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議会だより制作はつらいよ

先の定例会は6/15で閉会となりました。
が、しかし個人的にはこの閉会直後が一番作業的にしんどかったりします。
何かというと、議会だよりの編集作業です。
(直近の血と汗の結晶をここに載せておきます)
https://www.town.manazuru.kanagawa.jp/material/files/group/38/gikaidayori83.pdf

議会だよりってどんな作業をするの?

議会だよりの作業スケジュールは中々にハードです。
まずゴールとして今は定例会開催月の翌々月1日に発刊するのが基本です。
なので、6月議会分は8/1の発刊となります。

そうなると閉会したその日に休まず一発目の編集会議があります。
まずそこでは、ページの割り振り、各ページの担当や編集長を誰にするか、特集記事や裏表紙のトピックス、表紙写真を何にするかなどを話し合います。
ちなみに、実際に広報委員が原稿を書くものとしては
「特集記事」「トピックス」「本会議質疑」などです。
その他一般質問を行なった議員がそれぞれ決められた文字数で原稿に、
委員会報告などは各委員会の委員長が作成します。

作業はどう進んでいくか

今回の例でいくと基本的に最初の原稿締め切りは10日後、
そこから編集長が各担当から上がってきた原稿をまとめてチェックし、
一個に合わせて執行部へ一週間でのチェックをお願いします。
その後作業部会を開き、執行部チェックを確認してまたそこでの校正などを経て5日後には印刷会社さんへ入稿となります。
30日かからずに作業を行わないと、翌々月の1日に皆さんのお手元に届けられないのです。

なんでハードか

真鶴町では予算がないので原稿執筆、編集は広報委員に所属する議員が担当しています。
例えば、これは私の場合になってしまうのですが
私は今週5日、1日8時間で働いているというのは以前もどこかで触れたと思います。
基本的に本会議やその合間に開催される各種委員会に出席する際は半日ないし1日の休みをとっている中で、本会議終了後は遅れを取り戻すためにある程度残業などして対応しています。
加えて、議員個人としての広報活動も行なっています(このnoteの執筆などもそのひとつです)。
となると、そもそも作業時間の確保が大変になってきます。

作業自体の難しさ ー平等性ー

これも、真鶴町の議会だより作り、というか議会の特色になるかもしれませんが、
例えば他の議会を見たときに「会派」なんて言葉を聞いたことがありませんか。
ある程度考えや志が同じ議員同士で組むものが会派になります。
会派がある議会では、各会派から少なくとも一人はこういった広報を行う委員に選出がされます。
つまり、各会派の代表が一人いるからその会派の意向や伝えたいことの反映という平等性は担保できるという考え方です。
しかし、真鶴町には現在会派はありません。
議会としての広報ですので、発言のピックアップに偏りがあってはいけません。
数えるくらいしかない会派と定数全部に対しの偏りは母数が違います。

そんな中でページ数も限られてきます。
となってくると、いちばんしんどい作業は質疑の要約です。
要約などする際は議員間でなるべく平等な発言数や文字数になるように、そして行政の事柄を扱うのだから正確性を持たなければならないとなると、慣れてないころは本当に大変な作業でした。
いや、慣れた今でも大変な作業です。

作業の難しさ ーバイアスの存在ー

また、平等性にいくら気をつけたところで編集している人間の主観はどうやっても入ります。
ここだけの話「いくら平等性のためとはいえ、これを載せて町の人に見せてもなんの意味もなくないか」と思うことがあります。
反面「すごいいい質疑だ、町の人にも見てもらいたい。だけどこれを載せると掲載される議員が偏ってしまう」となって泣く泣く削ることもあります。
時間がないので徹夜で作業なんかしてるとふと、
自分が作っているものに対し何をしてるんだと、ひたすら虚しくなることもあります。
もちろん、その良し悪しだって各議員によって違うと思いますし、良し悪しが違うってことが議員の定数が複数ある意味だともわかっています。
しかし、当事者の一人がやること自体が無理がある作業なのは確かです。
最近では、苦情が来ない程度で匙加減というか、平等と見ていただいた方に議会の様子が伝わるように、バランスを見てやっています。
ただ、普通に原稿を書くより時間を要する作業にはなります。

作業の難しさ ー3ヶ月の45分を半ページはまじで無理ー

また、一般質問の原稿もやっていて難しい作業です。
一般質問の機会は3ヶ月に一度で、私の場合いつも複数題質問し、
いつも持ち時間45分でいっぱい使います。
というか、足りないでいつも途中打ち切りのような格好です。

3ヶ月必死に考えて、それを無理くり45分に詰め込んで、
さらに議会だよりではそれを半ページにまとめよ。
「まじで無理」と原稿執筆用のノートパソコンを閉じては
それでも締め切りがあるから開いてを繰り返してなんとか作っていました。
ただ、だからと言って自分のホームページに誘導するわけにも行きません。
なので最初はうまく行った一般質問ほどその意味を薄めているようで、
原稿を書くのはやっていてすごく嫌な作業でした。

最近これについては裏技を発明しました。
ピックアップしたい所だけ書き出してあとは「その他〜〜についても質問しました」とまとめてしまうというものです。
他自治体の議会だよりを見ていたらこんな書き方があり、しれっとやってみたら誰にも注意されなかったので今も続けています。
怒られたら、また別の抜け道を考えます。

それでも議会だよりを一生懸命やる理由

ここまで、非常に後ろ向きな発言ばかりしてきましたが、毎度広報委員ではなるべく各自の負担が少なくなる方法を模索して、
ああしましょ、こうしましょとわーわー騒いでいます。
委員長にはご迷惑かけて申し訳ないと思っています。
それでも騒ぎますけど。

原稿も徹夜してでも必死に書いています。
本当に意味がないとなったら意地でもやらない人間です。
なんで一生懸命やるかといえば、明らかにこの議会だよりが真鶴町政を理解するための唯一の手段、もしくは重要な手段にしている方がたくさんいるのが身をもってわかっているからです。
お声がけもいただくこともあります。

じゃあどうするべきか

なので、私は議会だよりの編集作業を費用をかけて外注化することを提唱しています。
今の作業ボリュームでは議会だより以外の広報をする余裕はありません。
私でいえば個人の広報も削っている側面があります。
議員のなり手不足が叫ばれますが、給与以上にこういった事務負担が原因の一つだと考えています。
なんとか解消する必要があります。

議会だよりを外注化するメリットはもう一つあります。
要約などを行う人が完全に利害関係の外においてこそ、平等性は上がりますし、プロが行えば読みやすさ、見易さなども担保できます。
私自身、お恥ずかしながらチェックをしても誤字脱字をスルーしてしまうことが多々あります。

実は今、編集長を担当しているのですが、発行に至るまで各所のコンセンサスを取るのがすごく大変です。
正直文章の正誤もさることながら、そこまで行くと各々の作家性とも言えるんじゃないのと思える作業する同士の意見の相違もあったりします。
ますます利害関係者以外が作成を行うメリットを感じています。

ただし、議会にかかる費用総額は変わるべきではありません。
そのために議員定数を減らすことをあわせて提言しています。
最近この議論行われていないので、早期に再開できるようにします。

他にも議会だよりのあり方とか、議会だより以外の広報とか、
書きたいことは山ほどあるんですがまた別の機会とします。

ここまで書いといてなんですが、ご覧の通り結構苦労して作ってますのでぜひ手に取っていただけると嬉しいです。
そして、ご意見いただけると幸いです。
ちなみにこれを書いたきっかけは、まだ真鶴駅に議会だよりが余っていたことでした。
通勤、通学のお供に12ページで読みやすくなっておりますのでぜひお気軽にお手に取ってみてください。

お読みいただきありがとうございました。

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