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資金調達方法の中での株式投資型クラウドファンディング

こんにちは。
マシューと申します。
この度、noteを立ち上げることとしました。

株式投資型クラウドファンディングとは、個人投資家がインターネットを通じて非上場会社の株式を少額から購入するための仕組みです。

今回は、資金調達方法全般について、金融業界に詳しい方へのインタビュー形式でお伝えしたいと思います。

※都合上インタビュー対象の方の名前は伏せていますが、ご了承ください。

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マシュー(Ryo Masui)

メガベンチャーの経営企画 →VCでベンチャー投資 →Fintech事業立ち上げ →経営企画・投資・M&A・新規事業やら何やら
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|これまでの経歴は?

新卒で入社したメガバンクでは法人営業を担当し、担当エリアの企業への融資、運用の提案を行っていました。

6年間上記の業務を担当した後、ベンチャーキャピタルに出向しベンチャー企業の投資業務を担当しました。投資案件のソーシングから投資後の支援まで一貫して行い、ベンチャー企業の成長を支援していました。

4年半の間ベンチャーキャピタル業務を行った後、証券会社に出向し、公開引受部で上場のコンサルティングをしていました。
証券会社には2年半在籍し、その後株式投資型クラウドファンディングの会社へ入社しました。

|ベンチャー企業との接点は?

ベンチャー企業の支援に携わりたくてメガバンクへ入ったのですが、
メガバンクでは担当エリアがベンチャー企業が少ない地域で、また後述しますがメガバンクではベンチャー企業への融資は難しいこともあり、接点はあまりなかったですね。

ベンチャーキャピタル業務では、業種やステージを問わず幅広いベンチャー企業と接点がありました。実際に投資させていただいた案件は時価総額10億円弱から50億円規模のベンチャー企業が多かったです。

証券会社では上場前準備のコンサルティングを行っていたので、IT、メーカー、不動産等様々な業種や規模のベンチャー企業と接してきました。

|銀行、ベンチャーキャピタルの経験から、
資金調達方法について改めてご説明をお願いします。

資金調達方法は、デットとエクイティに分けられます。
まず、デットは融資のことですね。金融機関のプロパー融資、保証協会の保証付き融資、日本政策金融公庫の創業融資等があります。
メガバンクをはじめとした金融機関はどうしても今後の計画よりも過去の実績を重視しますので、メガバンク在籍中もベンチャー企業へのプロパー融資は難しかったです。
特に創業間もない時期は、保証協会の保証付き融資や日本政策金融公庫での創業融資での調達が現実的だと思います。

デットの特徴はエクイティと比較して、以下の点が挙げられます。

・返済が必要、金利負担が発生
・株式を渡す必要がないので、経営への介入がない

特に保証協会の保証付き融資や日本政策金融公庫での創業融資は、資金使途にもよりますが、低利で5年以上の長期での調達が可能なので、資金調達を行う際は活用すべきだと思います。

一方のエクイティは株式による資金調達を指しており、大きく3つの選択肢があります。
①エンジェル投資家
②ベンチャーキャピタル(VC)
③株式投資型クラウドファンディング

それぞれの特徴としては、以下になります。

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①エンジェル投資家
・自身で起業を成功させた人がエンジェル投資家になるケースが多い
・経験に基づいたアドバイスが得られる
・シード期の投資をメインにしており、金額は2000万円以下が多い
・投資の意思決定が早い

②ベンチャーキャピタル
・エンジェル投資家と比べて、投資金額が大きい。1社で億単位の投資が可
 能なVCも増えている
・ファンドの満期があるため、投資後の上場時期への要請は強い
・ベンチャーキャピタルよって、経営への関与やベンチャー企業への支援に
 差がある(例えば銀行系VCは経営への関与度は低く、主な支援内容は銀
 行取引先や自社投資先の紹介)
・事業会社が運営を行う、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)も増
 えている

③株式投資型クラウドファンディング
【起業家】
・1年間で1億円未満の調達が可能
・申込から調達までの期間は1ヶ月から2ヶ月程度
・エクイティでの調達の新しい選択肢(2015年の金融商品取引法改正によって解禁)
【投資家】
・1社あたり50万円まで投資可能
・未上場会社への新しい投資機会

|この中で株式投資型クラウドファンディングについて
詳しく教えてください。

2015年の金融商品取引法改正によって株式投資型クラウドファンディングが解禁され、事業者の参入によって2017年から株式投資型クラウドファンディングは開始されました。
2017年12月末時点では調達総額5.15億円で、2018年12月末時点では調達総額14.7億円となっており、徐々に普及し始めています。市場の拡大に伴って、参入を検討している事業者の数も増えています。

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また、海外では日本以上に普及しており、既に株式投資型クラウドファンディングで調達したベンチャー企業からユニコーン企業も登場しています。
法律の違いはありますが、今後日本でも株式投資型クラウドファンディングからユニコーン企業が登場すると考えております。

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|株式投資型クラウドファンディングのメリットとは?

起業家にとって一番のメリットは、「調達のスピード」ですね。
ベンチャーキャピタルから調達する場合、投資条件の交渉等も行うため調達まで3ヶ月以上かかるケースも多いですが、株式投資型クラウドファンディングでは、調達検討開始後最短1ヶ月で調達が可能です。

株主数が増えることによる管理面の負担を心配される方もいらっしゃいますが、一部の会社では起業家の負担を軽減する仕組みの導入を検討中です。

|最後にひとこと

資金調達に時間がかかること、起業家側も手が取られるので、事業運営の妨げとなります。
株式投資型クラウドファンディングでは、スピード感のある調達を可能にし、起業家は経営に集中することができます。

起業家に新しい資金調達手段を、また投資家に新しい資金運用手段を提供する株式投資型クラウドファンディングの仕組みに魅力を感じ、国内でもっと普及させたいと強く思い、株式投資型クラウドファンディングの会社に入社しました。
まずは、この事業の立ち上げに尽力したいと思います。



今後も資金調達に関する情報等、読んでいただける方の役に立てる情報を定期的に発信していければと思います。

次回もご期待下さい!

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