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夏目漱石の『草枕』は読むじゃなくて観る

夏目漱石の「草枕」を読んだ。
この小説は「読むんじゃなくて観ろ、感じろ」って漱石が実際に言っていた(らしい)

「草枕」(くさまくら)は、1906年(明治39年)に発表された小説で、その独特な文体や哲学的なテーマから、海外からも高く評価されている。

とても詩的で、リズミカルで、いちいち難しい言葉が並びます。
海外の天才ピアニスト「グレン・グールド」さんが愛した一冊でもあるらしい。

こうなってくると実に英語版も読んでみたいのに、英語ができないのがもどかしい。

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。」

このイントロは皆さん、誰しもが聞いたことはあるでしょう。
川端康成の「雪国」ばりに有名な一節ですね。

あらすじ

「草枕」は、画家の主人公が山中の温泉宿を訪れ、そこでの日々を描いた物語。主人公は、自然や人間の感情についての思索にふけりながら、宿の女主人・那美(なみ)と交流を持つ。物語の進行とともに、彼の内面的な探求と芸術観が深まっていく。


グレン・グールド


漱石の作品は基本的に、「金の無心」「ミステリアスな女性」がもはや定番ですね。

金の貸し借りは絶対と言っていいほど出てきます。

そして今回のボンドガール的なミステリアスな女性は「那美(なみ)」さんですね。


こいつは出てきません


この女、相当キマってるのかなんなのか、かなりのエキセントリックガールです。勝手に風呂に入ってくるし。

この作品特有の内省的表現と難しい言葉で彼女のミステリアス加減は常軌を逸してきます。
ただ、そこがいいんですね、「三四郎」の美禰子さんとはまた違った魅力を感じますね。

実写はファーストサマーウイカでいいんじゃないでしょうか。


この作品は漱石の中でも特に難解で、難しい作品であるが、そう構えて観る(読む)こたあない。
多分漱石もそれを望んでないはず。
絵画的に、詩的に、風景を感じ取って、唄を歌うように、「観る」のだ。

別にわからなくてもいいのだ。ストーリーなんてあってないようなものなのだ。
実際のところ、僕も読み終えてよくわかっていない。

でも大丈夫、それが漱石が言うところの「非人情」なのである。


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