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【播磨町】行政職員にファシリテーション技術を

こんにちは、兵庫県で一番小さなまち播磨町のまちづくりアドバイザー佐伯亮太です。あっという間に寒くなってきましたが、noteに書くこともどんどん溜まってきたので、振り返りながらまとめていこうと思います。

なんでファシリテーション

播磨町役場でアドバイザーをはじめて、徐々に気づいてきたことがあります。それは行政が事務局をする会議でうまくいく会議とうまくいかない(積み上がっていかない)会議があるということです。よくよく観察してみると、行政職員はほとんどの会議で「口述書」を準備しています。特に外部有識者や地域代表の方が参加される会議は必ず準備しています。そこには、会議の始まりの挨拶や資料説明について一言一句余すこと無く書いてあり、職員はそれは読むことが仕事になっています。多分、不要なことを言わない、正しく情報を伝えるということを考えた末に口述書ができているのだろうなと想像します。ただし、会議(特にわからないことを積み上げて検討する場)では、口述書に書いているような予定調和ではうまくいくはずもなく、なんだかモヤモヤしたまま前に進まない(積み上がっていかない)ことがほとんどです。そう考えてみると、実は「会議の設計」ができていない場合がとても多いなと言うことに気づきました。

会議を設計(デザイン)する

私は普段、どんな小さな会合であっても、どんな資料や話を準備しておくとどんな展開が起こるか、どこが要点になりそうで、このあたりに話が着地して、次回の会合でここまで行けば◎みたいなことを考えています。なので、資料の出し方や見せ方、誰が音頭をとるかなどは結構慎重に考えています。先程書いた、モヤモヤしてなかなか前に進まない会議って、そうしたどんな資料を見せてどう展開するかという会議の設計がなされていないことがほとんどではないでしょうか。参加者に任せてみるというのはとても大切なことですが、どこまでを任せるかというのも会議をデザインする上ではとても大切だと思うのです。

係長級にファシリテーションの技術を

そんな背景もあって、播磨町役場の職員研修担当に、「ファシリテーション技術の研修をしたい、特に係長級に」と提案をし、実施しました。おおよそ以下のような内容で企画が進んでいきます。係長級にといったのは、口述書を作るのは係長級が多く、会議の設計を変えられる立場だと思ったからです。

・係長級は全員参加、その他希望者も参加可能
・初級編と応用編に分けて開催
・議会のみなさんにも声をかけてみてはどうか

学び合う場づくり

今回の研修では参加者同士が「学び合う」を意識して組み立てました。私からの話題提供は、ファシリテーションは技術なので、誰でもできるようになること、会議の参加者もファシリテーションのことを知っていると会議がうまく積み上がっていくこと、このあたりが準備のポイント、会議ではどんな事が起きているか(共有→発散→混沌→収束(納得))のプロセスなどをご紹介しました。

レクチャーの様子

その上で、2つのロープレをやって振り返るを繰り返し、それぞれの気づきを促しました。例えば、6人程度の会議のロープレでは、ファシリテーション役を2人、観察役2人を決め、それ以外の参加者には少しキャラ付をして、会議を進めてみました。テーマは複数から選び、1回15分程度の会議をやってみる場です。やってみると、ほとんどの場合なかなかうまく話し合えず、時間切れになってしまいます。こうしたときに会議って設計が必要だということを伝えています。

参加者のキャラ付け
ロープレの後の振り返りの様子(応用編)

答えがないからこそやってみる
多くの行政研修は講師から一方的に話をされ、それをひたすら聞くだけとなります。こうしたロープレを入れながらの学びの場で得た知識や技術をぜひ現場で使ってみてほしいなと思います。なにより大切なのはやってみて、それをお互いにシェアし合うということでしょう。そして、何気なくやっている日常業務も少し意識を変えるだけで会議の内容が変わったり、議論の積み上がり方が変わるということに気づいてもらえたらなと思います。行政職員にこそファシリテーション技術をというのは、つまり会議をちゃんと設計(デザイン)しようという話でした。


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