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伊集院静の乳房を読んで

この前ツイッターを巡っていた時に、神保町のシアターで『lie lie lie』を上映するというつぶやきを見ました。

この映画は平成九年に上映された映画なのですが、現在に至るまでDVD化などはされていない映画なのです。それでも主演が佐藤浩市、豊川悦司など、早々たるメンバーが出演されている映画で、私は一回でいいから見たいなーと思っていたところでした。

それで、上映時間などを調べているうちに、タイトルにもなっている『乳房』も映画上映するという情報を入手いたしました。

正直この『乳房』という映画、私まったく知りません。公開されたのも平成五年と、私が生まれる前の映画です。概要欄でどうやら伊集院静の短編小説を原作にしているらしいということは掴みましたが、それ以外はまったくわかりませんでした。

また気になった理由も、非常に下賤な理由にはなりますが、ただただタイトルに魅かれたというだけです。

でもやはり気になるこの『乳房』
いったい何が『乳房』なのだろうと気になって仕方がなく、夜しか眠れませんでした。
夜しか眠れなかった私は、原作が小説だということを頼りにAmazonで探し、速攻でぽちっとしました。

そして昨日届き、読まさせていただきました。


いやもうね、神ですよ。
ネタばれはしたくありませんが、概要だけ言うと『病気を患った妻と、それを看病する夫』のお話です。小説と映画の概要で少し違ってはいますが、大筋はこんな感じです。

この映画はまだ公開前なので、私は原作を先に読みました。
もうね、感動しました。感動といっていいのかわかりませんが、それに近い感情を抱きました。そして私の目指すべき(?)到達点の一つかもしれないとさえ思いました。

この小説は先も言いましたように短編で、約30頁ほどのボリュームしかありません。でもものすごく読みごたえがありました。短編小説とはこう書くのだ、と再認識させられたといっても過言ではありません。
とにかく起承転結すべてにおいて「早く次が読みたい……次を読ませろ!」
って私はなりました。

また伏線回収がとても綺麗でした。一文一文に無駄がないといいますか、ああ、ここにつながってくるのねの連続で飽きが来ません。タイトルの意味も分かると涙物です。

短編なのでそこまで時間をかけずに読めるというのも良かった気がします。
短編だからこそ出せる味が所せましに詰まっていましたし、短編だからこそ出せる感動やスピード感も半端ではありません。

今も私はこれを読んだ勢いでこの記事を書いています。それぐらいいい作品でした。タイトルに魅かれた自分をぶん殴ってやりたいぐらいです。✊😤

映画のほうも七月に上映らしいので、いまから公開が楽しみで仕方がありません。(チケット取れるといいなあ~)


原作でも映画でも、読んでない方は是非一読ください。
とてもいい作品です!

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