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日本のタクシー/ライドシェアについて過去の当事者の視点で考察してみた (Part 2)

どうも、ライオです。

前半後半に分けていたのに、仕事など忙しくなり2ヶ月も間をあけてしまいました。。
前回の記事は下記になります

なぜ東京ではライドシェアサービスが始まらないのか


ここからは、これまでの経験に基づく僕の意見です。

なぜ日本ではライドシェアサービスが始まらないのか、という理由は明らかで、政府や業界が既得権益を守っているからに過ぎません。

グローバルな視点で"ライドシェア"といういうと一般的には、日本では"白タク"と呼ばれているものになります。
これは無許可で乗客を車に乗せて移動をし、その運賃をもらうことが白タク行為に抵触します。

許可をもらうためには基本的には2種免許の取得はもちろんですが、日本でタクシー営業をするならタクシー会社に所属して、そこで乗務員のライセンスなどを取得しないといけないです。(ちょっと細かいところで間違っているかもですが大体そんなところです)
ちなみに個人タクシーというものがありますが、個人での営業には最低10年の会社所属ドライバーとしての経験が必要になります。(個人タクシー協会というのがあって、そこで管理されていたはずです)

それらをすっ飛ばして、自家用車でいつでもどこでもアプリを立ち上げて乗客を見つけることができ、その運賃を乗客からいただく、おまけに運賃自体も安いからユーザーもどんどん使ってくれる、そんなサービスがあったら既存のタクシードライバー、タクシー会社は商売あがったりな状態になります

そんな状況を危惧し、当時(2012年頃かな)Uber(eatsじゃない方)などが日本に進出してきたときは業界全体が「黒船がきたぞー!」と言わんばかりに騒ぎ、戦々恐々としていたのです。そんな状況のために国土交通省が介入して外資のライドシェアサービスが自由に営業ができないように、これまでよりも一層白タク行為を取り締まったのです。これにより、タクシー業界は一安心、一件落着、という感じになったのでしょう。

既得権益を守った結果、失ったもの

当時の政府やタクシー業界は既得権益を守るのに必死でこの先がどうなるのかなんて考えてなかったのでしょう。なおさら日本の経済のことまで考えていた人なんていたのでしょうか。

既存の仕組みのまま、なんとか限られたお客さんを他の会社との間で取り合う日々が続き、特に状況も変わらず現状維持のまま運営が続くことになりました。本当はよりサービスの向上や効率化によるコスト削減などを考えるよい機会になったかもしれないのに、それをしない未来を選んだのです。

このおかげで、日々updateされているグローバル基準から取り残され、未だに僕たちはタクシーは大きい道路かタクシー乗り場で拾うものという感覚だし、タクシーは高いから特別な時にしか使うべきではないと思っているし、ましてやアプリでタクシーを呼んだりしたら余計に迎車料金もかかるのでとてもじゃないけど使いたいとは思えません。

タクシーは、うまく活用すればとても便利なツールになりうると思います。
東京ですらいくら交通網が充実しているからといって、電車が不便と思うこともあるし、満員電車に乗りたくない日もあります。たくさんの荷物を持っての移動、子連れでのお出かけ、移動が体力的に辛くなってくる高齢者など、様々な場面、属性をもった人々にとっても便利です。

タクシーにのれば、中途半端だった作業や仕事を移動中のタクシーの中で仕上げることもできたかもしれません。しかし、そういった僕らの仕事や作業の効率化の機会も奪われてしまったといっても良いと思っています。

そしてまた誤った方向性に進む日本のタクシー業界

当時Uberやその他海外のタクシー配車アプリ・サービスは、既存のタクシーを最新技術でどう効率化できるかを考えて、その仕組みを作りました。

一部のある日本のタクシー会社(通称N社)は、その仕組みをそのまま使うことも選択肢としてありましたがそれをせず、自分たちでコストをかけて仕組みを作ることを選びました。
それ自体は良い判断だったと思います。外資のプラットフォームのいちユーザーになると、手数料などを永遠に払い続けることになり、長期的には自分たちや日本経済にとってもプラスになりません。

そこで彼らは、海外のUberなどのTech企業が多大なるお金をかけて考えて開発したシステム/サービスを、調査/観察し自社のシステムに取り入れたのです。

あくまでも"タクシー"の営業をベースとして。。。。

そのおかげで、僕たちは都会であればタクシーをほぼどこにいてもアプリ経由で呼ぶことができるようになりました。
地図上で、来てほしい場所を指定できるし、行きたい場所も事前入力できるし、決済もクレジットカードで自動で支払うことができるので便利です。

聞こえはすごい便利ですが、実際アプリでタクシー呼ぶ人ってどれぐれいいるんでしょうね。少なくとも僕の周りでは使ってる人の話は全然聞きません。

僕が数年前にタイやインドネシアに旅行したときは、皆当たり前のようにタクシーはアプリで呼んでましたし、僕も現地での移動の9割はGrabというアプリを使ってタクシーを呼んでいました。

理由は単純明快で、

通常のタクシーより格段に安いから。

以上です。

アプリでタクシーが呼べることや、
決済をクレカで自動支払、なんて当たり前なんです。

日本でいまいちアプリでのタクシー配車が普及しない原因は、
この値段設定に他ならないと思います。

結局、乗客/ユーザーのことなんて考えていない日本のタクシー会社は既得権益を守りたいので、一番肝心なここには真剣に取り組んでくれないのです。


日本のIT企業が状況打破してくれると思いきや、、

そんな中、2017年頃にある日本のIT企業(通称D社)が独自にタクシー配車サービスを開始しました。

当時はまだライドシェアは違法でしたが、おそらくそれが解禁されることも見込んで、または解禁を働きかける方向での事業展開なのかと推測していました。

しかし、、、

3年後の2020年、思った以上にタクシー配車アプリの普及が進まない中、D社はいちタクシー会社としてアプリを独自に開発/運営していたN社と事業統合してしまいました。

これはつまり、どういうことかというと、
ライドシェアの道を諦め、あくまでもタクシーの配車アプリ・サービスとしての道を選んだのです。

なぜならタクシー会社であるN社と統合ということは、既得権益が崩れる白タク推進の選択肢はあり得ないからです。
これにより統合してできた新会社が、Part1でも言及したM社のことになります。

結局、D社も、Uberなどと同じように、日本のタクシー業界の堅牢な既得権益を守るための業界構造勝てず、なんとか立ち上げた事業を軌道にのせるために、タクシー会社の競合ではなく協業していく道を選ばざるを得なかったのだろうと思います。

どうしたら日本でもライドシェアが解禁されるのか

色々考えてみましたが、これといって良さそうな案にたどり着きませんでした。。

タクシー業界の既得権益を守りたい という問題と近いしいものとして、ドライバーの雇用を守りたい、というものがあると思います、

タクシードライバーの平均年齢は約60歳ということなのですが、仮にライドシェア導入により、タクシー営業の障壁が下がり、新規参入により一時的に既存のタクシー会社所属のドライバー達の売上が減少するのは間違いないでしょう。

長期的には、より乗客が増えるのでトータルそこまで変わらないというシナリオはあり得ると思うのですが、年齢的なものもあり、そういった環境の変化に柔軟に対応できるドライバーがどれだけいるのだろうかということも考えられます。。

ではその場合、じゃあ売上減少や、最悪仕事を失った60歳平均のドライバー達の生活をどうやって養うのか、年金を増やすのかという話になると結構ややこしい状況になってきます。

なので、ある意味その対策として代わりの仕事を用意しておく、という事も考えられますが、タクシードライバーという経験だけで考えると他に何ができるのだろうか。。。あるとしてもタクシードライバーと同等の需要のある他の仕事が思いつきません。。。

日本の超高齢化の影響がここにも影響してくるのかと、どうしようもできない状況に若干絶望してしまいそうになります。。。

僕が唯一、ユーザー観点で出来ることとして思いついたことは、
M社などが提供している、日本のタクシー会社が開発/提供しているタクシー配車アプリを使わないようにすること
があるのかなと思いました。

現在のタクシー営業の延長として、アプリ経由の配車による利益が伸びてしまうと、事業者側としては、それが正解であると思い込んでしまうと思います。そのため、ユーザー側としては、これが自分の求めているサービスではないことの意思表示として、積極的には使わないことが重要だと思います。(とはいえ、そんなに普及してないことは明白なので、さすがにこれじゃないんだろうなというのは認識してると思いますけどね。。。)

おわりに

ということで、

僕はライドシェア導入に賛成派なのですが、現在の日本の状況から見てみると、海外のように当たり前にUberやGrabを使う未来にはあまり期待できません。

結局、政府の方針や規制によってあらゆるイノベーションの生まれる機会が阻害されているんだなーと思います。

ちなみにPart1の冒頭で、M社の求人を見つけたことに触れていますが、もし応募者が海外のUberやGrab、Lyftなどに憧れて応募していたら、それは完全な勘違いというか、そもそも事業方針がことなりますし、Uberのような成長の可能性に期待していたとしたら、その可能性はこの"白タク"規制がなくならない限りありえないので、そこはちゃんと調査の上で検討してほしいなと思いました。

以上です。

(ここまでお読みいただいた方、大変ありがとうございます。
書くことを優先にしておりますため、ほぼ見直しもせず、乱文のまま掲載しております。ご了承いただければ幸いです。)

では!










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