【＃1134】派遣で働くということは何を選んで何を捨てているのか？
お元気ですかー？
今日のnoteは「派遣で働くということは何を選んで何を捨てているのか？」というお話です。
よくある質問No1を整理しようと思う
「派遣と無期雇用派遣どっちがいいのか？」
「正社員の方がいいですよね？」
前提なしで上記のような質問をもらうことがあります。
というよりも、質問の中で一番多いです。
確かに、ネット上を検索してみても、派遣のメリットっぽいことが書かれている記事は多少あれど、ちょっと綺麗事っぽいというか、教科書通りの傾向はあるかなと思いました。そうなると、「よくわからないけど希望条件に近かったから派遣を選んだ」とか「正社員で決まらないから派遣を選んだ」みたいなことになり、自分が派遣を選択したことで、何を手にして、何を捨てているのかをわからない状態になります。
この期間が続き、ある程度の年齢になり、冒頭の質問になるのだと思いますが、その時には本当に必要なものは捨て去っているという悲しいケースもあります。今日のnoteが皆さんが意図して働き方を決めるきっかけになることを願っています。
正社員とアルバイトと比較してみる
今日は、基本的に労働関連の法律や基本に忠実であることは無視します。あくまで働き手として働き方を選ぶ時に、実際に考えたり押さえておきたいであろう部分について解説します。
なので、少し雑ですが、誰かに雇われて仕事しようと思った時に選ぶであろう正社員とアルバイトと派遣を比較して得られるものと捨てたものをまとめてみようと思います。（ギグワークも・・と思ったけど、それはまたの機会で）
ここでいう正社員は新卒一括採用で終身雇用で賞与と退職金があるような会社をイメージしています。アルバイトは時給で働く給与だけの働き方をイメージしています。ここでまとめたものからグラデーションがかかることを念頭に置いておいてください。例えば、同じ正社員でも定年まで転勤がない代わりに給料が少し安いし退職金はないみたいなことがありますが、それはいわゆる正社員のデメリットを減らした代わりにメリットも減ったというイメージです。その辺りも最後に解説します。
正社員で働くと得られるものと捨てるもの
まずは、正社員として働くと得られるものと捨てることになるものを挙げます。
【得られるもの】
・定年までの雇用
・安定した賃金・待遇
・仕事に必要な教育
・仕事が合わなかった時の異動などの人事サポート
【捨てるもの】
・職種を選ぶ権利
・勤務地を選ぶ権利
・賃金や待遇を選ぶ権利
【ワンチャン得られるもの】
・圧倒的な実力や実力のなさや存在感（例えばお局）により、希望通りの職種や待遇で定年までの雇用
正社員という働き方を言い換えるのなら、無期無限定社員という表現が一番現実に即していると思います。具体的にいえば「定年まで雇ってもらう代わりに条件は無限定」という働き方です。良くも悪くも、この正社員の働き方が基準になり、他の働き方も説明ができます。
また、最後に挙げた「ワンチャン得られるもの」というのが曲者です。運良く事務職でずっといられている正社員がいたりすると、何もかも希望通りに得ることができているように見える派遣で働く方は多いです。
でも、これはイレギュラーなので、実は社内ではわがままな人材と思われていたり、実力がなさすぎて他の仕事をさせられないと思われてたり、とてもじゃないですが真似できないぐらいの厚顔さで乗り切っている人もいます。特に派遣で働く方が羨ましいなーと思うことが多いパターンの正社員は出世できなくなってたり、一時的に仕方なく本人の希望を融通していたりするだけだったりすることは知っておいてください。
アルバイトで働くと得られるものと捨てるもの
次にアルバイトで働くと得られるものと捨てることになるものを挙げます。
【得られるもの】
・職種を選ぶ権利
・勤務地を選ぶ権利
・賃金と仕事の責任や難易度で仕事を選ぶ権利
・働く時間を選ぶ権利
【捨てるもの】
・高い賃金・待遇（多くの場合）
・仕事を通じて身につくスキルや育成
・高い責任
・人事サポート
【ワンチャン得られるもの】
・安定した雇用
アルバイトは、正社員とは違い、安定や高い賃金は得られないことが多いです。その代わり、家から近いとか仕事の内容などの条件で仕事を選ぶことができます。また、気に入った仕事でその仕事や会社がずっと存続すれば、雇用が安定することはあり得ます。
登録型派遣で働くと得られるものと捨てるもの
いよいよ、登録型派遣（普通の派遣）で働くと得られるものと捨てることになるものを挙げます。
【得られるもの】
・契約ごとに選ぶ権利（更新しない権利）
・アルバイトより高い賃金
・派遣会社の教育
・派遣先からの必要な教育
・仕事が合わなかった時の派遣会社からのサポート
・勤務地を選ぶ権利
・職種や仕事の難易度を選ぶ権利
・賃金を選ぶ権利
・働く時間を選ぶ権利
【捨てるもの】
・出世による高い賃金・待遇
・マネジメントスキル・今の仕事に不要なスキル教育
・安定した雇用
・高い責任
【ワンチャン得られるもの】
・気に入った会社での正社員化
・未経験職種での就業機会
・派遣先での教育
・派遣会社からの手厚いサポート
登録型派遣は、雇用が不安定になる代わりに、契約をしない権利や条件に合う仕事を探して受ける権利を得ます。
例えば、どうしても事務職がいい方は派遣を選んだ方が確実です。正社員でワンチャン得られる「希望が通った高待遇」は定年まで続く保証もないですし、かなりの根回しや努力が必要だからです。一見好きな仕事についているように見える正社員の方は実力やわがままでそこにいて新卒の時は違う仕事していたりすることも多いことをお忘れなく。
無期雇用型派遣で働くと得られるものと捨てるもの
最後にとてもわかりやすくなると思うので無期雇用型派遣で得られるものと捨てるものを挙げます。
【得られるもの】
・職種を選ぶ権利
・勤務地をある程度選ぶ権利
・派遣会社の手厚い教育
・仕事が合わなかった時の派遣会社からのサポート
【捨てるもの】
・同じ会社で勤務する権利
・他の職種に挑戦する権利
・全員が出世したいという立て付け
【ワンチャン得られるもの】
・制度によってはマネージャー経験
・気に入った派遣先での正社員化
無期雇用型派遣は、いわば正社員と派遣の中間です。（真面目にやっている派遣会社の場合）
多くの場合、職種は選べます。というか、職種に特化して派遣しないとサービスが成り立たない（専門性のある方を派遣するモデル。最初は未経験でも。）ので、選ばざるを得ません。
また、勤務地も選べるようにしている会社が多く、ほとんどが自宅から1時間半以内くらいまでの条件でそれ以外の職場に行くことはないなどの制度が多いです。他にも、仕事が合わなかったら他の派遣先へ異動するなどのサポートが得られることが多いです。
その代わりに正社員のように他の職種に異動させてもらったり挑戦する権利はないことが多いです。全員が出世したい前提の正社員とはそこが異なります。
「無期雇用型派遣で勤務地が変わることになったから辞めたい」みたいな相談を受けることがありますが、初めからその時はやめようと決めているならやめればいいですが、勤務地が変わるのはめちゃくちゃ当たり前ですし、本来は条件の範囲なら選べないということは念頭に置いておく必要がありjます。（正社員の転勤の優しいやつだと思ってください）
ちなみに、地域限定正社員というのが一時期増えましたが、これは無期雇用派遣以上に限定的です。勤務地を選べる代わりに出世の機会がなく、賃金が低いという働き方で、原則、その地域から撤退したりしたら（他の拠点の打診はあろうかと思いますが）雇用は終わるので、無期雇用型派遣より少し雇用が不安定かと想定できます。
安定と引き換えに自由を得るのが派遣やアルバイト
できるだけ実用的にイメージできる内容にしようとしたのですが、必ずしもそうとは言い切れないことばっかりなので、ちょっと雑な内容になってしまいました・・・！
改めてしっかりと知っておいていただきたいことを言い直すと、安定と引き換えに不自由になるのが正社員。自由と引き換えに安定を捨てるのが派遣やアルバイトということです。
安定して雇い続けようと思えば、部署が減っても他の部署に行ってもらう必要があるし、拠点が潰れたら引っ越して他の拠点に行ってもらう必要があります。必然的に自由をある程度預けてもらわないと終身雇用ができないのです。それは困るという人は自由を得る代わりに終身雇用ではなくなるという図式は派遣という働き方がなくなったとしても他の働き方についてくる思考法になります。
雇用形態は安定と自由のマトリックスの中のどこを選ぶかという決断だということを知っておいてください。
そして、この価値観というのはその方の本質なので、派遣から正社員になるのが難しい要因になっています。「家の近くが良いので派遣にしました」という人を正社員で採るくらいなら、「転勤大丈夫です！」という人の方が採用しやすいのは明白だからです。
最後に
今日は「派遣で働くということは何を選んで何を捨てているのか？」というテーマで、雇用形態についてまとめてみました。
派遣営業の方でも、「正社員が良いなら派遣にならない方がいいよ」とアドバイスする方が多いのは、価値観がそもそも違うからです。そして、この辺の整理をしないで派遣で仕事をしているけど、本当は正社員になりたい人がいたら、ぜひ僕に連絡してください。
40代で派遣で15年勤務していて15社履歴がある・・・とかだともう正社員になるのは無理と考える人も多いですし、実際、しっかり作戦を立てないと難しいです。
僕はその専門として、何名も正社員になっていただいた実績がありますので不安にならずに、声かけてくださいね！
では、また！
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