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ベテルギウスが暗くなったのは塵のせいじゃない!?

こんばんは、りょーです。

今日は、昨年末巷を騒がせたベテルギウスの大減光のお話について、新たな研究結果が発表されたので、それを紹介します!!覚えていますか!?かなり話題になったんですよ!

まぁとりあえず今日の論文を紹介しておきましょう。こちら。

今回も内容がかなりシンプルで、短いので難易度は最も簡単な★☆☆です。英語の練習には最適!今日のは読みやすいから達成感も得られて一石二鳥って感じ。

Betelgeuse is the nearest Red Supergiant star and it underwent an unusually deep minimum at optical wavelengths during its most recent pulsation cycle. We present submillimetre observations taken by the James Clerk Maxwell Telescope and Atacama Pathfinder Experiment over a time span of 13 years including the optical dimming. We find that Betelgeuse has also dimmed by \sim20\% at these longer wavelengths during this optical minimum. Using radiative-transfer models, we show that this is likely due to changes in the photosphere (luminosity) of the star as opposed to the surrounding dust as was previously suggested in the literature.

"Betelgeuse fainter in the sub-millimetre too: an analysis of JCMT and APEX monitoring during the recent optical minimum" Thavisha et al. 2020

さて、今回紹介するのは、ベテルギウス!!

冬の大三角の中にある冬の空で最も明るい星の一つとして、割と有名な星ではないでしょうか?

実はこのベテルギウス、昨年末にかなり話題を呼びました。その理由は、ベテルギウスが異常なほどに暗くなったからです。

それだけ?と思うかもしれませんが、かなり暗くなったんですよ。夜空には無数の星がありますが、その中で一等星と呼ばれる最も明るい星のクラスのものは数天体ほど。

ベテルギウスもそのうちの一つだったのですが、それが2等星にまで暗くなり、肉眼で見ても「あれ?暗くない?」と思えるほど。

それが色々な説を呼びました。年をとった星なのでいつ死ぬかわからないんですね。そしてこいつが死ぬ時は超新星爆発を起こすんですよ!でっかい重い星なので。

なので巷では「超新星爆発の前触れ?嵐の前の静けさ的な?」といった感じです。しかしまぁこれはなんの科学的根拠もない、ただの噂というかデマだったわけですね。

この辺りの話が知りたい方はぜひこちらの記事も読んでください!

そしてその暗くなった原因は、私たちとベテルギウスの間に、塵やガスでできた雲みたいなものが通ったことであると結論づけられて、この話はひと段落でした。

だが!しかし!BUT!

今日発表された論文で、ガスや塵などではなく、本当にベテルギウスが暗くなっていたのではないか?という研究結果が発表されました!

これまでこの研究は、可視光と呼ばれる私たちの目で見るのと同じ光を使って研究が行われてきました。

しかし今回の研究では、ざっくりいうと遠赤外線と使って研究がされました。

光ってすごく種類があって、目で見えているのは、真ん中の水色の領域だけ!!

それよりも紫色だと、紫より外なので紫外線。逆に赤よりも、もっと波長が長い、つまり赤より外なので赤外線です。

そして今回、その赤外線でもちょっと電波寄りの波長の長い光を使って研究が行われました!当時観測されていたけど、誰も発表してなかったデータがアーカイブで残っていたものを使ったんだとか。

その結果、目で見える光と同様に、暗くなっていたことが明らかになりました!!しかし!!可視光ほど暗くなっていないんです。

今回の研究結果はそこに目をつけたわけです。

もし星自体の明るさが変わっていなくて、前を何かが通って遮ったとしましょう。そうすると、どの波長の光も同じぐらい暗くなるはずです。

だって、星が単純に半分隠されたら、どんな光も半分になるじゃないですか。

けど今回はそうではなかった。つまり、これまで考えられてきたガスや塵の雲による遮蔽説が疑われることになったのです!!

そして研究を進めると、どうもやはり星自体の明るさが変わっていることがわかりました。

その星自体の明るさが変わった要因は2つ考えられました。
①星の半径が10%程度小さくなった
②星表面に巨大な冷たい黒点が現れて星を半分覆った

という2説。

今回の研究では、どちらが原因かはわかっていませんが、とにかく!ガスや塵の遮蔽説は棄却される可能性が高いことがわかりました!!

これは、また他の研究が続々と出てくる可能性が高いですね。最先端の科学ってのは、こうやって反例が出てくるものですね。
最新の情報はしっかりとキャッチアップしておかないとですね!!

今後また新しい研究が出たら記事にしていきます!

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それではまた明日。いい論文でした!!

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