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我が子を素敵な大人に育てる方法_section1(全18)13〜15

こんにちは。 

宝くじを買ってないのに「宝くじ当たったらどうしようかなぁ」と考えている、トッププロ家庭教師の酒匂です。

さて、今回は「我が子を素敵な大人に育てる方法」のsection1(13〜15)を紹介します!
※「子育てベスト100」をもとに書いています

※過去記事一覧はこちら

【section1】コミュニケーション力をつけるには?

section1 その13 「感情」をコントロールする
〜コミュニケーションの核となる力〜

 子どもは「湧き起こる感情を他の人にうまく表現すること」、また「他の人の気持ちを理解すること」を成長とともに身につけていく必要があります。
 発達心理学者の渡辺弥生教授は、感情を表現するスキルは、生活の中で家族や友だち、先生とのやりとり、あるいは地域の人々から教えられて学んでいくといいます。
 一昔前までは、たとえば「イヤだ」「苛立たしい」「恥ずかしい」といった気持ちの存在やその言葉の意味、そうした気持ちの調節の仕方を、私たちは周囲の環境から無意識のうちに教わってきました。
 ところが最近では、少子化・核家族化で、地域とのつながりや遊ぶ場所も少なくなってしまったので、子どもたちには意識的にこうした感情のコントロールの仕方を教えていく必要がある、と渡辺教授は指摘します。
 知識はたくさんあるのに、感情が安定しなかったり相手の気持ちをくみとれなかったりするせいで、その能力を生かしきれない大人が増えています。感情のコントロールはコミュニケーションに欠かせない土台であり、さまざまな人と協力し合って生きていくためにも、ぜひ身につけたいスキルです。

うまく「感情」をコントロールするには?

 児童心理学者、ハイム・G・ギノット博士は「子どもたちは肯定的な気持ちになれば、肯定的に行動する。子どもが肯定的な気持ちをもてるように助ける方法は、子どもたちの気持ちを受け入れることだ。いつも気持ちを否定されると、子どもたちは混乱したり激怒したりしかねない。それどころか、自分の気持ちなど知る必要はない──『自分の気持ちなんか信じるな』と、教えていることになる」といっています。
 そこで、ギノット博士のもとで学んだ児童心理学者、フェイバとマズリッシュは、10年にもおよぶ調査の結果、子どもの気持ちを尊重する方法を編み出しました(『子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方大全』)。
 
■注意を傾けて聞く
 誰かに話を聞いてほしい、共感してほしいと思うのは、自分以外の人にその気持ちを知ってもらいたいからです。
 とくに気をつけたいのは、それが否定的な感情の場合です。その気持ちをただ否定したり、道徳的なだけのことを言うと、子どもの気持ちは離れていきます
 そして何よりも、何かをしているついでに口先だけで答えるのではなく、まずは手を休め、子どもに集中して聞いてあげること。フェイバらは「子どもたちが最も必要としているのは、共感しながら“黙って”聞いてくれることだ」といっています(03「子どもの話を聞く」参照)。

■「相づち」で気持ちを認める
「まあ」「ふうん」「あらあら」「ほんと」といった相づちを口にしながら話を聞いてあげると、子どもは自分の考えや気持ちを見つめなおし、自分で解決法を見つけようとします
 そこで問いただされたり、責められたり、あるいはアドバイスされたりすると、子どもはかえって自分の気持ちや問題の本質がわからなくなり、建設的に考えられなくなるとフェイバらは指摘します。

■感情に「ラベル」をつける
 ただ感情をなだめるなどして、子どもの気持ちを無理にどこかへ追いやろうとすると、子どもは余計に混乱します。
 親が子どもの気持ちに対して「イライラするね」「悲しいね」といった言葉で感情の種類を表現する、すなわちラベルをつけてあげると、子どもは自分の内面が見えるようになり、落ち着くことができます
 もちろん、子どもがその言葉に反発することもありますが、フェイバらは、そんなときにはただ共感してうなずきながら、黙ってそばにいてあげることが大切だといっています。

■一緒に空想する
 子どもがないものねだりをするとき、大人は無理な理由を論理的に説明しがちです。しかし子どもは多くの場合、「何をどれだけほしいか」をわかってもらいたいだけなのです「〇〇を出す魔法があったらなぁ」「ここがもし××だったら〜」といった空想の世界を語ってあげると、子どもは気持ちをコントロ ールしやすくなると、フェイバらはいっています。

■感情の強さを 「客観視 」する
 さらに渡辺弥生教授は、自分の感情を数値化する「感情の温度計」を使い、感情の強さを「見える化」して認識させることも、感情のコントロールに役立つといっています。
 たとえば怒りやイライラを感じる際、「大声で怒鳴りたくなる」「モノを壊したくなる」といった感情を10とすると、いまの気持ちはどの程度かを確認させると、子どもは自分の感情を客観視できるようになります。これは「メタ認知」と呼ばれています。
(メタ認知力が低いと非行に走りやすいことも分かっています)
 さらに 、「場所を変える」「深呼吸をする」「水を飲む」といった自分なりの対処の仕方を決めておくと、感情のコントロ ールがしやすくなります。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

section1 その14 「スマホのルール」をつくる
〜依存のリスクから子どもを守る〜

 KDDIが2018年11月に行なった調査によると、小学生の携帯電話やスマホの所有率が、都市部では3年生を境に約半数以上にもなることがわかりました
 2019年2月には文部科学省がこれまでの小・中学校への携帯電話の持ち込み原則禁止の方針を見直すことを明らかにしたので、今後はさらに低年齢化する可能性があります
 ベビーカーに乗った幼児が親のスマホを手に遊んでいる光景は、いまや当たり前になっています。もはや幼い子どもにとっても、スマホは日常と切り離せない存在になりつつあります。

■子ども自身の「判断力」を育てる
 子どもへのICT(情報通信技術)教育に詳しい和歌山大学教職大学院の豊田充崇教授は、スマホやゲームなどを遠ざけたり禁止したりする「制限」よりも、子どもたちの「判断力」を育成することが重要といっています。
 オンラインゲ ームをはじめ、ネット依存の治療と研究に取り組む国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長も、ネットに依存する子どもを一方的に責めたり、親の考えを押しつけたりするのではなく、本人が問題に気づき、変わる意欲をもてるようにうながす接し方が大切と呼びかけています。

「スマホのルール」はどう作ればいい?

■メリット・デメリットについて書き出す
 スマホについて、「友だちと連絡が取りやすい」「わからないことがすぐに調べられる 」といったメリット、「目が悪くなる」「勉強の邪魔になる」「返事がめんどくさい」といったデメリットを、親子で話し合って書き出します
 メリットと思えることでも、じつはデメリットの引き金になっている場合も多いことに気づかせます。

■親子で「利用時間」を決める
 親子でスマホの利用時間を毎日記録してみます。そして、平日と休日に分け、それぞれ「何時から何時までのあいだは使っていいか」「1日の利用時間は何時間にするか」を決めます。
「スマホを使う場所」や「使わない場合の置き場所」は、家族の目が届くところに決めます。
 子どもにはルールを課しつつ親は24時間使い放題という状態だと、子どもはルールを守る気になれないので、親子一緒にル ールを守るようにします。守れなかったときは丸一日使用禁止にするなど、ペナルティもどうするか話し合って決めます。

■「やってはいけないこと」を教える
 以下のようなル ールをきちんと理解させます。
・ネット上に、名前や住所、電話番号、学校名やテスト、通知表など、個人が特定できるような情報は載せない。
・薬物や武器、自殺、暴力、大人向けのサイトは見ない。
・LINEやSNSなどで人の悪口や噂、不満などを書かない 。
・SNSで自分や他の人の個人情報は送らない。



■「取り引き」には応じない
 勉強することと引き換えに時間の延長を要求してきても、応じないようにします。また、親のほうも「ネットの時間を減らしたら〇〇を買ってあげるよ」といったかけひきはNGです。
 一度でも前例ができると 、なしくずし的にルールを破ったり、要求がどんどんエスカレートすることになるからです。
 一方で、少しでも自分なりに管理できるようになれば、積極的にほめてあげることも重要です。

■「フィルタリング」で子どもを守る
 まだルールの内容が完全に理解できない年齢では、ウェブサイトのアクセスを制限したり、アプリをダウンロードできないように設定できるフィルタリングサービスを活用します。
 フィルタリングをかけると使用が限られてしまうので、成長に合わせて制限をゆるやかにしながら、子ども自身の判断力を養っていきます。

■「デジタル・デトックス」のすすめ
 樋口医師によると、一定の時間、スマホやパソコンなどのデジタル機器にまったく触れない「デジタル・デトックス」が注目を集めているそうです。
 デトックスとは「解毒」という意味で、ネットから抜け出してオフライン休暇を取ろうというもの。
 休みの日には親子でスマホやゲーム機を家に置いて自然の中で過ごすと、「五感をフルに使えて、ネットの呪縛から解き放たれる」と樋口医師は勧めています。

■依存気味になったら専門の医療機関へ
 中高生になると、ネット依存で昼夜が逆転し、学校へ行けなくなるというケースも多くあります。
 オンラインゲームには依存させる仕掛けがあり、依存症になると理性をつかさどる脳の前頭前野の機能が低下していきます。この機能が落ちると、衝動や欲求のコントロ ールがますます難しくなるので、やればやるほど悪循環に陥ります。
 2019年には世界保健機関やWHO)が「ゲーム障害」を新たな疾患として認めています。深刻な状態なら、依存症を専門にする精神科を受診しましょう。

section1 その15 「家族会議」を開く
〜子どもと話す機会を作る〜

 最近では、平日は子どもの習い事や親の仕事の都合で忙しいうえに、ようやく週末に一家がそろっても、各々がスマホやゲ ームに気を取られ、家族の会話が少なくなってしまいがちです。子どもに話しかけたところで、を知らない」「わからない」に忘れた」といった返事しか返ってこないと、なかなか話も弾みません。
 こうしたふだんからのコミュニケーション不足は、親子の信頼関係にも影響します。子どもが問題行動を起こすなど困った事態になってから、あわてて本音を聞き出そうとしても、子どもはそう簡単に心を開いてはくれません。
 カリフォルニア大学アーバイン校の臨床児童青年心理学者、ロバート・マイヤ ーズ准教授は、家族の絆を強め、信頼関係を築くために、定期的に「家族会議」を開くことを勧めています。
 家族会議を開くと、自分の気持ちを表現するのが得意ではなかった子どもも少しずつ声を出せるようになり、家族に自分の意見を知ってほしいと思えるようになるといいます。
 家族会議は、お祝いをしたり、感謝し合ったりするなど、家族一緒に幸福感や楽しさを共有する「チームビルディング」の時間でもあります。

「家族会議」はどうやって開けばいい?

■家族全員が集まれる日時にする
 週末の夕食時など、家族みんなが集まれる曜日と時間をあらかじめ決めておきます。
 1週間に一度できると理想的なのですが、難しい場合は1か月に一度でも集まれるとよいでしょう。

■みんなが発言できる質問をする
 家族全員が発言できるような質問をします。進行役を子どもにまかせると、子どもは自分が一人前として認められているように感じ、自尊心がアップします。
 進行役は、たとえば以下のような質問を投げかけたり、答えをうながしたりします。
・今週はどうだった?
・来週はどんな予定?
・来週の目標は?
・家族が私にこんないいことをしてくれた!
・私は家族のためにこんないいことをやった!
・今度行ってみたいところは?
・いま欲しいものは?
・そのほか、家族に話したいこと 、質問やお願い 、ル ール決めや休みの計画など


■家事の分担を決める
 家族は小さなコミュニティであり、子どもも家族というチームに欠かせない戦力です。家族一人ひとりが何の家事を手伝うから話し合って分担します。

■書き出す
 家族一人ひとりの目標やお手伝い、家族みんなが守りたいルールなど、決まったことを紙やホワイトボードに書き出し、「見える化」します。

■最後には「お楽しみ」を準備しておく
 かたくるしい会にしたり、お説教タイムにしてしまっては逆効果です。家族同士でケンカをし、家の中に緊張感が漂っているようなときは、外に出て散歩をしながら話すなど、場所を変えてみます。そして、会議の最後にはみんなが「楽しかった」という気分で終えられるよう、ゲームや料理、映画など、家族一緒の「お楽しみ」を準備しておくとよいでしょう。

今回はここまでです

いかがだったでしょうか。
家族会議はすごくおすすめで、お子さんに「家族会議が楽しみだ」と思わせることがポイントです。要所要所に楽しみを設計してあげましょう。
実際に家族会議をやっている2人のお子さんがいるご家庭(高校生の男の子と中学生の男の子)を知っているのですが、親子関係が非常に良好で、素敵な家族だなぁと感じています。
(家族関係が良好な理由はもちろん家族会議以外にもあると思います)

読んだらすぐ実践!!!

それでは素敵な1日をお過ごしください。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。


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