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我が子を素敵な大人に育てる方法_section5(全25)10〜12

こんにちは。

自分が子どもの頃に「尊敬するのは親です」と言うスポーツマンを見て「何言ってんだ、こいつ。カッコつけやがって」と思っていたのですが、いざ自分が大人になると「尊敬するのは親です」と声を大にして言っている、トッププロ家庭教師の酒匂です。

「我が子を素敵な大人に育てる方法」を紹介します。
※「子育てベスト100」をもとに書いています

今回はsection5 その10〜12です。
※過去記事一覧はこちら

section5 学力をつけるには?
〜効果的なフィードバックで「やる気」を引き出す〜

section5 その10 「語彙」を増やす
〜いろんな理解をラクにする基本の力〜

 国立情報学研究所の新井紀子教授らの研究チームが、全国約2万5000人の中高生を対象に読解力の調査をしたところ、その多くが教科書レベルの文章を理解できていないことがわかりました。
 新井教授が考える原因のひとつは、基本的な語彙力の不足です。子どもにとって、知っている言葉の数が豊富だと、文章を読むときの負担が少なく、内容理解もスムーズになります。また、教えられたことがしっかりと理解でき、自信を感じられます。さらに語彙力は、コミュニケーション力、表現力、そして創造力へもつながっていく大切な力です。

「語彙」を増やすにはどうすればいい?

■大人とたくさん会話する
 東北大学の川島隆太教授らの研究によれば、親子でさまざまな内容の会話を多くもっていると、子どもの言語機能に関わる脳の領域が良好に発達することがわかってきました。また、ベネッセコーポレーションが2016年に行なった語彙調査では、高校生、大学生、社会人とも、身近な人と「話す」頻度が高いほど、語彙力が高い傾向が見られました。とくに親、祖父母や親戚 、学校の先生といった年齢差のある人と話す頻度が高いほど、語彙力が高くなっています。世代を超えた会話は、子ども同士では出合うことのない新しい語彙を増やし、表現力を伸ばします。

■親はすぐに返事をする
 子どもの言語獲得に詳しい玉川大学の佐藤久美子名誉教授が、小学校入学直前の年長児約200人を対象に語彙力を調査したところ、応答のタイミングが早い親の子どもは語彙力が高く、発話量が多くなることがわかりました。

■親は聞き役になる
 佐藤氏の調査では、親の話す時間が短いほど、子どもが話す機会が増えることもわかりました。つまり、親が「聞き役」になるということです。子どもの言葉に対して親が長い返事を返してしまうと、子どもは次の一言が出にくくなります。短い返事をたくさん返せば、子どもはたくさん話すようになります。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

■ゆっくり、はっきり話しかける
 小さい子どもは、親の話を聞いて真似をすることで言葉の音を覚えていきます。子どもが聞き取りやすいように、ゆっくり、はっきり話しかけることで、子どもは言葉の獲得がスムーズになります。

■本、新聞、マンガに触れる
 語彙を増やすには「書く」ことも効果的ですが、オランダ・ライデン大学のスザンナ・モル准教授らが、未就学児(3歳〜)から大学院生までの読書量と語彙力の関係について調べたところ、読書量が多いほど語彙力が高いことがわかったといいます。語彙量がいちばん多いメディアが本や新聞、次に雑誌、マンガです。家族が集まる食卓やリビングに、新聞や雑誌、本を置いておき、目に入る語彙を増やします。

■リビングに辞書を置く
 ベネッセの調査によると、高校生、大学生とも「わからない言葉に出合ったら、そのままにせずに調べようとする」と回答した人は、語彙力が高い傾向が見られました。「〇〇ってどういう意味?」と聞かれるごとに「調べてみようか」と言って親子で一緒に調べることで、辞書を引く習慣をつけます。
 いつも手近なところに辞書があれば、調べる習慣が身につきやすくなります。

section5 その11 「無駄」を削る
〜勉強を合理化して「余裕」つくる〜

 学校での一斉授業では、教師は全生徒の理解度をひとりずつ考慮することはできません。そのため生徒はそれぞれ、すでに知っていること、あるいは逆にまったくわからないことを聞いていなければいけない時間があります。つまり、学校での授業時間の何割かは、無駄な時間になっているともいえます 。いま、AIを活用して、こうした無駄な時間をなくし、一人ひとりの理解度・進度に合わせた学習法を実現しようという動きがあります。そのような個別最適化された学習は 、「アダプティブ・ラーニング」と呼ばれています。子どもがどこでつまずくかはさまざまです。算数の計算ミスでも、計算の順序が正しく覚えられていないのか、分数の割り算がわかっていないのか、子どもによって間違うポイントは異なります。その複雑なプロセスを A Iが解析し、一人ひとりの理解度に合った問題を選んでくれるため、弱点に特化した学習で効率的に理解を深めることができるのです。

勉強の「無駄」を削るにはどうすればいい?

■「できないこと」にフォ ーカスする
 時間は有限です。勉強する際は、すでにできることをくりかえすより、できないところに集中的に時間を使ったほうが効果的です。
 そうすれば子どもが、21世紀型スキルともいわれる創造力や思考力、コミュニケーション力といった力を育む意味でも、遊びや好きなことに夢中になれたり、ぼんやりと考えにふけったりと、自由な時間を多く使うことができるようになります。

■遊び時間は「無駄」ではない
 算数教育にくわしいワンダーラボの川島慶代表は、算数の力の土台になる想像力や推理力、空間認識力、それを支える知的好奇心などは、遊びの体験を通じて身につくといっています。
 親にしてみれば、学年が上がるにしたがってらできるだけ多くのことを勉強してほしいと思ってしまいがちですが、あえて先に自由に遊べる時間を確保するぐらいのほうが、長い目で見れば子どもの成長にプラスになるといえそうです。

■「AI教材」を活用する
 できることをくりかえさず、できないところを重点的に補強するという効率的な学習は、AIが実現してくれますり
 タブレット学習は大半の親にとっては未経験の学び方ですが、子どもたちは大人の想像以上の速さで操作を覚え、楽しく解き進めていきます。
 勉強嫌いな子どもも、苦手なところを効率よく補強でき、学ぶ楽しさに目覚めるきっかけにもなるようです。

section5 その12 「英語」を身につける
〜英語を「遊び道具」にしてしまう〜

 英語を習得するにあたって、子どもには大人より優れた力があります。いいかえれば、こうした力は成長とともに失われていくものです。児童英語教育と第二言語習得にくわしい上智大学短期大学部の狩野晶子教授によると、子どもが大人より優れている力は主に次の4つだといいます。

①音声を敏感に聞き取る力子どもは音への感受性が豊かです。小さいうちのほうが聞く力に長けており、動物や虫の鳴き声を真似たり、アニメのキャラクターのモノマネをするのも上手です。

②音のかたまりを丸ごと処理する力
 落語のをじゅげむじゅげむ……」や、ひたすらポケモンのキャラクターの名前を151匹唱え続ける「ポケモン言えるかな?」の歌など、子どもは意味がよくわからないものでも音のかたまりとして覚えてしまいます

③くりかえしに耐える力
 いつも同じ絵本を読みたがったり、気に入った動画を何度も見たり、子どもは同じことをくりかえしてやりたがります。

④あいまいさに耐える力子どもはすべてを理解できなくても平気です。あいまいな理解でも、相手の表情やまわりの状況から自分なりに文脈や意味を想像しながらやりとりを進めていくことができます。
 この4つの力のうち、児童期にとくに伸ばすべきは、英語を「聞く」力です。小学校のあいだは読み書きをかっちりさせるのではなく、意味のある英語を楽しくたくさん聞くことで英語の音に慣れさせることが大事です。英語の歌や絵本のオーディオブックを使うのもいいですし、ユ ーチューブやネットフリックスにも子ども向けの英語番組があります 。 Eテレにも、副音声で英語を聞ける子ども向け番組があります。

「英語」を身につけるにはどうすればいい?

■毎日、英語に楽しく触れさせる
 個人差は大きいですが、2000から4000時間聞くと、ある程度英語で意味が取れる聞き取りの力が育つといわれています。ところが学校で週に1回1時間程度、英語に触れても年間で35時間。3500時間聞くには約100年もかかってしまう計算になります。学校や英語教室だけに頼るよりも、毎日少しずつでも、家庭で英語を聞く機会をつくってあげることが効果的です。
 ただ、ここで気をつけたいのは、子どもが楽しんでいることが重要で、正確に聞き取れているかどうかは気にしないことです。子どもが自由に想像したり、類推したり、真似をしたりしながら、英語という言葉で遊ぶ体験をすることが大切です。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

■正解に導こうとしない
「間違えたらどうしよう」というプレッシャ ーのある状態だと、英語を使ってみようという気持ちが起こりにくく、上達をさまたげてしまいます。
 学校で習ったやりとりが正しく言えるか 、きちんと理解できているかにこだわる必要はありません。むしろ、間違っていても正さないことが大事です。「言えた!」「通じた!」という成功体験が「もしかして英語できるかも!?」という自信につながり、英語を話すことへの不安感を下げていくのです。南カリフォルニア大学の言語学者、スティーヴン・クラッシェン名誉教授は「不安感が低いほど言語の習得は進む」といっています。
 赤ちゃんが母語を覚える過程でも、間違った言いまわしをすることがよくありますが、成長とともに自然と正しくなっていきますり英語を覚えるときもこれと同じですり親はあせらず、期待しすぎず、長い目でおおらかに見守ることが大切です。

■好きなことを英語で掘り下げる
 狩野教授は、子どもが野球好きなら野球のポジションやルール、メジャーリーグの選手の名前などらプリンセスやハリー・ポッター好きならお城についてなど、子どもが興味をもつ世界を英語ではどう表現するのから一緒に調べてみることを勧めています。ほかにも、魚、虫、恐竜、花など、子どもが好きなことはたくさんあります。
 たとえばグーグルで「恐竜名前英語」と検索すれば、さまざまな恐竜の英語名や単語カ ードなどが見つかります。一見、何の役に立つのかわからないような虫の名前やお城の備品の単語も、好きな子どもにとっては最高に興味深い知識です。
 好奇心をもって調べた知識は記憶に長くとどまります。そんな知識が、子どもの英語への関心の入り口になります。

■親がコミュニケーションを楽しむ
 親ができることで最も手っ取り早くて効果的なのは、コミュニケーションを楽しむ「お手本」になることだと狩野教授はいいます 。たとえ苦手でも、たどたどしくても、コミュニケーションを楽しむ姿勢を見せるのです。
 たとえば道で困っている外国人がいたら 、日本語まじりでもいいので「お手伝いしましょうか」と話しかけてみますり言葉が違う相手にもコミュニケーションの意欲を示すことに大きな教育効果があるのだそうです。子どもは「間違ってもいいら伝わればいいんだ」と知ることで、「英語を使ってみようかな」という次のステップに進んでいけます。

今回はここまでです

いかがでしたか?
幼少期からやっていると将来役に立つ可能性が高い物を「いかに楽しみながらやるか」がポイントです。プログラミングにしろ英語にしろ必ず仕事になります。何も資格がなくても生きていける武器になります。
実は英語もプログラミングも、大人でもやってみると半年もあれば仕事にできるほど成長できます。ただみんな「難しいんでしょ」「大変なんでしょ」と言ってやらないだけなのです。
そりゃ簡単ではないですよ(笑)当たり前です。ただ、「思っているほど難しくはない」のです。
こうなる前に「子どもの頃から楽しんで学ぶ」ことができれば子どもの将来の選択肢が増えます。英語、プログラミングは本当にオススメです。
※もし塾などに通わせる場合は、しっかりと選定してくださいね。特に英語はお金だけむしり取られる話をよく聞きますので。


それでは素敵な一日をお過ごしください。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。

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