感染

書くべきか、このまま黙っているべきか。
いろいろと悩んだけれど、誰かの緩みそうになった気持ちを引き止めることが出来たらと思い、書くことにした。

2021.5.9

息子からのLINEで目覚める。
「38.8℃。しんどい」

これが今回の騒動の始まりだった。
夕方には平熱に下がったこと、また日曜日だったこともあり、もしやコロナか…とよぎるも、とりあえず部屋から出るな!隔離な。と言ってその日は落ち着かない気持ちのまま過ごす。

2021.5.10

息子、今度は39℃の発熱。
もうこれは確定だなと思い、札幌市の救急安心センターさっぽろに連絡。
PCR検査を受けることが出来る病院を3軒紹介してもらう。
しかし、2軒は今日はもう予約でいっぱいでお受けできませんと言われ、最後にかけた個人病院でPCR検査を受けることになる。
(ここのお医者さんは電話で問診し、病院まで出向いて検査だった。検査に送って行ったのは夫。自家用車で来てくれと言われ、検査から支払いまで全て車の中で行われた。やりとりはスマホで通話。解熱剤を3錠もらって帰宅した。)

2021.5.12

夜22時。
札幌市保健所から陽性の連絡。
昨日判明していたが、陽性者の数が多く、捌き切れなかったようだ。
それにしても連絡が遅すぎる。
この時は陽性だと伝えられるだけで、行動歴とか家族構成などの聞き取りの電話は明日以降になるとのこと。
どうしたらいいのか、どうするべきなのか途方に暮れる。
息子はまだ熱が高い。救いなのは食欲があること。咳も出てきたし、心配。

2021.5.13

保健所からの電話で、夫、私、娘が濃厚接触者になり、これから2週間毎日スマホのメッセージに体調や体温などを入力して午前10時までに返信してください。その結果を見て、こちらからお電話させていただきますと言われる。
またPCR検査を受けてください。場所は検査センター(非公表みたいなので詳しくは書かないが、自宅からめちゃくちゃ遠いところだった。)
息子は自宅療養決定。ホテルも病院も空きがないからという理由。
急変したら連絡くださいと言われたけど、急変なんてしたらそれはもうなんというか死に近いのではないのか?とキレそうになった。
夕方、息子は嗅覚と味覚に異常が出始め、私も微熱が。

2021.5.14

息子のことが心配なままうとうと。ちゃんと眠れなかった。起きたら38℃の熱。しかも喉が痛い。
もうこの時点で私も陽性なのだろうなと確信。
リビングの隣の和室にて隔離。トイレも3階の息子専用にしてあるところを使うようにする。
息子に謝られる。
大丈夫大丈夫、乗り越えようぜ!と答えた。

2021.5.15

やっとPCR検査の日。
15時ぴったりにくるよう言われる。
換気のため、車の窓は全開にして行く。
この時点で車に揺られると吐き気があり、かなり辛かった。
検査方法は唾液の採取。吐き気と熱で朦朧とした。
ドライブスルー方式で、次から次へと車が来る。
こんなにも検査する人がいるのかと、目の当たりにする。
車列は途切れることがなかった。
かなり広い場所だったけれど。
息子、熱が下がってきた。嗅覚と味覚は戻らず。下痢。
この日から夫が家事全てをしてくれる。感謝。

2021.5.16

保健所から私だけ陽性の連絡。
夫と娘は大丈夫だった。
その日のうちに行動歴や周りに陽性の人はいないかなど聞かれ、私も自宅療養になる。
基礎疾患はあるし熱があると訴えたが、ホテルも病院もいっぱいですの一点張りだった。40代以上なので、後日パルスオキシメーターを送るとのこと。
この頃の札幌は感染者が非常に多く、私のような人がいっぱいだったんだと思う。
運が悪かった?そんな風に思いたくなかった。
朝から解熱剤を飲み続けるも38℃から下がることはなかった。

2021.5.17

保健所からの体調を聞く電話に、何度も熱が下がらない、咳も出てきて辛いと訴えるもなにも変わりはない。
夫が買ってきてくれたスイカが美味しかった。
札幌市から“自宅療養セット”なるものが届く。息子申請分。
チンした食べられるご飯やレトルトやカップ麺、ゼリーなどの食料とトイレットペーパーとティッシュ。かなりな量。ありがたい。
息子は大学のオンライン授業を受けるまでに回復。

2021.5.18

毎日の保健所からの電話。
解熱剤飲んでるけど、熱は下がらない。咳もひどくなってきた。
なんとかならないものかと話すけど、無理。
今日は解熱剤を1回2錠にしてみてと言われる。
胃が壊れるよ、もう。

2021.5.19

38℃台後半から39℃。
言われた通り2錠飲んでいるのに。
思えば、もうこの頃から考える力がなくなってきていたんだと思う。
今日の保健所の人はちょっと(熱が)長いので、ホテルを探してみます。またお電話します言ってくれたのだが、待てど暮らせど連絡は来なかった。

2021.5.20

夕方、保健所からパルスオキシメーターが届く。
(血中酸素飽和度を測るもので、数値が90になると酸素吸入が必要とされている)
測ってみると86。何度測っても86。
夫に伝えると、彼はすぐに救急車を呼んだ。
救急車に乗るなんて嫌だと拒否したけど、抵抗する体力も残っていなかった。
夫と息子は、とりあえず必要になるであろう荷物をまとめ始めた。
そうこうするうちに救急車が到着。
今までの経緯とパルスオキシメーターの数値、基礎疾患のことなどを隊員の方に夫が説明。すぐに受け入れてくれる病院を探してくださった。その病院は今まで何度も手術をしたりでお世話になっているところだった。なんだかホッとしたのを覚えている。
私が寝ていたのは2階。玄関まで降りられますか?と聞かれ、はいと答えるもフラフラ。なんとか救急車に乗り込んでパルスオキシメーターをつけると60台だったそうだ。

つづく…

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