「UI/UXを考える」とはどういうことか
はじめに
私は、普段エンジニアとして働いていますが、提供しているサービスのUI/UXを考えることも私の仕事の1つです。
UI/UXの重要性の認識され始めている今、UI/UXやデザインの原理・原則に立ち返り、改めて「UI/UXを考える」ということについて、考えてみました。
原理・原則
UI/UXに関する原理・原則は数多くあると思うのですが、UI/UXに携わる多くの人が学んでいるであろう、有名な3つの原則を改めておさらいしました。
以下、簡単に紹介します。
1.デザインの7原則(ドナルド・ノーマン)
認知科学者のドナルド・ノーマンが、著書の「誰のためのデザイン」で提唱しているデザインの原則です。
- 外界と頭脳の両方にある知識を利用する
- 作業の構造を単純化する
- 対象の見える化をする
- 正しい対応付けをする
- 制約の力を利用する
- エラーに備えたデザインをする
- 上の原則がすべてうまくいかない場合は標準化する
2.インターフェースデザインの8つの黄金律(ベン・シュナイダーマン)
コンピューター科学者であるベン・シュナイダーマンが、著書の「ユーザーインターフェースの設計」において、提唱している原則です。
- 一貫性を持たせる
- ショートカットを用意する
- 有益なフィードバックを行う
- 推測をさせない
- エラー処理をする
- やり直しができるようにする
- 内部的要因思考を促す
- 記憶負荷を軽減させる
3.ユーザビリティ10原則(ヤコブ・ニールセン)
ユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセンが提唱している原則です。
- システム状態を示す
- システムと実世界をマッチさせる
- 自由を許す
- 一貫性と標準化を行う
- エラーを防止する
- 記憶負荷を軽減させる
- ユーザ別インターフェースを用意する
- 最小限のデザインにする
- エラー処理をする
- ヘルプとドキュメントを用意する
原則・原則を振り返って思ったこと
結局、どの原則が示すのも「ユーザーが困らないようにしよう」に帰結します。
つまり、「ユーザーフレンドリーなUI/UXにしよう」ということ。
しかし、それでは何も解決しないので、もう少し落とし込む必要があるね、
ということから、原則や黄金律として、「頻出パターン」がまとめられたのだと思います。
すべては、ユーザーフレンドリーにするための原則であることを忘れてはいけません。原則に捕らわれて、本末転倒になる例はよくあります。(自戒)
そして上記にあげた3つの原則(黄金律)を私なりに要約するとこうなりました。
「ユーザーに負荷を与えないようにしよう。負荷というのは、記憶負荷、判断負荷、作業の負荷である。つまり、(ユーザーが)記憶に頼らず、判断に迷うこともなく、そして、余計な作業なく目的を達することができるデザインを考えよう。」
だとすると、
- ユーザーは誰なのか
- ユーザーの目的は何なのか
これらを最初に明確にすることが必須になります。
これらが明確になって初めて、ワイヤーフレームやプロトタイプなどが作れ、それができれば、ユーザーテストやアンケートが行えます。
ここまでくると、
- ユーザーが目的を達するための負担は何か
を観測することができるようになります。
この時に、上にあげた原則を参考にすると、
- 記憶負荷
- 判断負荷
- 作業負荷
という3つの観点を持って、観測を行うことができると思います。
そしてユーザーの負荷を観測出来れば、負荷の除去を図ることができます。この段階にくることで、UI/UXの知識が活きてきます。いくつかの色彩の法則、黄金比の活用や、心理学的視点もここで活きる知識です。
逆に言うと、この段階より前に、これらの知識を持ち込むのは大体の場合、時期尚早だと思ってます。
まとめ
長くなりましたが、言いたかったことは、
原理・原則に立ち返って考えても、UI/UXを考えるうえで大事なのは
「ユーザーのためのUI/UX(やデザイン)である」ということです。
せっかく興味を持って、時間を割いて学んだ知識なので、正しいポイントで使えるようになりたいですね。
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