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流れ星の中に太陽系がどのようにできたのかの答えがある

こんばんは、りょーです。

今日の日刊天文マガジンは、隕石についてのお話。これまで特別大きく進歩してこなかった隕石も天文学の研究の対象になるぞ!という将来的な見立てが発表されました。

今回も英語の概要を載せておきます。今日のレベルはまぁ無難に★★☆。asteroidが小惑星で、commetが彗星、meteoriteが隕石、みたいな少しややこしいワードが多いですが、さほど難しくもなくいけるかと。

ぜひチャレンジして見てください。もし興味がなければ完全スルーで本文に行きましょう!!

In studies of the oldest solar system bodies - comets and asteroids - it is their fragments - meteoroids - that provide the most accessible planetary material for detailed laboratory analysis in the form of dust particles or meteorites. Some asteroids and comets were visited by spacecrafts and returned interplanetary samples to Earth, while missions Hayabusa 2 and OSIRIX-REx visiting asteroids Ryugu and Bennu are ongoing. However, the lack of representative samples of comets and asteroids opens the space to gain more knowledge from direct observations of meteoroids. At collision with the Earth's atmosphere, meteoroids produce light phenomena known as meteors. Different methods can be used to observe meteors, allowing us to study small interplanetary fragments, which would otherwise remain undetected. Numerous impressive meteor showers, storms and meteorite impacts have occurred throughout the recorded history and can now be predicted and analyzed in much more detail. By understanding the dynamics, composition and physical properties of meteoroids, we are able to study the formation history and dynamical evolution of the solar system. This work presents an introduction to meteor astronomy, its fundamental processes and examples of current research topics.

"Meteors: Light from Comets and Asteroids" Pavol et al. 2020

それでは参りましょう!!今日はちょっと話している感じというよりは、読み物っぽく書いてみようと思います。

今回は細かく何がわかった!とかではなくて今後「流星天文学」がどんどん盛り上がって行くよ!という話です。
未来の話だと思って、構えずにゆっくりと読んでいただければと思います。

宇宙の大きな謎の一つに「太陽系がどうやってできたのか?」という問題があります。地球などの惑星は、小惑星が合体してできたと考えられています。そしてその合体によってどんどんギュッと凝縮して、マグマとかでドロドロになり始めている状態だと、考えられています。

つまり、こんなにドロドロになってしまったら最初にどんな小さい天体がくっついてできたかなんてわからないじゃん!って状態に地球はなってしまています。ゴールドのネックレスも、溶かして金塊にしてしまったら元の姿なんでわからない、みたいな感じです。

なので太陽系がどのようにできたかなんて、地球の内部をどんどん探しても見つからないんですね(もちろん0%じゃないですよ)。そこで目をつけたのが「小惑星」や「隕石」です。

これらのような小さい岩石の塊である天体は、重力等で進化したりしないので、昔太陽系ができた時の情報をそのまま保持していると考えられています。なら、太陽系の謎を解明したいのなら小惑星にいって、その状態をしればいいじゃないか!と考えて始まったミッションが「はやぶさ」です。

はやぶさ2の活躍は記憶に新しいと思いますが、このミッションは小惑星までいったからすごいだろ!ってことではなくて、小惑星の物質を解明すれば「太陽系が形成された時の状態」がそのまま解明されるのではないか?と期待されているからすごいんです。

しかし、世界中でビッグニュースになるぐらい小惑星に行くのは大変です。できれば地球にいる状態で太陽系の成り立ちを解明したいんです。お金も時間もそんなにかけてられないんです(はやぶさ2の予算は164億円で、打ち上げて帰ってくるまでに3年半)!

そこで注目されるのが「彗星・流星」です。これらはロマンチックな面が前面に思い浮かびますが、何が光っているかといえば「岩」です。その岩が地球の大気と接触して、その反応で光っているわけですね。ここで注目なのが、「流れ星」になる岩はどのようにできているのか?ということです。

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このような岩は小惑星同士の衝突で飛び散ったものであると考えられています。つまり、流れ星も結局は小惑星なんですね。なので流れ星にも小惑星の情報がある、つまりは太陽系の成り立ちを解明する鍵もあることになります!

しかしこれまでにその発生の予測は困難でした。理由は理解が進んでいないことと、データ不足です。しかし、近年世界中に夜空全体を撮影するカメラが配置され、昼でも弱い光を捉えることができる高性能のカメラも出てきました。これによって世界中で常に夜空を監視し、流れ星がどの方向からどのくらいの量、どの程度の明るさできたか?という情報が蓄積されてきました。

ビジネスではビッグデータ時代になった今、流れ星のデータも溜まってきたわけです。

流星からどのように岩石の情報を捉えるかは、光り方を見てあげればいいです。中に入っている物質によって光の色も変わるし、大きさや速度によって明るさも変わります。どちらの方向からきたかで、逆算してどのあたりで砕け散った小惑星なのかもわかります。

さらに今後は隕石の採取も多く行われることが予想されます。これも世界中に性能の良いカメラが増えてきたことで、それらで捉えた隕石とその落下位置も明らかにすることができるようになると期待されているからです。

隕石は大気圏で消滅しなかった岩石と考えられるので、これにも小惑星の情報が、つまりは太陽系の成り立ちの情報が入っています。なので、隕石をたくさん採取して、それらを調べてあげれば太陽系の成り立ちにも言及できるようになるかもしれません。

太陽系がどのように成り立ち、どのように成長したのかが明らかになれば、外の惑星系がどのようにできたのか、地球に似た環境の星はどこにあるのか?ということも解決して行くことでしょう!

余談ですが、このような流れ星の研究を人工的に試して、地球の大気を解明しようとしているのが「人工流れ星」の実現を目指している株式会社ALEです。

地球大気はまだ詳しくわかっていない部分もあるので、それを人工流れ星の「発光」を利用して解明することも事業の一部に組み込まれています。
まぁ私たち一般人はエンターテイメントとして楽しむのがいいと思います笑

といった感じで、ロマンチックな流れ星から、太陽系の成り立ちを解き明かす研究がこれから盛り上がってくるから注目だぞ!という話でした。

いかがでしたでしょうか?
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それではまた明日!

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