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どうやったら「掴み」を作れるのか。

「ネット小説の新作を投稿したけど全然"ブックマーク数が伸びない"」
「Youtubeで動画を作ったのに"平均視聴時間が短い"」
「シナリオを書いたのにすぐ"惹かれない"と言われる」

そんな悩みは創作活動において付きものです。

これらの悩みに一貫しているのは、
「最初の部分で評価されている」ということ。

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物語の旨味に至るまでに「面白くない」と評価され、ユーザーが離れる。

こうなってしまうと、
その先でどれだけ面白いものを書いても無意味になります。
だって前提としてそこを読んでくれないんだもの。

「物語を積み重ねた所が一番面白くなる」
「でも冒頭で離れられたら終わり」

苦しくもそれが作品におけるジレンマなのです。


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という訳で、今日はその冒頭における重要な部分。

ユーザーが継続して作品を読んでくれる為の必須ポイント、
物語の「掴み」について考えていきましょう。


■掴みとは、利益の提示である。

「掴み」とは。

格闘ゲームにおける投げ技……ではなく、
「物語の冒頭でユーザーの心を掴むこと」です。

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物語を楽しんでもらうには相応の時間が掛かりますよね。

12万文字くらいのライトノベルなら3〜5時間くらい。
美少女ゲームなら体験版だけでも8〜10時間掛かったりします。

しかし簡単にはユーザーの時間を貰うことができない

面白いと思うからこそ、
自身にとって体験や知識といった利益があってこそ、
人は長時間を作品に費やしてくれるのです。

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その判断基準を作る為に「掴み」というものが重要になる

これらを踏まえて改めて、掴みとは……
「ユーザーがその作品でどんな利益を得られるかを簡単に示したもの」
であると思います。


■掴みの考え方は4段階ある。

いきなり「掴みを考えよう!」と言っても難しい
何をやればいいかを理解しないと具体的な行動なんて出来ませんよね。

なので以下の順序を追って掴みの考え方を見ていきましょう。

1.誰に、どんな利益を提供するか
2.掴みの仕組みを決定
3.期待成果を試してみる
4.作品を出した後、その成果を分析する

これだけでは何を言ってるか分からんね。
なので、それぞれを詳細にまとめていきます。

あくまでも自己流なので、参考程度にどうぞ。


□1.誰に、どんな利益を提供するか

まず考えるべきことは「物語を書くときの前提条件」です。

それは作品としての軸を把握すること。
ここを意識しないと、
「結局何がしたかったのか」が分からず目的が曖昧になってしまいます。

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ここで考えるべきは、
「作品のコンセプト、テーマ、ターゲット客層」の3つ。

【コンセプト】
 作品の方向性。「どうやって」与えるのか。

【テーマ】
 作品の課題。「何を」与えるのか。

【ターゲット客層】
 「誰に向けた」作品にするのか。

これらをまとめると、
「誰に対して、どうやって、どんなものを与えるのか?」ということ。


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更にもっと具体的にしていくと……
「どんなユーザーに、どんな内容を通して、どのような利益を与えるのか」
ということになりますよね。

つまりこれこそが、先程述べた「掴みで書くべきこと」なのです。


□2.掴みの仕組みを決定

掴みの仕組みとは。
「どうやってユーザーに利益を与えるのか」ということです。

前項のコンセプトをより具体的にしていきます。
いわばプロットに落とし込む、という感じ。

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ここで私がよく使うのは、
「キャッチコピーの構造」を利用すること。

例えば、キャッチコピーの根幹としてあるのはこの3つ。

・自分に関係があると思ってもらう
・具体的かつ、強い言葉を使う
・「何で?」という疑問を持ってもらう

他にも基本的な技術として……

・何かを言い切らせる
・ユーザーに問いかける
・謎や問題を提示して、好奇心をくすぐる
・格言を引用する

といったものがあります。

そしてこれらを使って架空の掴みを考えてみると。

殺人事件が起きた瞬間から描き、
犯人はこの中にいる、という疑心暗鬼の状態に。
そして第一発見者の主人公は指を指され、
「貴方がやったんでしょ、この人殺し!」と言われてしまう。
俺はやってない、と内心で思いながら。
「こいつが、邪魔だったんだ」と主人公が告げる……

こんなミステリーの掴み。
疑心暗鬼のところで共感性を強めて、主人公が犯人じゃないのに自白する所で謎を提示

みたいな感じとかね。

なお今回挙げたキャッチコピーの技術について、
書かれた本を一冊ご紹介。
無人の本屋さんで買ったやつです。

無駄な情報が少なく、デザイン的にも非常に読みやすい
勉強になるのでオススメです。


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なぜキャッチコピーの基礎を元に考えるのかと言うと、
考え方が同じなんですよね。

「短く、人の心を動かし、興味を持ってもらう」

文量には大きな違いがあるものの、重要な点は同じ。
なんでキャッチコピーの考え方がとても参考になります。

特に冒頭1ページなんかは、キャッチコピーの塊みたいなものですからね。


□3.期待成果を試してみる

期待成果とは「それを通してどんな成果が得られるか」というもの。

つまりはその「掴み」で、
ターゲット客層の中からどれだけユーザーを獲得できるか
それを考えていきます。

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しかし実際の数値は「やってみないと分からない」というのが現実。
なのであくまでも期待できる成果な訳です。

それをどうやって算出するかと言うと……

人に読んでもらって、感想をもらいましょう
これ一択です。

複数の視点で見て、期待成果が得られるかどうかを考えていく。
一人で考えるよりも根拠があるかと。

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とはいえ簡単なことじゃありません。
人の時間を使うのですから、相応のリターンも必要になる。

なので一番は「同じシナリオライター、小説家」と手を組むこと
かと思います。

……と言っても、私もまだそういうのできてないんですよね。

なので近いうちに5人くらいで読み合ったり、
人気作の分析したりするコミュニティ
作ろうと思います。

商業経験の有無とかは重視しませんが、
しっかり考えながら書けるのと、
人の意見をまっすぐに受け入れられることが条件かな。

興味ある方はTwitterでリプライかDMください。


期待成果についてはそんな所で。

ここまでが「掴みを作る際に考えること」です。
かなり抽象的な説明しか出来てないので、
今後実践して成果を得られたら具体的な説明をしようかと。

最後の項は、公開後にやるべきことになります。


□4.作品を出した後の成果分析。

考えて作る、考えて書く。

それだけで終わっては意味がありません。
実際にどれだけの成果が得られたか、を数値化することが重要になります。

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なぜ重要かと言うと……次回作に活かす為ですね。
数値化して成果をまとめておくことで、
行動の再現性(もう一度同じ成果を得られるか)を強化していくのです。

……ま、1〜2回では再現性なんて皆無だから、
その為には沢山計画して行動しなきゃだけどね。

こういう部分も、誰かと一緒にやった方がいい点です。


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「掴み」の成果分析は色々と方法があります。

・Youtubeに動画化して投稿する
 →「視聴時間」や「リンクのクリック数」などで計る。

・体験版などのコンテンツを配布する
 →終盤に「ツイート」や「リンク」を作り、DL数から計る。

・ネット小説に投稿する
 →アクセス解析で「1話目と2話目の読者数」から継続率を計る。

・Twitterにコンテンツを投稿する
 →インプレッションとエンゲージメント数から計る。

パッと考えつくものでこんな感じかな。

大事なのは数値が出せるサービスでコンテンツを投稿し、
見られた数ではなく、そこから興味を引き出せたかを計ることです。

こんな風に成果分析をして、それを元にまた次の作品の掴みを計画する。
成果が上手くいかなかったら原因を考えてまた実験していく。

その繰り返しが重要かなと思います。


という所で、今日はここまで。
今回は「掴み」の作り方についてまとめてみました。

皆さんの創作活動の参考になれば幸いです。
頑張って理想的な「掴み」を書けるよう一緒に頑張りましょう!

では、また次回お会いしましょう。

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