6月定例会での一般質問について・前編

ここでは6月定例会で行った一般質問について書こうと思います。
私は6月の一般質問の最後に
「これを町民に見せたら大変なことになりますよ」と町側に指摘しました。
しかし、時間が足りず「どう大変なのか」がいまいち説明不足でした。
なので、ここでそんな解説と、そもそもテーマとして扱った
「総合計画」や「実施計画書」自体についても、
自分の解釈ですが説明していきます。

今回のテーマ、正式な表題は
「真鶴町第5次総合計画実施計画書について」です。

計画という言葉がダブってることにすこーし違和感ありますが
これが正式名称なのです。
「真鶴町」における「第5次総合計画」を「実施」する為の「計画書」なので、間違い無いです。

第5次総合計画はこちらでご覧になれます。
https://www.town.manazuru.kanagawa.jp/soshiki/kikaku/kikakujoho/1644.html

序章・その計画書とは一体なんぞや

なんとなく総合計画とかグランドデザインとか、
いろんな自治体でよく聞く名前かと思います。
まずはそもそも論の総合計画とその実施のための計画がなんなのか、
少し噛み砕いて解説します。

かつての「基本構想策定義務」

総合計画は簡単に表すと下の図のようになっています。

総合計画の枠組み

上に基本構想があって、基本計画があって、最後に実施計画書があります。
この三階層の構造が「総合計画」です。
なんとなくですが、民間に例えると上から
「経営理念」
「経営ビジョン」
「経営戦略」
「経営課題・目標」
「行動計画」
なんかがピラミッド上になっている図が
「中長期経営計画策定手法」なんかで出てきます。
中身を考えても共通点は多いので、そんな感覚で見ていただければと思います。

さて、これは真鶴町だけではなく他の自治体においても似たようなピラミッド構造をしている場所が多くあります。
なぜかというと、平成23年まではピラミッドの上、「基本構想」の策定が自治法によって義務付けられていました。
基本構想を作ってその後のピラミッド構造は義務づけではないものの、
共通のやり方があり、今もそれを多くの自治体で踏襲しています。
真鶴町もその一つです。

この辺の解説はこの記事がわかりやすいのでもしよかったらご覧ください。

「真鶴町第5次総合計画」とは

では真鶴町の総合計画を見ていきます。
冒頭の「計画の特徴」にこんなことが書いてあります。
(以下は先程のリンク、第5次総合計画より引用、一部省略です)

【総合的な計画】
この計画は、真鶴町のまちづくりを進めるにあたって最も基本となる計画です。
〜中略〜
【みんなが活用する計画】
この計画は、まちづくりの羅針盤ですから、町民、町民の代表である議員、そして町職員が 必要なときにいつでも読める計画である必要があります。
〜中略〜
【PDCAが機能する計画】
この計画は、計画して終わりではなく、施策や事業を展開することによって生じる成果や課 題を踏まえ、PDCAサイクル*によって一層効果的な取り組みを推進することが必要です。
〜以下略〜

https://www.town.manazuru.kanagawa.jp/material/files/group/12/sougoukeikakuhonepen.pdf

今回私が一般質問で疑問を持って特に切り込んだのは
「みんなが活用する」「PDCAが機能する」の2つです。
その詳細は後ほど書くとして、まずは町としてもこの総合計画が
以下に重要なものと解釈しているか、という点はおわかりいただけると思います。

総合計画は「いい塩梅で」町のいく先がわかる

町が今後どうなっていくのか。
というのは、粒度の差はあれど至る所で議論されています。

一番大枠で分かり易いのはビジョンです。
例えばもっとも大きな粒の荒さでそれが現れるのは「選挙」の時です。
「町をこうしたい、こうあるべきだ」というのは、
選挙活動の時に演説や広報や、チラシなどにそれぞれの主張がなされます。

これは、選挙を経て政治家として活動する一人として
反省している点でもあるのですが、具体的にどんな活動に落とし込まれていくかというのがわからない。

そんな時に、この総合計画は8年間という期間の中における
町の進む方向というのが記載されているもので、
ビジョンよりも具体的に書いてあります。

そしてもう一個。
3月に予算、9月に決算で細かく事業単位で
町の行動と呼べる部分が審議されます。
しかし、議員となる前にその様子を見ていて大変分かりづらかった。
予算書には事業名と金額が載っているだけです。
議員になってみればある程度わかるし職員からの補足説明や
質問の機会があるものの、「見てる人にはわかりづらいだろうな」
という感想は変わりません。

そんな時に、この「総合計画」の「実施計画書」であれば、
各事業の概要や課題、実施状況などがわかります。

つまり、ビジョンをもう少し細かく具体的にしたものプラス
事業もわかりやすく見ることができる。
あるべき姿としては町民の方達にもっともわかりやすく
行政の現在地と行く先をわかってもらえる資料(のはず)なのです。

なぜ一般質問でテーマにしようと思ったのか

さて、ではわざわざそれをなぜ一般質問でぶつけようかと思ったか。
それは以前の質問や予算審議の委員会などで
変える必要性を職員も私も感じつつ、
それでも変えられないという事柄に対し
「なぜですか」と問うと「総合計画で定められているからです」
という答えを貰うことが複数回あったからです。
そこから総合計画に着目しその重要性を再認識しました。

なぜ「総合計画実施計画書」の方なのか

ここまでは総合計画がどれだけ大事なものか、という説明でした。
では何故、その本体ではなく実施計画書の方を一般質問で扱うのか。
総合計画というのは突き詰めていけば町長のビジョンである気がします。
つまりは町長が「町をこうしたい、こうあるべきだ」と主張し、
町民が選んだ結果です。
(ご存知の通り真鶴町では町長選は色々ありましたが、この総合計画は2021年3月にできているので民意を反映していると、個人的には思っています)

その計画自体に対して議論をしても行き着く先は
町長と私のビジョンの違いに終始してしまいます。
これではあまり「一般質問をすることによって何かがよくなる」
という効果が期待できない。

町民が選択したビジョンに沿って町は正しく動いているのか、
総合計画前期4年のうち2年が終わった今、それが重要なわけです。
こうなると、総合計画における実施状況が記された書類が毎年4月に議員には配られています。
それこそがまさに「実施計画書」というわけです。

さて、ここまでがこの計画の建前と前置きです。
次回は、実際の一般質問にてわかった課題と、
どうすれば上手くいくのかについて、投稿します。

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