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それは「時間の契約」でもある

#就労支援の現場から

#就労支援の現場から というハッシュタグをつけたのでその名の通り「就労支援の現場」で感じたことを書いていくのだが、これから書くことはどんな場面でも通じることをあらかじめ言及しておきたい。

就労支援というのは、サービスを提供する事業所側とサービスを利用することになるご本人様が契約を結ぶことでサービスの利用が始まる。そのためのサービス利用計画書にサインをする。

サービスを利用するにあたっては、事業所側から自分たちのサービスを説明すると同時に、ご本人様のニーズをヒアリングをしたりする。何なら今日もサービスの利用を検討している方のご自宅に伺い、お話をした。

こういう時、どういう風に自分たちのサービスを説明するかというのは結構悩むところだし、それくらい重要なポイントだ。

自分たちの出来ることは何か、強みは何か、魅力は何か。。。

どうしても自分たちのいい部分を見せようとするし、そうなってしまうのは当然だ。だけど個人的にそれと同じくらい大切だなーと思っているのが、「出来ない事をちゃんと伝えること」だ。

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ほんとに何でもできるのであればそれをガンガン押し出せばいい。だけどそんなことはなかなか出来ることではない。

何か強みがあるということは、その一方でカバーしきれない部分もある。自分たちはその「カバーできない部分」は知っているけど、相手はそれを知る由もない。それなのに、出来る部分ばかり一方的に伝えると相手はどんどん期待をしてしまう。

将来的にその「出来ない」が「出来る」に変わる見込みがあるなら百歩譲って伝え方を考えればいいと思う。でも中には「出来ない」のまま変わらないものだってある。出来ないことが悪いんじゃない。だって何かを得るには何かを失うのが付き物だから。大事なのはその「出来ない」を隠さないこと。

相手の「出来る」に対し、期待を感じ、魅力を感じ契約を結ぶ。契約を結ぶということは、その相手に対しいろんなものを投資することと同義だ。その最たる例が”時間”だ。

いざ契約して、「あれ、自分が思っていたものと違うぞ?」となってしまったらそれはお互いにとって時間がもったいないものになってしまっている

人生限られた時間しかない中で、それってすごく残念だな、って。そのミスマッチが事前で気付けるものであれば防げた方がいい。それがお互いのためだ。だから「出来る」ことだけじゃなく、「出来ない」ことも伝えることが大事なんだ。

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冒頭で、「どんな場面でも通じる」と書いた。

ここまでの説明を読んで納得していただける方もいるんじゃないだろうか。会社だってそうだ。自分のやりたいことや描いているキャリア像があって、その中でHPを見たり会社説明を受けたりして興味を持ったら選考を受ける。会社側としても自分たちの会社に入って欲しい人物像を描きながら面接を行う。お互いがお互いの出来ることばかりを掲げ、出来ない事を隠し、嘘をつくといざ蓋を開けてみた時に「全然違うじゃん!!」となる。それで離職していくのは時間もお金も失われていく。

ほかにも恋愛だったり、何かの営業だったり、いろんなところで通ずる。

何かの契約を結ぶということは、自分の時間を差し出すと同時に相手の時間もいただくということ。時間の価値をもっと考えていきたい。

その1つが「出来ないこと」もさらけ出す覚悟なんじゃないかな、と。


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