見出し画像

機電一体型モータとは?日本にとっても期待できるモータ市場とは。

皆さんはものづくりについて知りたいときはどこから情報を仕入れていますか?ネットニュース?YOUTUBE?雑誌?最近だといろんなメディアからいろんな情報が発信されていますが、ものづくりに関する情報は割りとシャットダウンされてるケースが多いです。まだまだ守秘性が高く、情報が民主化されていないのがこの製造業です。

今回は今後やってくるであろうものづくりの民主化に向けて、なるべく最新のものづくりの情報を届けていきたいと思います!

そこで第一回の今日は個人的に興味を持っているEV(電気自動車)関連です。電機自動車の登場によって大きく変革が始まろうとしている自動車業界。特に重要な機能を有するモジュールとして機電一体型モータがよく取り上げられていますね。

今日はその機電一体型モータとはいったいなんなのか?そしてそれは日本の産業にどのような影響をおよぼすのかを説明したいと思います。

そもそもモータは何に使うの?

関節ごとにモータが入っている

工場では誘導モータで施設内の空調ファンを動かしたり、水を循環させるポンプを動かしたり大活躍です。他にもロボットは関節ごとにモータが取り付けられていたりしますね。

ただそれだけではなく、実は身近なところで使われているのがモータです。例えば洗濯機のドラムを回している動力、冷蔵庫のファン、エアコンの送風口の上下など家庭内でも身近ですね。他にも自動車やエスカレータ、電車など動くもののほとんどはモータを動力にしています。

機電一体型モータとは

明電舎の機電一体型モータ
https://www.meidensha.co.jp/news/news_03/news_03_01/1232511_2469.html

それでは『機電一体型』とは何を指すのか?答えは『インバータと減速機(ギア)とモータがセット(一体)になったモジュール』です。

例えば人間の手の動きのようななめらかなロボットを作りたいとしましょう。関節一つ一つにモータが仕込まれており、その回転数を制御することによってなめらかな動作を可能にしています。

インバータと減速機は『なめらかな動作』を可能にするための機能を持っているのです。

ではモータと『なめらかな動作』を可能にする機能が一体になるとどんな効果がうまれてくるのでしょう?それは下の3つの効果です。

①どこにでも埋め込める(省スペース)
②ぬるぬる動く(高精度制御)
③いろんな商品に使える(モジュール)

①どこにでも埋め込める(省スペース)
一体化することで配線や空間を効果的に活用できることで小型化を可能にします。

②ぬるぬる動く(高精度制御)
これもロボットで考えてみましょう。手でスマホのフリック入力をするとき、実はものすごい複雑な動きをしています。小型化されたモータがロボットの手の関節部分に全て組み込まれることで、各関節をきめ細かく制御することが可能になります。それによって人間と同じような動きを実現することが可能となってきます。

③いろんな商品に使える(モジュール)
一体型(モジュール)となっているので例えば5本指にしようと思ったら5個のモータを組み込む。複雑な機構を必要とせずにモジュールとそれを動作させるプログラムさえあれば簡単に任意の動きを再現することができるようになります。つまり、色んな用途の商品を簡単に生み出すことができるということです。

日本にとって期待の産業であるわけ

モータの世界シェアの第一位は日本メーカであるNidec(日本電産)です。そしてその他にも多くの日本メーカがランクインしています。

モータというのはその構造上、非常に精密な製造を必要とします。高性能な機能を高品質に届けるためには非常に高レベルな現場のすり合わせ技術が必要なのです。日本の工場は昔からこの『現場のすり合わせ』が得意な分野だったので今の今までモータが躍進してこれたのでしょう。

そしてそのモータ市場は今後のロボット化やEV化の流れからさらなる市場成長が予測されています。現在の1,000億ドルの市場規模が10年以内に1400億ドル規模にまで成長すると見込まれています。

この流れにのって日本のものづくりを更に上のステージに引っ張って欲しいですね。

リョウ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?