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高校球児のために大人達が出来ることは何かを考える

全国高等学校野球選手権大会の中止が正式に決定。このニュースにはそれぞれが色んな思いを持っていることでしょう。

私は人生で甲子園を目指して野球に明け暮れたという経験がありませんが、高校最後の夏を部活に費やして地方大会に出るというのは今でも良い思い出として残っています。その経験が出来ない子達が多く出てしまう心苦しさはあります。ですが松坂大輔投手の言うようにそれは当事者達にしか分からないこと。

”選手の心に寄り添い、アイデアを出し、実行することは大人に出来ます。「出来ない」ことを決めるだけではなく、「出来ることは何か…」を考える。”

大人達に何が出来るのか、アメリカでの事例を紹介していきたいと思います。アメリカでは卒業シーズンが5月であるため、大会が中止となりそのまま卒業を余儀なくされた者も大勢いました。そのためプレー面と言うよりはどのように彼らの3年間を称えるかのアイデアとしてお考えください。

まずは「バーチャルシニアナイト」の開催。最後の大会というのはこれまでの努力を表現する場でもありますが、感謝の気持ちを込めて親、友人、先生を含めお世話になった人々に自分のプレーを披露する場でもあるかと思います。その感謝の気持ちを伝える場を用意すること、そして3年間の思い出を選手達が語る場を作ること。

街も学生アスリート達を横断幕という形で称えています。これは最後に各選手にプレゼントされるということで思い出の品にもなります。日本では地方のクラブや地方自治体が率先して、こういった取り組みが出来ると良い掛け合わせになるのではないかなと思います。

さらにスタジアムを活用して2020年卒業生を送り出すために、20分20秒間フィールドに明かりを灯すという試みも。自前のスタジアムを持つ高校は日本ではほとんどないため、これは地域と共にの試みになりますかね。

そして車に乗車しながらのパレード。先日車のクラクション音が鳴り止まず、何事かと思いましたが車が陳列して「車内卒業式」が開催されていました。

地元メディアも協力して、卒業生を称えるコンテンツも作り出しています。さらにはメジャーリーグ球団も自分たちのプラットフォームを使って地元の高校球児を称える取り組みも。

シーズンが中止となってしまい、どこにも吐き出すことが出来ない感情をテレビ局が受け皿となりそれを紹介するなどの企画も行っています。

最後の大会が奪われた学生達にとっては気休めかもしれませんが、将来同窓会で集まった時に「あんなことあったよね。でもあれはあれで良い思い出だったよね」と振り返ることの出来る何かを残すというのも今大人に与えられた役割なのかもしれませんね。


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