結局まだ観てない。

俺は映画が好きだ。

とにかく映画をよく観る。

一時は週末3.4枚の映画作品を借りてきてはひたすらに鑑賞していた。

おそらくピークは2016〜2017年頃。

当時、ある女性と必ず日曜日は会わなくてはならなかった(一度友人との飲み会を優先したらとんでもない目にあったため、それ以降は関係が終わるまでずっと日曜日は1日拘束されていた。因みに晩期は土日。大好きな友人とも半ば強引に会えなくさせられていた。)ため、俺に使える曜日は1日だけだった。

その貴重な1日も、友人との飲み会が(まぁ上記のせいでこの時期は極端に機会は減っていたが。)入ったり家族と出かけるなんてことが入ればもちろんそちらを優先していたため、週によっては映画を借りたはいいが観切れませんでした。なんてこともザラにあった。

仕事も多忙だったりしていたし、時にはメンタルも削られたりもした。そして2017年に突入すると土日は前述した通り。


そんな中でも必ず1.2作品は観たものである。俳優や脚本家になる気もないのに何故俺はこんなに?とストイックな姿勢に少々自分で引いたりもしていたが、(多分映画にハマったことがギターや読書からしばらく遠ざかっていた要因の一つ。いや上記した女のせいなのか...悪夢のような地獄の日々についてはまたいつか)

元々映画は好きな方だったが、まぁとりあえずハマりまくっていたのだ。さらに、今やNetflixやAmazonプライムのせいで作品が膨大すぎて限度が効かなくなってきている。まぁ理性を働かせて一応抑えてはいるけど。(そもそも1日に観れる映画はせいぜい2本。それ以上は内容が頭に入らない。あくまで俺はね。)

日常の一部を犠牲にして映画を観るのだ。それはそれは観るまでに入念なチェックを入れる。

レビューによるレビュー。作品の下調べ。公開年度。などなど。

観て後悔しても時すでに遅いのだ。そんなくだらぬ後悔はしたくはない。

しかしそんなに期待していない作品に限って大変良かったこともある。逆もまた然り。

それにややこしい俺の性格は、わざわざ観なくていいのにレビューで人の意見を見たり、時にはwikipediaで簡単な情報を見たりする。

中にはご丁寧様にネタバレがされているものを見てしまったりもする。タイトルに思いっきり秀逸なネタバレをしてくれている人もいる。

あの名作シックスセンスなんてwikipediaにあらすじがそれはまぁ事細かに載っていて、うっかり見てしまって、変なモヤモヤを抱えたまま映画を鑑賞するという別のスリルを味わいながら観たこともある。

そう。この情報社会においては作品に関する大事な情報についての罠が張り巡らされているのだ。

気をつけねばならない。

まったく。映画はギャンブルか?


好きなものだけ、観ればいいのに...。


なんて映画は難しいのか。(おんどれが勝手に情報に踊らされてるだけだと誰か言ってくれ)


とまぁそんな私ですが、とりあえずよく観るものはミステリーやサスペンスものが多い。いわゆるどんでん返しもの。特に洋画が多いのだが、かと言って邦画も馬鹿にはできない。あとは派手なアクションも好きだ。こちらも洋画が多いが邦画も一概に馬鹿にはできない。そして名作もの。一昔前の映画や、モノクロのものまで見る。洋画が多いのだが邦画に関しては何なら邦画はあの頃の方が好きかもしれない。

とにかくジャンルはあまり問わない。気に入れば何でもいい男なのだ。(近々勝手におススメ映画ランキングでも作ってみようかな)

これは映画に限らず音楽や書物、洋服やお笑い、食事なども。こだわりがないわけではない。なんなら細かいところまで気にするし、これと決めたらずっとこれという一途にも似た奇行に走ることも多いが、ジャンルで決めつけてしまうのは危険だと何故か幼い頃から思っているので、食わず嫌いはやめようということで自然と良いものは良いのだ。と、気になれば手に取っている。まぁ気に入れば何でもいいハッピーな男だ。


同時に気に入らないものを見つけても批判もあまりしない。いや全くしないのかと言われればそんなことはないのだろうけど、わざわざ誰かに血眼になって批判する程でもないのでしない。アートにケチをつける暇があるならば俺はもっと身の回りの、赤の他人の非常識な行動や意味不明なメディア等に怒り散らしている。(これもまたいつか)

だからアートはアートで、感受性の違いだと割り切っている。俺は気にいるけど彼は違うだろうなということで自分の中で納得している。だから他の人が好きなものを批判することはないし、その分俺のことも放っておいてくれというスタンスである。


だが、世の中にはなぜか批判してくる悪者もいる。まるで親の仇かのようにいちいち突っかかってくるのだ。そんなしょうもないことにいちいち反応していてはこちらが疲れるのでスイッチをオフにして適当に話を流すが、謎なのである。(そんな事で怒るほど器は小さくないと思うしそれこそ時間の無駄)

あとは何故か人の決断にケチをつけてくる愚者もいる。まるで我は聖者です。と言わんばかりに持論のみを押し付けてくるのだ。別に相談した記憶もなければ勝手に熱くなっている。それがまた悪気がないのだから余計にタチが悪い。


まぁそんな悪者が沢山いるのです。



そしてちょこちょこいるのが映画の話になった時


「え!あれ観てないの!?」「名作なのに!?」


と言ってくる人間である。(そもそも名作かどうかは各々の尺度で決まるのよ)


俺は上記した通り気に入れば手に取って観て見る男だ。人から勧められて観て良かった作品も多々あるが、別に気にならなければ手には取らない。(こんな話をしてたら音楽の話もしたくなってきたけど長くなるのでまたいつか)

そのため世間的には名作と呼ばれるものも、物によっては観ていなかったりする。

例えばスターウォーズ。元々SFはそこまでそそられないのもあって、この作品はまだ1作品も見てない。だからといって別にSFやスターウォーズを否定した覚えはない。SF映画にも好きな作品はもちろんあるし、スターウォーズだって機会があれば観る。金曜ロードショーでやっていれば観ないこともないが、金スマにYOSHIKIが出てれば俺はそっちを優先する。それだけの話だ。俺はそういう人間だ。

それなのに。人によってはまるで鬼の首を取ったかのようにまくし立ててくるやつもいる。

「ええええ!!あれ見てなきゃ映画好きとはいえないね。」

「うんたらかんたらうんたらかんたら」

聞き捨てならない言葉である。


いや、しかし待て。

俺は確かに自分の好きな作品しか目を通さない。人から勧められれば観るが、物によっては観なかったりもする。俺は確かに映画好きではないのかもしれない。

では俺はなんなんだ。いや待てしかし俺は別に偉そうに映画通ぶったこともない。人が作品について話してくれれば興味もあるししっかり話を聞く。

少し頭にくるぞこいつ。なんて反論してやろうか。そうだ、そういえばこいつは時々音楽を偉そうに語っている。音楽で攻めよう。貴様はバッハの作品を全て聞いたのか?いやそれではクラシックの話だ。土俵が違う。そういえばロックが好きとか言っていたな。ロック好きなら貴様ディープパープルを聞いたことはあるのか?何リッチーブラックモアを知らぬだと。いい度胸してやがる。しかも激しいのが好みだと。生意気なやつめ。ならばPANTERAの良さをこの場で180字で表せ。そんなバンドも知らない?90年代は古すぎる?生意気な、ならばスターウォーズも古いではないか。そもそも貴様にダイムバッグダレルの凄さを分かられてたまるか。馬鹿にしている。

いやこれでは映画から逸れた。ここは映画で闘うべきだ。こいつはスターウォーズを観ていないやつをまるで罪人のように扱う。こういう一方的な意見しか述べてこない奴に限ってローマの休日とかを観たこともないのだ。これで対抗するか。いやでもそれはメジャーすぎるでしょうと言われたら立場がない。ここは名作だが少しマイナーくらいの方がいい。そうだ、俺が昔涙した俺たちに明日はないはどうだろうか。

そうだこれだ。これで行こう。どうせ俺たちに明日はないを観て涙できるほどの感性を持ち合わせていないはずだ。原題もボニーアンドクライドとは知らぬはずだ。

よし。






...。




...いや、それでは相手と同じではないか。

俺はマイノリティという立場を利用してスターウォーズから逃げているのではないか。

これは良くないことだ。それにスターウォーズを観たことはない。そもそもどんな作品かも知らない。ということはやつは本当に心から勧めてくれているのではないか。

なんという事だ。俺は好意を逆手に悪態を突こうとしてしまったのだ。

これは危険な事である。

ならば俺も喧嘩腰にはならずに、俺たちに明日はないを教えてあげよう。これが平和への第一歩だ。幕末の日本も色々あった中でアメリカと和親条約や修好通商条約を結んだ。よしそうだ。俺もスターウォーズを観るぞ。

いやしかし。それが罠だったらどうする。現にアメリカはそこで日本に対して不平等条約を押し付けてきたではないか。関税自主権と領事裁判権を奪いやがった。日本としての尊厳を傷つけた。おまけに金をたらふく持っていきやがって。そのせいで長い間大変だったのだ。そもそもスターウォーズがいいと言っている人々は集団催眠にかかっている可能性もゼロとは言えない。本当は全然面白くない作品なのに、それをなにも知らない人間に無理矢理見せるという罠かも知らない。優しい顔して近づいてくるとは恐ろしい手口だ。

いや、まてまてもしかしたら本当に面白いのかもしれない。現に日本はそこから色々と学び大国になっていった。だがそのスターウォーズの面白さを俺に伝えるだけ伝えてハマらせて24時間という貴重な時間を丸ごと奪う作戦かもしれない。24時間もあれば好きな映画10作は観れる。映画への想起をエサに俺を廃人にする気だ。そして俺に仕事をさせずに無能扱いし干させる気なのかもしれない。恐ろしい戦法だ。そもそもスターウォーズは何作品あるんだ。時間は24時間で足りるのか?



わからない。



俺はどうすればいいのだ。




どうすればいいのだ。







...。









映画ってそんなに難しいものじゃないと思うぞ。


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