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我が子を素敵な大人に育てる方法_section5(全25)7〜9

こんにちは。

親子丼の名前の由来っておもしろいなぁと思ったけれど、よくよく考えたら親子を食べるってなかなかエグいなぁと思っている、トッププロ家庭教師の酒匂です。

「我が子を素敵な大人に育てる方法」を紹介します。
※「子育てベスト100」をもとに書いています

今回はsection5 その7〜9です。
※過去記事一覧はこちら

section5 学力をつけるには?
〜効果的なフィードバックで「やる気」を引き出す〜

section5 その7 勉強を「習慣」にする
〜無理なく楽しく続ける方法〜

 2006年にデューク大学の研究チームが発表した論文によると、日常の行動の45%は「その場の決定」ではなく「習慣」だといいます。アメリカの教育改革者、ホーレス・マンは「習慣は太い縄のようなものだ。毎日1本ずつ糸を撚り続けると、やがてそれは断ち切れないほどのものになる」との言葉を残しています。
 また、京都造形芸術大学副学長で、コーチングやアクティブラーニングの第一人者である本間正人氏は、これからは「最終学歴」ではなく、誰もが「最新学習歴」を更新していく社会になる、といっています。
 寿命が延び、一生学び続ける時代の到来。歯磨きや食事、入浴などと同じように、勉強を毎日の習慣に組み込むことは大きな強みになるでしょう。

勉強を「習慣」にするにはどうすればいい?

※大人でも効果のある行動プランなので是非やってみてください

■時間を決めて「スモールステップ」でやる
 たとえば宿題をするとき、「宿題をやる」とざっくり考えると気が重いものです。しかし「音読」「漢字」「計算」などと細かく分けてしまえば、負担感が少なく感じます。
 また、それぞれのステップに「何時から何時まで」と細かく時間を決めると、「何時になったらやる時間だ」と気持ちを準備できるので、手をつけやすくなります。
 さらに 、実行する 「場所 」も決めておくと 、時間になったらそこに行ってスパッと切り替えて勉強を始めることができます 。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

■遊ぶ時間も確保する
 やるべき勉強を子どもが手早く終わらせたとき、「じゃあついでにこれもやってみよう 」と追加の課題を与えるのはNG。あらかじめお楽しみの時間はしっかりと確保しておき、満喫させます
 フィンランドで行なわれた学力についての調査から、休み時間を与えられた子どもたちのほうが、座っている時間が長い子どもたちより学力が高くなることがわかっています。
 アメリカの保健福祉省のレポートからも、体を使った活動によって脳の血流が増加し 、酸素が増え、脳の働きに役立つことが明らかになっています。メリハリをつけて勉強したほうが、子どもの集中力はアップするようです。

■ゲームにしてしまう
 行動分析学者の奥田健次氏は、ごはん前に宿題が終わらなかった子どもに対して「明日はきちんと約束を守るのよ」と言っても、子どもにとっての「明日」、つまり24時間先は時間的に遠すぎて、効果がないと指摘します(『世界に1つだけの子育ての教科書』ダイヤモンド社)。
 奥田氏は、なかなか宿題を始めない子には、まずはゲームっぽく「お母さんがいまから2階に行って帰ってくるまでに宿題を始められるかな。3分ですぐに帰ってくるからね。あ、まだやったらダメよ。お母さんがこの部屋を出てからスタートね!」などと伝えることが効果的だといっています。
 もし子どもが3分後もまだ遊んでいたら、3分という感覚が見積もれていないということなので、次からは1分、30秒とさらに短くします。戻ってきた親が、宿題を始めたことを思いきりほめると、子どもは大きな達成感を感じることができると奥田氏はいっています。

■親も習慣にする
 子どもがやらないことにイライラするより、テレビを消し、食卓を片付け、親自身が机に向かうほうが手っ取り早いかもしれません。親が自分から楽しそうに本を読んだり何かを書いたりしている姿を見ると、子どもも自然と自分から机に向かうようになります。

section5 その8 「プログラミング」を学ぶ
〜試行錯誤で頭を鍛える〜

 2020年から小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミングは、プログラミング言語という“言葉”を使ってコンピュータに指示を出し、人間の思い描いた動きをさせるものです。
 誤解されやすいのですが、必修化の目的は、子どもたちにプログラミングのスキルを身につけさせることではありません。「言いたいことを正確に伝えるには、細かく段階を踏んで説明しなければ伝わらない」という論理的な考え方を、プログラミング言語を使って学ぶことが目的です。
 プログラミングのいちばんの面白さは、自分でル ールをつくれることです。
 ルールをつくるときには、ふだんは意識していないようなことにも意識を向ける必要があります。たとえばロボットを動かすときはを止まる」という動作もプログラムしないと、ロボットは永遠に止まることができません。
 世の中には、こうした「思考の盲点」に意識を向けることで、新しいアイデアが浮かんだり、考えが深まることがたくさんあります 。
 プログラミングは試行錯誤をくりかえしながら、このようなきめ細かい思考を体験して学べる機会でもあります。

効果的に「プログラミング」を学ぶにはどうすればいい?

■プログラミングが何を実現しているかを知る
 プログラミングは、ふだんはその存在を意識することはほとんどないものの、いまや日常生活のあらゆる部分に深く関わっています
 いつも遊んでいるゲームはもちろん、車、家電製品、ロボット、信号、そして音楽やアートまで、さまざまなものにプログラミングが生かされています。
 プログラミングを学ぶ前に 、プログラミングが身のまわりのどんなものとつながっているのかを知ると 、技術が身近になり 、手ごたえ感をもって学ぶことができます 。

■パソコンに慣れる
 日本では教育現場のIT普及が遅れているものの、今後は小学校からプログラミングが導入されることもあり、中学や高校でも、パソコンを使う機会は間違いなく増えます。いずれ入試や資格試験も、パソコンで受ける形式が主流になるでしょう。
 パソコンは「習うより慣れろ」です。「有害なサイトを見てしまうのでは」「ゲームばかりしてしまわないか」といった心配もあると思いますが、フィルタリングを利用する、親のいるところで使わせる、時間を決めるなど、使える環境はコントロールできます
 むやみに遠ざけるのではなく、「子どもにとっては学びの道具」と意識を変えたほうがいいかもしれません。

■始めるのは 4年生からで十分
 低学年だと集中力がなく、「遊ぶ」感覚が先行してしまうので、落ち着いて論理的思考ができるようになる 4年生あたりから始めるとよいでしょう。小学1.2年生だと、プログラミングの「条件分岐」といった概念がそもそも脳の構造的にまだなじまないという研究結果もあるようです。
 低学年のあいだはむしろ、運動することで体の感覚を養ったり、遊びを通じて「実体験」を積んでおくほうが、後からプログラミングにもっと興味をもって取り組むことができます。

■親ができる必要はない
 必ずしも親がプログラミングをできる必要はありません。子どもの話を聞いてあげるだけで十分です。
 プログラミングを通じての試行錯誤が、主体性を育みます。むしろ、親のほうから「教えて」とお願いして、子どもから教えてもらうことで、子どものコミュニケーション力や自信を伸ばすきっかけにもなるでしょう。

■手軽に始められる教材は?
 子どもは目に見えてわかりやすいことと、楽しさを優先します。低学年までに始めるなら、「スクラッチ」やロボットがなじみやすく、親子で楽しめます 。
・インターネット上で使えるもの
アワー・オブ・コ ード(Hour of Code):Code.orgが世界的に主唱するプログラミング教育活動が 「アワー・オブ・コ ード」です。このサイトでは、プログラミング学習のできるさまざまな教材をそろえています。対象年齢は「4歳から104歳まで」とうたっています。
https://code.org/learn

スクラッチ:プログラミングでアニメやゲーム、音楽などがつくれるサイトです。
https://scratch.mit.edu・ものを動かす体験ができる手軽なキット
マイクロビット(BBC micro:bit):片手に収まる大きさのマイクロコンピュータ。ロボットから楽器まで、プログラミングでいろいろなものがつくれます。

スフィロ(Sphero):プログラミングで動かせるボール型のロボット。まずはスフィロ・ミニ(Sphero Mini)が手軽で遊びやすいようです。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

section5 その9 くりかえす
〜変化と負荷を上手に加える〜

 私たちはよく、勉強だけでなく、スポーツや楽器などでも、「何度もくりかえしてコツコツ努力すれば、できるようになるよ」と子どもを励まします。
 世界的ベストセラーとなったマルコム・グラッドウェルの著書『天才!成功する人々の法則』(講談社)では、どんな分野でも約1万時間取り組めば、その分野の一流になれるという「1万時間の法則」が有名になりました。
 ところが心理学の研究によると、ただやみくもにくりかえせばいいわけではないことがわかってきました。
 くりかえしによって習得するという学習法には、いくつか注意すべき点があることが明らかになっています。

うまく「くりかえす」を生かすにはどうすればいい?

■単調な反復は効果なし
 問題集を何度もくりかえして勉強したはずなのに、なぜかテストで大失敗……。そんな経験はないでしょうか?
 じつはこれが、単純な反復学習の落とし穴です。心理学では「流暢性の罠」と呼ばれるものに引っかかった状態です。「流暢性」とは、情報を適切にすばやく処理し、アウトプットする能力です。ところがこの「解き方がすぐに思い出せるくらいやりこんだから大丈夫」との思い込みが、かえって脳を油断させ、記憶したことをすぐに思い出せないという状況に陥らせてしまうのです。

■変化を織りまぜる
 アメリカのウィリアムズ大学の心理学者 、ネイト・コーネル准教授らの研究では、反復練習に少し変化を加えた課題を混ぜると学習能力がアップし、記憶が長期的に定着することがわかりました。日々の学習に過去に学習した単元なども混ぜると良いということです。
 子どもは問題に応じて解き方を考えなければならなくなるのでら一見すると非効率に思えるのですが、トロント大学の心理学者、マイケル・インズリット教授は「秩序を乱す何か、その場にそぐわない何かを目にすることが、事実上、脳を目覚めさせる」と指摘していますり
 問題にバリエーションを加えた学習法で、それぞれの「違い」を意識しながら理解すると、特徴をはっきりとつかめるようになるほか、本番での思わぬアクシデントにも強くなるそうです。

■少しだけレベルアップさせる
 フロリダ州立大学の心理学者らアンダース・エリクソン教授は、あらゆる分野の超一流の人々は、「自分にとって居心地のいい領域(コンフォート・ゾーン)から飛び出し、少しだけ限界を超える負荷をかけつづけている」という「限界的練習」理論を唱えています。
 世界中の超一流の人々を30年以上にわたって研究してきたエリクソン教授は、「私たちは誰でも、この『限界的練習』をくりかえすことによって、まわりの人から見れば『生まれつきの才能』にしか思えないほどの、並外れた能力を獲得することができる」といっています。
 もちろん、新しい単元やテクニックを学ぶには、くりかえしの練習によって慣れていくことは欠かせませんが、そこに変化を混ぜること、少しの負荷を加えてやることが重要だということです。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

今回はここまでです

いかかでしたか?
今回の行動プランは、大人でも効果がある内容でした。資格をとりたい、本を読むことを習慣化させたい、など、「やりたいけどなかなかできるようにならない」という方は「数字を絡めた細かい計画をたててみる」ことから始めてみましょう。あとはそれを実践するだけです!

それでは素敵な一日をお過ごしください。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。


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