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飲み会での上司への愚痴もほどほどにしないと身を滅ぼす種になる竹中半兵衛の逸話

こんにちは、両兵衛です。

先日、「高価な物が自分にとって価値ある物とは限らないとわかる竹中半兵衛の逸話」という記事で、分不相応に高価な道具では、その道具に気を取られて仕事で十分に力が発揮できないという竹中半兵衛の考えを取り上げました。

今回は、仕事に臨む姿勢と職場の人間関係に関する半兵衛の逸話と取り上げてみます。

半兵衛といえば、俗に黒田官兵衛とともに羽柴秀吉の軍師と言われます。2歳年上の半兵衛は、知恵者同士ということもあり官兵衛から兄のように慕われていました。

ある日、半兵衛と官兵衛が酒を飲みながら閑談していたところ、官兵衛が抜け目なく秀吉に書かせておいた誓文を取り出して愚痴をこぼしはじめた。

「近々、知行(領地)を増やすと目いっぱい働かせながら、いつも空証文じゃ」

半兵衛は、その誓文を見終わると、何も言わず引き裂き火の中に投じた。

「何をいたす、いくら兄者同様に思う貴殿といえど…」

官兵衛が怒りをあらわにすると、半兵衛は静かに酒を注いでやりながら言った。

「あのようなものを持っていればこそ、不平不満の種になり、勤めに陰日向をつくることになる。上を脅すようにもなり、結局は身のためになり申さぬ」

官兵衛は、はっとしたように表情を変え、自らの不明を恥じたという。

職場の飲み会となると、その場にいない上司への愚痴は定番の酒の肴です。酒の肴程度で済むならいいのですが、度を越えていくと仕事の成果や人間関係に支障をきたし身を滅ぼすことになりえるということでしょう。

戦国の逸話として、半兵衛と官兵衛は静と動、無欲な半兵衛と野心家の官兵衛として語られることが多い二人です。

その智謀と野心から上司である秀吉からも警戒されたという逸話も残る官兵衛です。官兵衛のことを考えて忠告する半兵衛と、半兵衛の言葉にすぐ自分の非を認める官兵衛の関係性がいいですね。半兵衛のように言ってくれる相手と、忠告を聴ける耳の両方を持てるようになりたいものです。


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