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『Humble consulting(謙虚なコンサルティング)』を読んで謙虚にコンサルタント

フリーランスでお仕事をしているいくつかの柱の一つが事業所さん向けのコンサルテーションになります。
個人的には好きなお仕事の一つなのですが、その際の僕自身の向き合い方などについてきちんと言語化していなかったなと思って。
なので今回は、あらためてですが言葉で表現してみることにしました。

その際に、これまで参考にした書籍
『謙虚なコンサルティング』についても触れたいと思います。


『謙虚なコンサルティング』

例によって細かい書評ではないので、概要だけですが。
MITスローン経営大学院名誉教授であるエドガー・H・シャインさんの著書です。
英語名は『Humble Consulting How to Provide Real Help Faster』

コンサルタントの関わりによって相手が

問題の複雑さと厄介さを理解し、
その場しのぎの対応や反射的な行動をやめて、
本当の現実に対処すること

が本当の支援であると著者のシャインさんは語っています。

共感的に向き合うこと
そして自分を偽らないで、ありのままでいることが重要。
ここは僕もとても同意するところですし、心がけているところかなと思います。


その上で、結論として、相手が本当に向き合うべき現実と向き合うサポートをすることかなと。

クライエントの言っていることをただ実現するために動くことが正解ではないのかなと(非常に迷いつつ)個人的には考えています。


3つのC

ちなみに本文の中には、3つのCが大切だと言われていて。

力になりたいという積極的な気持ち(commitment)
クライアントに対する思いやり(caring)
好奇心(curiosity)

とりわけ真摯な好奇心が重要で。
誠実さをもって自然と沸き起こってくる相手に対する好奇心ほど重要なものはないということでした。

ここはこれまで培ったソーシャルワーカーとしての経験がとても生きるなと感じるわけです。

コンサルタントはパートナー兼、支援者としての立場です。

対象者に対して向き合う姿勢は一緒なわけです。
ほんと、ソーシャルワーカーみたいですよね。

自然と傾聴の姿勢をもつし、ディスカッションというよりダイアローグという感じ。
これまでの経験も今の働き方にとても役立っているわけです。


また、対話を通じて共に未来を描いていくのは、ソーシャルワーカーの個別支援と共通点も多いと思います。

個別ケースに関わる上でも、こちらが未来を予測しすぎないことが大切です。
主体は誰なのかということ、こちらが出しゃばりすぎて、時間は短くできたとしても、本人の中で再現性のないものになってしまう恐れがあります。

時間はかかってもその人が自分の力で描いていくこと、それを手伝うスタンスでいたいと思っていて。
またそれも、著者のシャインさんも語っている内容でした。

「未来を予測してはいけないこと、原因として影響を及ぼしているかもしれない力について予想をしてはならないことだった。」と。

そもそもこちらの描く未来が正しいなんて保証は全くないわけですし。
そこも謙虚にいきたいです。


クライアントは誰だ問題

コンサルテーションをする係をしていて、非常に悩むことがあります。

それが、僕は果たして何を軸にお仕事をするのか、という点です。
もちろん依頼者がクライアントであり、そこから対価をいただくので、結論は明確な場合が多いですが

でも、細かく仕様書を作ることで回避できる内容ではない、少々複雑なものがあったりします。

仕事を通じて関わる人たち(多くはその事業所でお仕事されている従業員、お一人お一人の自己実現であったり、幸せを考えた場合に、自分自身の行動に迷いが出てくることがあります。

コンサルなのだから、クライアントの意向を最優先にするというのは、当たり前だしそれがプロだろとお叱りを受けるとは思うのですが。

本文中にシャインさんも
「組織にとっての最良が、私がコーチングしている人にとっても最良であるとは限らなかった」
と書いています。

常に迷い、結論が出にくいことではありますが。

この点については、最終的には、僕自身の価値観を大切にして、決断をしたいと考えています。

自分の中のビジョンを大切に。

そのビジョンに沿った共感できるゴールを共に描けるクライアントと共にお仕事をしていくこと。

もちろんまだまだ未熟で、試行錯誤の連続ではあるのですが、引き続き謙虚さを意識して、活動していこうと思っています。


今日はこれくらいで、ありがとうございます。

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