの人のようには相手も緊張していなくて楽しそうに話しかけてくれました。
それでもやはり「はい」「いいえ」くらいの返答はできても、思うように答えることはできませんでした。
そして、こっちからもなんか質問しなきゃいけないと思い、必死で考えた質問が「今日、朝ごはん何食べましたか?」。
その質問も、何の脈略もなく突然たどたどしく言ったので相手は苦笑していました。
その相手とは、すぐに断わられることはなくて、1週間くらいはメールのやり取りをしましたが、やはり断られました。
その後、国家公務員専用のお見合いサイトのようなものができ、すぐに登録しました。
そこに登録できるのは国家公務員かその家族で、そのサイトを通じて知り合った、何人かの人と会いました。
数名の人とメールのやり取りをしてから会いましたが、やはり1回あっただけで断られていきました。
何人か目にあった人とは、初めて複数回会うことができました。
何回か会いましたが、食事の場所を決めるのにいい場所が思いつかなくてなかなか決められなかったりする時などには相手がいらだちを見せることがありました。
そして、数回目に会った時、私が先に待ち合わせの場所付近につきました。
相手に電話をすると、今○○にいるということだったので、「じゃあ、ここで待ってます」と言って電話を切りました。
相手が待ち合わせ場所に現れましたが、明らかに怒っていました。
「私は歩きにくい靴を履いてるのに、なんであなたはじっとしていて私に歩かせるの」と非難されました。
確かに言われてみればそうです。
しかし、相手に気を使うという発想がなかった私は、そんなことは思いつきませんでした。
その相手とはそれっきりになりました。
でも、そうやって言ってもらえたおかげで、相手の状況を考えて気を使ってあげれば相手はうれしいんだということを知りました。
それまで1回で断られていたのも、会話がうまくできないと理由よりも、そういった理由の方が実は大きかったのかもしれません。
当時私は大阪に住んでいましたが、次に会った相手は関東地方に住む方でした。
関東地方の中でも東京からは距離がある場所で、大阪から行くには遠い場所です。
何度かメールでやり取りをしたあと、初対面は彼女が大阪に来ることになりました。
私は、今までの反省から、電車の一日乗車券を用意したり、できる限り二人で楽しい時間を過ごせるように気を使いました。
その日の私は精いっぱいたくさん話をしたつもりでしたが、彼女の印象は「あんまり話をしてくれない人」だったようです。
一日かけて大阪の街を二人で歩きました。
メールでいろんな話をしていたし、楽しい時間を作ろうと気を使ったことが良かったのか、次回の会う約束をして別れました。
この最初のデートでなんとなく「この人は運命の人」だと感じました。
私は自分から相手にアプローチすることができないし、何かを決めるにしても嫌われたらどうしようという不安が強かったのか、自分から提案することができませんでした。
口下手でおとなしい男性が、女性の一方的なリードで結婚したという話を耳にしたことがあり、男性がリードしなくてもいい場合もあるのだと知りました。
それで、こちらが何もしなくても積極的にリードしてくれる相手が見つかればいいなと思っていて、彼女はまさにそのタイプでした。
その2週間後に名古屋、その1週間後には彼女の住む県内でデートしました。
3回目のデートで、彼女から結婚を前提にお付き合いすることを提案され、もちろんOKしました。
それからわずか3ヶ月の間に、関東、関西、そして私の実家のある四国を何往復もしました。
お付き合いから始まって、プロポーズ、双方の両親へのあいさつ、結納、婚約指輪、結婚指輪の購入、ハワイへ新婚旅行、入籍、さらには東北から四国まで各地に散らばる両家の親族を一堂に集めての披露宴まで、たった3ヶ月ですべて行いました。
二人とも行動力があるので、やると決めたら早かったです。
もちろん、プロポーズをしたのも彼女の方からで、私はすべて彼女におまかせ、彼女の希望に沿ってどんどん段取りして実行していっただけです。
異性と全く付き合った経験がなくても、会話ができなくても、結婚すると決めれば結婚できます。
結婚したいけどできないという方も、交際経験がないとか、コミュ障だからとか、できない理由を考えないでどうすればできるのかを考えていけばチャンスはあります。
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