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我が子を素敵な大人に育てる方法_section1(全18)16〜18

こんにちは。

「酒匂さん、ハリネズミ飼ってるんですね。私も飼いたいと思ってるんです」と言う人に必ず「やめた方が良いですよ」と猛反発する、トッププロ家庭教師の酒匂です。
※全く懐かない(自宅繁殖は除く)し、病気になりやすいし、短命だからです。

さて、今回は「我が子を素敵な大人に育てる方法」のsection1(16〜18)を紹介します。
section1の最終回です。
※「子育てベスト100」をもとに書いています
※過去記事一覧はこちら

【section1】コミュニケーション力をつけるには?

section1 その16 「挨拶」をする
〜義務ではなく、楽しめるように〜

 私たちは一日の中で何度も挨拶の言葉を交わします。挨拶は世界共通の習慣で、コミュニケーションの入り口です。
 心理現象のひとつにをザイオンス効果」というものがあります。これはスタンフォード大学の心理学者だったロバ ート・ザイオンス名誉教授が発見した「同じ人やモノにくりかえし接触すると、好感度や印象がアップする」という法則で、単純接触効果とも呼ばれていますり
 挨拶は、この効果を引き出すためにとても便利な方法です。子どものころから挨拶の習慣が身についていれば、成長してからもさまざまな人づきあいの大きな助けになります
 子どもの数が多く、近所や親戚同士のつきあいも頻繁にあった時代には、いろいろな人と挨拶を交わす機会がありました。
 子どもはそうした環境で自然と挨拶を覚えていったのですが、昨今は地域とのつながりも薄れ、挨拶をする機会が格段に減っています。そのため、挨拶することを大人が意識して教えていく必要があります。

「挨拶」はどういうふうにしたらいい?

■親自身が挨拶をする
 子どもは親の言動に敏感で、日々いろんなことを観察しています。どんな場面でどんな挨拶をするかも、親を手本にしながら覚えていきます 。
 親は「おはよう」「いってきます」「ただいま」「おかえり」「いただきます」「ありがとう」「ごめんなさい」「おやすみ」など、家族に対して意識的に言葉をかけるようにします。

■挨拶をされたら、必ず返す
 挨拶は、相手の存在を認め、自分の存在を認めてもらうことです。挨拶をしてくれる人には、必ず挨拶を返すように教えます。
 挨拶を返さないと無関心だと思われます。無関心は「相手の存在はどうでもいい」というメッセ ージになり、最も相手を傷つけます。お互いに挨拶を交わし合うのはコミュニケーションの基本です。

■気持ちをこめて
 挨拶の「挨」には「心を開く」、「拶」には「相手に近づく」という意味があるそうです。挨拶をするときはその言葉の意味を思い出しながら、相手の顔を見て、気持ちをこめて声をかけるように心がけます
 子どもにはスキンシップをまじえて、ハイタッチやハグをしながら挨拶をすると、とても喜びます。
 スキンシップをとることで、先にも触れた愛情ホルモン「オキシトシン」の分泌をうながせるというメリットもあります(05「『スキンシップ』を大切にする」参照)。

■できなくても責めない
 子どもが挨拶をしないときには「恥ずかしい」「照れくさい」「素直になれない」といった思いがあります。けれどもそこで、「どうして言えないの?」と強要したり叱ったりすると、子どもはかえって反発し、挨拶をすることが楽しくなくなってしまいます。他の子と比べてできないことを責めるのも逆効果で、かえって萎縮することもあります。
 挨拶が苦手な場合にはあせらず、「〇〇ちゃんちに着いたら最初になんて言おうか?」と心の準備をうながしたり、蚊の鳴くような声でも挨拶ができたら一緒に喜んであげるなど、子どものペ ースに合わせるようにします。

section1 その17 「プレゼン力」を鍛える
〜うまく話せる「型」を手に入れる〜

 日本人の多くが人前で話すことに苦手意識をもっています。ところが約1万9000人にプレゼン教育を行なってきた一般社団法人アルバ・エデュの竹内明日香代表理事は「プレゼンがうまいかどうかは能力でもセンスでもなく『技術』であり、筋トレや楽器の稽古のように練習さえすれば誰でも上手になれる」と言い切ります。
 たとえばアメリカでは、小さなころから人前で意見を発表する機会を多く与えられ、徹底的にプレゼン力を鍛えられます。代表的なのが、幼稚園や小学校で日常的に行なわれている「SHOW&TELL」の時間です。
 この授業では、子どもは自分のお気に入りのものを学校へもっていき、クラスメイトや先生の前で、「これは何か」「どこで手に入れたのか」「どこがお気に入りか」などをプレゼンします。プレゼンが終わって先生が聞き手の子たちに「質問は?」と尋ねると、次々と質問が出てきます。
 話し手はしっかり準備をし、練習し、プレゼンをして質問に答え、聞き手はよく話を聞き、質問する。双方向の練習によってプレゼン力が鍛えられていきます
 2020年から施行される新しい学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」という学び方が重視され、子どもたちのプレゼンの機会も増えていきます。家庭でのちょっとした習慣も、子どもたちのプレゼン力を育み 、自信につなげることができます。

「プレゼン力」を鍛えるにはどうすればいい?

■食事をしながら対話する
 プレゼン力を磨くには、楽器のように日々練習するのが効果的です。そこで、食事の時間を有効活用します。ごはんを食べながら、「どんな 1日だったか」「いちばん面白かったことは何か」など、テ ーマを決めて話をします。
 「子どもの話の内容がいまひとつ理解できないときは、最後まで聞いてあげてから『こういうことが言いたかったんだよね?』と内容を再確認してあげるといい」と竹内氏は言います。さらに「それ、いいね」や「面白い!」といった相づちを入れると、子どものやる気がアップします。

■しっかり声を出す
 せっかくのプレゼンも聞こえなければ意味がないので、ふだんからしっかり声を出せるように練習しておきます。子どもの声が小さくて話が聞こえないときは聞き流さず、「聞こえないよ〜」と声をかけるようにします。

■目を見て話す
 演説の天才といわれたオバマ前大統領の大統領就任演説は、聴衆への「アイコンタクト」の時間がスピーチ全体の約半分を占めていたといいます。親自身もふだんから子どもの目を見て話したり、聞いたりすることを心がけます。

■「語彙力」を高める
 「プレゼンは語彙が豊富なほうが圧倒的に面白くなる」と竹内氏はいいます。日常の読書習慣などで語彙が豊富になると表現力が高まり、プレゼン力もアップします
 子どもがふだん使わないような熟語や言い回しも、会話の中でたまに投げかけておくと子どもの記憶のどこかには残るので、ときには高めの球を投げることを竹内氏は勧めています。

■「型」を使う
 急に「プレゼンをして」と言われても戸惑ってしまうかもしれませんが、全体の構成に「型」があると話しやすくなるものです 。たとえば、「はじめ」「なか」「まとめ」の型を使って話すと、プレゼンがしやすくなります(67「書く③」参照)。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

section1 その18 「手本」を見せる
〜親も子どもも一緒に成長する〜

 ドロシー・ロー・ノルト博士の『子どもが育つ魔法の言葉』には次のようなくだりがあります。
「子どもはいつも、親の姿を見ています」
「親は子どもにとって、人生で最初に出会う、最も影響力のある『手本』なのです」
「学ぶ」という言葉の語源は「真似る」と同じです。人は赤ちゃんのときから「真似る」力をもっていて、身近な人の真似をしながら社会性を身につけていきます。

「手本」を見せるにはどうすればいい?

■言葉づかいに気をつける
 親がどんなときにどういう言葉づかいをするのか、子どもはよく見ています。
 相手の話を聞かず、一方的に自分の言いたいことばかりを口にしていないか、人を傷つけたり、批判したり、ケンカ腰な言葉づかいをしていないか、「きっとできるよ」というポジティブな表現ではなく、「どうしてこんなことができないの」というネガティブな表現ばかりになっていないか。
 親の言葉づかいは、子どもの言葉づかいだけでなく、心のもちようにも影響します。

■人を尊重する
 家族や近所の人、あるいは見ず知らずの人などに対して親がどのような接し方をしているかも、子どもは観察しています
 道で会ったら挨拶をしているか、お店の人に横柄な言葉づかいをしていないか、立場や肩書きだけで人を評価したり見下したりしていないか、家事に協力せず、パートナーを困らせてはいないか。
 地域や家庭といった身近なコミュニティでの大人の言動は、子どもに大きな影響を与えます。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著


■失敗する姿も見せる
 親が仕事に対して情熱をもち、誰かの役に立ったり誰かの人生に影響を与えている姿を見て、子どもたちは励まされ、勇気づけられます
 同時に、失敗して落ち込んでいるところも包み隠さず、そこからまた立ち直って楽しく生きている姿を見せれば、子どもも失敗を怖がらず、挑戦する心をもち続けられます。

■健康に気を配る
 子どもにバランスのよい食事を食べさせたり、テレビやゲ ーム、スマホなどで夜ふかしするのをやめさせたいと思ったら、親自身がまず実践する必要があります
 健康的な食事やおやつを家族みんなで食べ、親もテレビやゲーム、スマホの時間を減らして散歩したり自転車で出かけたりするなど、外遊びの計画を立てるといいでしょう。

■怒りを静める
 子どもがかんしゃくを起こしたり、イライラして泣き叫んだりしたときは、親はひと呼吸置いて落ち着かせてから話しかけるようにします。
 とはいえ親のほうも、感情にまかせて大きな声をあげ、厳しい言葉を子どもにぶつけてしまうことがあります。そんなときは大人がきちんと非を認めて謝ることも、親として手本を見せるべき大事な言動です。

section1 総まとめ

さて、「コミュニケーション力をつけるには?」というテーマでsection1を全18項目で紹介しました。
皆さんも体験されたことあるかと思いますが「この人、話してて疲れないなぁ」「この人、気付いたら距離縮まってたなぁ」と思う方は、総じてコミュニケーション力が高いのです。そしてコミュニケーション力は才能ではなく努力でいくらでも向上させられます。
そして、子どもの頃に習慣化させられるかどうかは非常に重要で、学力向上にも繋がります。
皆さんの毎日の小さな積み重ねが、お子さんの将来を大きく変えます!
section1で紹介したことを、いつものお子さんとの時間に活用してみてください!

section1の総復習

その1〜3
その4〜6
その7〜9
その10〜12
その13〜15
その16〜18

それでは素敵な1日をお過ごしください。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。

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