自分で道を切り拓いてもらえるように。
今日はちょっと真面目な話を。いや、いつも真面目なんだけど(笑)
私が普段している仕事、障害を持った方が一般就職を目指す就労移行支援で思ったことの話を。
まず皆さんは「福祉」や「支援」と聞いてどういった印象を持つか。
「支えてあげる?」「お世話してあげる?」「手を貸してあげる?」
そう思う人も多いのではないだろうか。私も今の会社に入る前、大学生まではそんな印象だった。というか世間できくそういった印象で自分の中でそうラベリングしていた。
だけど中に入ってわかったことがある。そうじゃない、と。
もちろん提供するサービスの種類によって多少の違いはある。だから一概に福祉=○○とは言えない。とりわけ就労支援は、、、と銘打つとそれは支える、お世話する仕事ではなく、むしろその逆で
自立を促す仕事
だと感じる。
介護であれば全然「支える」「お世話をする」がメインであってもいいと思う。なぜならその居場所がそのご利用者様にとってのゴールであることが多いから。それも一概にそうとは言えないが。
一方で就労支援は決して今いる居場所がゴールではない。どんどんどんどん一般就職に向けてステップアップしてほしい。自分で生活できるようになってほしい。それが本人のためになるから。それができる可能性を持っているから。
だから必要なのは依存してもらうことじゃなくて自立だと思っていて。
でもこの視点があまり世間で浸透していないのって、それだけ「就労支援」というものがまだ世の中的に馴染みがないからなのかもしれない。
究極の支援は何もしなくていい状態になること
新卒1年目の時に聞いたこの言葉が今でも頭から離れない。
ここから支援における優先順位が変わった気がする。
現在いる就労移行支援というのは、一般就職・復職に向けた訓練を行う場所だ。B型事業所等と比べてご利用者様自身障害の理解であったり、コントロールであったりを出来ている方が多い。
それでも、
「ここわかんないです」
「だめだー」
などと助けを求めることもある。
そんな声に対し、当初の私は1から10まで話を聞いてその問題を解決してあげることが「正解」だと思っていた。居場所によってはそれが正解の時もあるし、ご利用者様によってそれが正解の時もある。
でも「本当にわからなくてどうしようもない」時と「依存している」時を見極めないといけないな、と上記にも書いた1年目の時に聞いた言葉で感じた。
それが目の前のご利用者様の今後につながってくるから。
確かに自ら助けを求める力ってものすごく重要だ。
そして実際就労支援の場所というのは、助けを求めれば駆け寄ってくれる支援員がいる。それは「あなた」を理解しているから。
でも社会に出たらそうじゃない。
もちろん駆け寄ってくれる優しい人もいる。でも優しい人ばっかりじゃない。なぜなら「あなた」を知らないから。
そんな時、必要なのは自分で道を切り開く力だと思っていて。
自分の頭で考えて打開する力だと思っていて。
助けを求めるにしても自分の言葉で説明できる力だと思っていて。
支援員は「あなた」を知っているから、困っていたらどこに困っているか察せてしまう。「あなた」の声を聞く前にサポートできてしまう。
でもそれって「あなた」のためにならない。
だから「わからない」という言葉に対しても1ターンでこちらの答えを出さないようにした。
「どうしました?」「何に困ってますか?」
自分の言葉で説明できるようになってほしいから。
そしてその困りごとを聞いてその先のアプローチも変えるようにした。
その人が知識・経験として引き出しがないことだったら「ここはこうですね!」と引き出しづくりを行うけれど、過去に1回教えていて引き出しがある状態だったら、自身でその引き出しを見つけられるまで粘る。
誰かに見つけてもらった宝より、自分の手で見つけた宝の方が嬉しいから。何より定着もしやすい。
「頼る/頼られる」ってなんだろうとたまに思う。
お願いしたら何でもやってくれる。
そこに生まれた関係性は「頼る/頼られる」なのだろうか。
もしそれがそうだったとしたら私はその関係性はいらない。
「何かしてくれる」その相手に信頼を置くんじゃなくて、自分が考えてやったアクションに対してそれを受け止めて、一緒になって考えてくれる人。この人の前ならチャレンジして上手くいかなかったとしてもしっかりと向き合ってくれる、そんな「飛び込む勇気を持たせてくれる人」、それが「頼る/頼られる」なんじゃないかって。
少し話が飛躍したが。
自分がこの就労支援を通じて身につけたいゴールはご利用者様をサポートするスキルではない。もちろんそれもつけたいがそれは「手段」に過ぎない。
身につけたいゴールは1人でも多くの方が自立していくこと。自分で自分の道を切り拓ける人を増やしていくこと。そのためにまず「頼る/頼られる」の関係性を築いていくこと。
そして何よりも、まずは自分自身が自分で道を切り拓いている姿をみせていかなくてはならない。
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