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物事をシンプルにすることの危険性

今日は、「物事をシンプルにすること」の危険性についてです。

僕は、昔から、物事をシンプルに考えるとか、シンプルに捉えるとか言うことは、かなり危険な行為なのではないかと思っています。そのことについて、お話しします。


よくあるパターン

例えば、会社の会議で、30分以内に、「3カ月以内に、現状の売上を1.5倍にする取り組み」を決めるとしましょう。

その時に、シンプルな考え方の例として、

・全体のプロセスの中でボトルネックになっている部分を見つけ出して、そこを改善することで、より多くのサービス提供をする

・そもそものサービスそのものを向上するために、3カ月以内に結果が出せる方法を考える

などの方法が考えられます。

ただ・・・僕は最近よく見かけるのですが、例示したような考え方は、間違いなくシンプルなロジックなのですが、思考力が必要なため、「シンプルではない」と考える人が多くいます。

そして、決まって、そういう方が出す結論は、

「頑張って、活動量を1.2倍にしよう!」

です。


話し合う必要がねぇ

・・・・わかります。いいよ。それが結論でも。

一応、言っておくけど、インプット➡アウトプットとしては、一番、低次元だからな。っていうか正確に言えば、何も考えていないのと一緒だし、定義によっては、アウトプットが上がっているという状況ですらないですから。

さらに言えば、紆余曲折の末、たどり着いた結論が

「目標が1.2倍だから、1.2倍やろう」(そもそも、これすら時間軸も見据えたら算数あってるのか??)

でも、いいのですが、こういう結論になる話し合いは僕の知る限り、少しでも思考力が必要な話をしたら、「もっと単純に考えよう」となって、進んでいくことが多いです。つまり、話し合う意味は1ミリもないです。


茶番の時もある

気を付けないといけないのは、意味わからないけど、リーダーもメンバーも、意味ないのを分かってて、この議論をしている場合もあります。

リーダー:「もう、1.2倍活動するしかねぇ!でも命令じゃだめだ!自分たちでやると言わせるんだ!!」

メンバー:「どうせ、リーダーは1.2倍やれって思っているはずだ。そして、それを言わせたいんだろ?」

という、状況で、とんでもない無意味さの茶番が繰り広げられていることがあります。何も知らずにオブザーバーとして呼ばれた方とかが、「そもそも・・・」と意見を挟むと、空気が凍り付くときは、こういうやつですw


というか、この茶番は何のためにやっているんですかね。上司は人買いで、部下は奴隷みたいなイメージなんですかね。



シンプルにも、努力と才能がいる

これは、偏見もありますが、強引に2択にする、とか、背景を押さえないで単純化するとか、逆に「人によるから・・」みたいに議題を見捨てて、結論を出さなかったりとか・・・極端な単純化をする方は、前提とする知識が不足していたり、物事はそもそも複雑であるということを認められない傾向があると思います。

シンプルなことをシンプルに捉えるのは、みんなできます。(お腹すいた・・・そもそも、空腹というものは・・・みたいな人はいない)

複雑なことを複雑に理解するのも、頑張ればできることが多いと思います。(もちろん、できる範囲でシンプルに捉えることも大事。)

が、複雑なことを理解したうえで、その時に重要な要素のみを取り出して、シンプルに説明したり、共有して議論、決断ができるというのはものすごい修練と才能がいるのです。

っていうか、正直、僕はできないから、それが努力なのか才能なのかも、分かりません。堀江貴文さんの書籍とかで勉強できる部分もありますが、なんか、頭の作りが違いすぎて、自分個人くらいなら、極端な単純化に挑戦できますが、とてもじゃないけど、仕事のチームなんか巻き込めない。



いま、調べてみたら、↓記事に、シンプルに考えるには、「勇気」や「エネルギー」や「覚悟」が必要とのこと。

このシンプルな原点すら見失っている社長が多い。そのせいで、ムダに複雑に考えてしまい、時間を浪費してしまう。ビジネスの最前線では、いつもスピードが命である。シンプルに本質をおさえた思考ができない人は、いつも「時間の勝負」で敗北することになる。

とのこと。やっぱり、誰でも、適当に単純化すればできるということではなさそうです。本質を捉えなくてはいけないわけですね。

そりゃそうだ。


最後に

僕は、何の鍛錬も、準備も勉強もしていないのであれば(ちなみに、僕はめちゃくちゃ会議の準備はするけど、単純化は下手・・・)、無理やり単純化することは、とても危険だと考えています。

無理やり2択にすれば、それ以外のやり方の中に望ましい結論があるかもしれないし、本質から外れた単純化をすれば、望ましい結論からは離れる一方・・・


子どもの時は、無理な2択や単純化は、ヤンキーの専売特許だったんだけどなぁ(敵か、仲間か!みたいな)。大人も昔から、わけ分からない理屈で単純化してたのかな。それとも、僕らの(一部の)レベルが先輩たちより下がってきてるのかな・・・

いづれにしても、昨今の「複雑なことをシンプルに」という慣習?には不安を感じずにはいられません。どう考えても、複雑なことをシンプルに考えるのは、難しい取り組みだと思います。自戒の念を込めて、強引すぎる単純化ではなく、理解したうえで、本質を抑えた単純化ができるよう、思考を鍛えていきたいなと思います。

では、また明日!



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