シナリオ・小説における「理解させるべきこと」の取捨選択。
私がよくnoteの記事で言うのが、
ユーザーが理解できるかを考えようというもの。
だが理解だけが必要かと問われれば、
そうとも言えないのではないでしょうか。
自分で言っておきながらアレですが。
全部を理解させるなんて到底無理。
理解させるだけなら物語なんていらず、
淡々としたレポートでいいのだから。
なので理解に対する取捨選択は非常に重要です。
今日のテーマは創作する上で考えるべき、
「理解させるべきこと」を語ります。
■理解はなんのためにある?
まずは理解について知ろう。
理解(りかい)
1物事の道理や筋道が正しくわかること。
意味・内容をのみこむこと。「理解が早い」
2他人の気持ちや立場を察すること。
「彼の苦境を理解する」
3「了解」に同じ。
=物事の内容や事情を理解して承認すること。
《引用元:goo辞書》
意味としてはこんな感じだ。
シナリオ・小説としても変わらず同じでしょう。
もっと簡単に言えば、
「物事が違和感なく頭に入ってくること」かな。
なぜ物語の中で理解させなければいけないのか。
シナリオ・小説は、
ユーザーに読まれてようやく商品になる。
つまりユーザーが内容を理解するのは前提なんだ。
無論、全部が全部を理解をさせる必要はない。
でもある程度ユーザーが理解しなければ、
まず続きを読む気にすらなってもらえません。
何が面白いのか、何が得られるのか、
どんな思いを伝えたいのか。
それらが理解できるような物語であることが、
最低限担保されるべきクオリティだと思います。
■理解させるべきことって何?
ユーザーの理解は、
続きを読んでもらうために必要。
もっと具体的に理解させるべきことって何か、
本題を掘り下げていきましょう。
ぱぱっと思い付くものは……
・作品の面白さ、得られるもの、伝えたい思い
・主人公やキャラの考え、行動と理由
・物事が成立する世界観
・出来事が起きた理由、その結果……
うーん、これだけでも多い!
しかしどれも重要な要素で捨てられない。
理解できないと作品の筋道が通らないから。
そう、答えはこれです。
理解させるべきこととは、
「作品の筋道になるもの」なんです。
つまり話が通る最低限のものを理解させられれば、
物語としては問題がない。
面白いかは別だけどね。
でもユーザーの理解を考える際には、
これが指針となるのではないでしょうか。
そして逆に言えば、
筋道に必要のないものはいらない。
それは、
「理解させなくていい」=「伝えなくていい」
ということでもある。
伝えなくても物語が通るのであれば、
理解させる必要はないのだ。
極論だけどね。
■理解させることを意識する方法
だからこそプロット(シナリオの設計図)や、
作品を企画する段階では、
テーマとコンセプトが重要になる。
つまり何があれば筋道が通るのかを明確にしよう、
ということ。
それを意識するために、
私がやってるオススメのやり方は……
「プロットの段階分け」だ。
私がプロットを作る時は、
「大プロット → 詳細プロット」
という順番でつくっています。
大プロットでは、超大まかな流れだけを書く。
最低限、筋道に必要もので構成して、
細かいものは絶対に書かないことを意識。
桃太郎の冒頭なら、
「お婆さんが桃を拾って、中から赤ちゃん誕生」
くらいのイメージだ。
お爺さんが芝刈りに行くのも、
お婆さんが川へ洗濯に行くのも、
川上から桃が流れてくるのも、
桃からの生まれ方も……
物語全体を見れば筋道に関係がないから無視だ。
この段階では思い切って捨ててしまおう。
この大プロットを作って、
まずはディレクターに確認してもらう。
趣味ならプロットはなくてもいいけど、
お仕事なら認識共有のためにも大切なんだ。
考えていることにズレがあったら、
書いたシナリオがほとんど無駄になるからね。
これ超モチベーション下がるので危険。
そういった面もあって、
大プロットで確認してもらうのは重要。
ここで「これだけあれば最低限筋道は通る」
というお墨付きをもらえれば、
ユーザーを理解させるための第一段階は成功です。
……もっともディレクター側が誰とも相談せず、
完全に個人で判断している場合は要注意だが。
できる人なら問題ないんだけどね。
大プロットこそが、
ユーザーに理解させるべき内容。
それを意識しながら詳細プロットを練るんだけど、
ここでポイント!
「大プロットの内容に書き足していく」
ように作っていって、
「大プロットの内容が把握できる」
ように整理しておこう。
例えばシーンごとに……
シーン1
テーマ:○○
大プロット:
ーーーーー
ーーーーー
詳細プロット:
~~~~~
~~~~~
こんな風に、
何を理解させるのかパッと確認できるようにしておくと迷わなくて済む。
あとリッチテキストでまとめるのもオススメ。
太字や色を変えることで、
視覚的に認識しやすくなるから。
ワードはページ区切りが邪魔なので使いたくない。
このようにプロットの段階分けをして、
何が得られるのかをまとめると……
認識共有で方向性の齟齬を減らしやすいこと。
視点が増えることで、
ユーザーが理解できるかを把握しやすくなること。
そして最後に一番重要なのが……
執筆するときの、
負担を減らして集中力を増せること。
これが結果的に、
「理解させるべきことを意識する余力」
に繋がると私は考えています。
伝えるべきこと。
伝えなくてもいいこと。
それらを意識して、
よりユーザーの理解が得られる物語を作ろう!
という所で今日はここまで。
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