男性育休取ってみた話

私は社としては初の男性育休取得者になった。なお、会社には「育児休暇」という制度はなかったので、「育児休業」を取得した。

まず、育児休業ってなによ

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律というのがある。ググったら出てくるので詳細は割愛するが、子が生まれ、1歳に到達するまでに男女関係なく取得できる休業の仕組みである。
休業なので、会社からの給与は払われない。ただし、実態としては雇用保険法により育児休業給付金が支給される。なお、育児休業中は社会保険料が免除される。そのため、育休取得期間は社員の給与は払わなくていいし、半額負担している社会保険料も払わなくていいので、実は会社的にもメリットがあるのが育児休業だ。

どうやって育休をとったのか

まず、妻の妊娠がわかったタイミングで社に相談した。おそらく望むべきは安定期に入ってからの調整だろう。
が、私の場合は社内事情踏まえ、妻と相談し理解を得ながら早め早めに行動した。上司への相談、総務への相談、労働組合への相談。仕事相手との会話していく際には「この時期はいないと思ってもらったほうがいい」というのを関係者には話し、その時期にタスクが降ってこないように調整していた。

いつ、どれだけとったのか

子どもが3ヶ月を迎えるあたりから、1ヶ月取得した。3ヶ月、半年という選択肢もあったが、仕事の進捗はやはり気になったし、ボーナスなどへの影響も考えた(会社にもよると思うが、弊社の場合はボーナス支給条件に出勤日数があったため)
なお、私は取得した時期がちょうど12月だったので、冬期ボーナスの社会保険料が免除になったし、年末調整の控除分が返ってきた際も社会保険料が免除になった。おいしい。これから育休を取得する予定のある男性は、もちろん家族間調整の上でだと思うが取得時期を狙うことをお勧めする。

取っている間何をしていたのか

家事全般はもともとしていたので、そこに加えての子どもの世話だ。ただし、まだ生後2か月の首が座る前、ほやほやだったこともあり、最初は少しずつ。徐々にできることを増やし、2週間程度で風呂以外はできるように。3週間が経過したことには、母乳をあげること以外、すべての世話をできるようになった。

男性がとるメリットは何か

まず、妻を休ませることができる。これは非常に大きいかと思う。夜中子どもが起きて授乳して、ほとんど寝られない妻を朝寝坊をさせることができる。また、家事を夫である私がやることで、育児に集中させることができる。ここが一番のメリットだろう。
そしてもう一つ。妻が仮に病気などで育児できないとき、自分が何とかできるという実績を作ることができる。これがあるとないとでは、いざというときの安心感が違う。1ヶ月かけてやれることを増やしたのは大きな意味があった。

男性育休は人による

さて。まず結論として私は育休をとってよかったと思っている。ただ、私自身家事が一通りできるし(普段からしているし)、子どもに対しても積極的だったから、上記メリットを出せたとも思っている。

で、これらのメリットを出せない男性は取っても意味がないと思う。普段から家事をしない人、できない人は結局ただ妻の負担を増やすだけだ。また、子どものことを積極的に見れない人も正直とる必要がない。泣いたら妻より先に自分が動く、くらいの想いがないと、取ったところで大したことができないだろう。

世の中、男性取得の動きが活発だ。大臣も取得したくらいだからこれからもっともっと増えていくだろう(あれは育児休暇だけど)。ただ、取って意味があるかは人による。
世の中の流れだから、自分もなんとなく取得する、会社として取得を促すということはせず、きちんと意味のある男性育休取得が定着してほしい。

育休どうだったってなに?

最後は蛇足だ。仕事復帰した際に、育休どうだった?と聞かれることが多くあった。一体なにを求めている質問なのか。
育児どうたった?子どもかわいい?ちゃんと家事した/育児した?育休とって良かった?このあたりなら喜んで答える。めっちゃ語る。が、どうだった?というファジーな質問に対しては正直回答に困ってしまう。
そもそもで、質問がまったくもってダイバーシティでないと思う。女性に対しては絶対に聞かない質問だろう。何で取ったの?という質問も同様だ。必要だから取ったのであって、それ以外なにもない。男性だから聞いてくるんだろうが、その意図はなんだろうか。

おそらく無意識で聞いてくるんだろうが、この無意識がなくならない限り(少なくとも弊社の)ダイバーシティは進まないんだろうなと思った次第である。

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