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そもそも何のためにやっていることか考えてみよと言っているような馬場信春の逸話

こんにちは、両兵衛です。

仕事でも勉強でも取り組んでいることがうまくいかないとき、どうも目先のことにこだわっているのではないかと思うことはないでしょうか。

今回登場してもらうのは馬場信春です。信春は武田信玄の家臣として活躍した人物で、武田四天王や武田四名臣などと言われる四人の武将のうちの一人です。美濃守を称したことから敵からは鬼美濃と恐れられました。

信玄亡きあと息子の勝頼にも仕え、織田信長が武田軍に対して大量の鉄砲を用いたことで知られる長篠の戦いで最期を迎えます。敗北が決まった武田軍の中で大将の勝頼を退却させるため、最後まで戦場に残り戦って討死しました。

敵側の記録である「信長公記」では、このときの信春の戦いぶりは比類ないと評されました。そんな信春らしいともいえる逸話をご紹介します。

甲斐(山梨県)の武田信玄が駿河(静岡県)の今川氏を攻めた時のこと。
今川方には対抗する者がなく、今川方の軍勢は逃げ落ちた。
武田信玄は言った。

「すぐに今川の館へ行き名物の宝物など奪って来い」

この言葉を聞き終わらないうちに、馬場信春はただ一騎で駆け出し、今川の館に着くと、火を掛けて焼き払ってしまった。
火に包まれた今川の館を目にしながら信春は呟いた。

「宝物など奪い取れば、武田が貪欲な戦いをしたとあざけり笑われるだけだ」

信春としてはそんな物のために命がけで戦っているのではないという思いがあったのでしょう。たとえそれが信玄の言葉だったとしても臆することがないところが、信玄の父親の代から仕えてきた信春らしい逸話です。

何のために戦っているのか。目先の宝物のために戦っているのか。何のためにその仕事をしているのか。何のためにその勉強をしているのか。目先のことにこだわって目的を忘れていないか。そもそも今やっていることは何のためかを考えてみよ、と鬼美濃から言われている気がしたので取り上げてみました。

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