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太陽のシミューレション、あと1%で完成!?

こんばんは、りょーです。

今日は週明けにあるJAXAでの講演資料を作成している中で見つけた、太陽に関する面白い研究を紹介します!

https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2016Sci...351.1427H/abstract

この論文、Scienceに掲載された論文なので世界中で非常にインパクトが大きかったもの!2016年のものですが、今後また伸びそうな研究なので、ここでしっかり紹介しておきます。

この研究では、太陽を中心の核から、表面まで数値シミュレーションで再現してやろうという試みがなされました。その計算に使われたのがスパコン「京」。これまで様々な手法で京を使って太陽のシミュレーションが行われて来ました!この研究の何がすごいって、中心から表面1%を残した99%を数値計算で再現することに成功したことです。

過去にここまでの再現ができなかった理由は、太陽の材質のせいで計算が難しかったからです。

太陽は中心の核で核融合をして、その熱が外に運ばれていきます。中心から表面までの70%のところまでは、核から発せられる光の放射によって熱が運ばれます。そして外側30%は対流といって太陽の物質の熱による流れで運ばれて行く感じです。

こんな感じ。

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これってすごく簡単に書いてるんですが、本当は外側はもっと細かい対流があります。

こんな感じで、表面に行くにつれて細かく対流を起こす感じですね。

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つまり、表面にいけば行くほど計算量が増える、ということです。
大変ですね。笑

あと抑えておきたいのが、太陽の素材は「異常にサラサラ」ということ。流れる物質の粘り気を数値化した指数があって、大きければそれだけサラサラという指標。水が1,000とか2,000くらいなのに対して、太陽のガスは100億!!笑

ウルトラ鬼さらさらな太陽物質。これのせいで、隣同士にある物質がお互いの動きに引っ張られないで、独立に動いてしまうので、全てを計算しなければいけなくなってしまうんですね。もしネバネバなら、一箇所を引っ張ったら隣も粘り気で引っ張られるから、計算が少し楽になるんです。

こんな感じで計算が大変な中、独自のアイデアで太陽の表面まであと1%にまでたどり着いたシミュレーション研究。

今年から日本のスパコンは改良され「富岳」として再始動します。世界一の計算能力を持つことになるので、最後の1%がこのスパコンによって解決される可能性も!?

今後の研究に期待ですね!!

Instagramでも宇宙情報発信中!ぜひのぞいてくださいね〜。

それではまた!!


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