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つい他人を優先してしまう優しい人の仕事術【Todo編】

逆算思考が流行っているけれど、計画を立ててもうまくいかない、そもそも計画を立てるのが苦手…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

できない自分を責めてしまいがちですが、必ずしも、自分の能力や意思の弱さだけのせいではないように思います。

もちろん、作業時間の見積もりが甘い……ということもあるでしょう。でも、よく観察してみると、実は第三者(ご家族やペットも含む)からの、ちょっとした中断が異常に多いということもあります。

この時期、カフェに行くなどの「ひとり時間」を確保することが難しい状況にある人もいらっしゃると思います。

そこで、私が実践している、ひとり時間がつくりにくい人のための仕事術をご紹介したいと思います。(タイトルを見て、自分のことが優しい人だと思っているのかしら?というツッコミは無しで)


基本的な原因と対策

時間を効率的に使えない基本的な原因は、「次に何をするのか」が明確ではないから。次に…というより、「今、この瞬間に何をするのか」の方が正確かもしれません。

そんなバカな…と思われるかもしれませんが、作業中に電話がかかってくるとか、お手洗いに行って戻ってくるとか、ペットが甘えてくるとか(?)、ほぼ不可抗力によって、作業が中断してしまい、そこから戻る瞬間。

その瞬間(つなぎ目)に、罠があると思うのです。上記のような感じで中断した場合、うっかり、メールを見てしまう、床の汚れが氣になって掃除を始めてしまう、ペットと遊んでしまう…なんてことは、割と笑えないレベルで起こりうるのです。

ですから、基本的な問題としては、以下の2点だと考えています。

■ 不可抗力によって頻繁に中断してしまう
■ 今、この瞬間に何をすべきかが分からなくなる

自分の意志力に頼らずに、この2点が起こりにくい仕組みを作れば、比較的スムーズに仕事が進むはずです。せめて、中断しても、サッと戻れる体制が整うだけでも、仕事の流れが変わるに違いありません。

そのために、私が使っている基本メソッド(方法論)は以下の2つ。

■ GTD(Getting Things Done)→ 参考サイト(browndots.net
■ アイビー・リー・メソッド → 参考サイト(studyhacker.net

それぞれの詳細は、上記の参考サイトの説明をご覧いただくことにして、ここでは省略させていただきます。これらを“活用していく”方法論なので、今の時点で、これらの詳細がわからなくても、大丈夫です。


常に「今やること」を明確にする

根本的には、不可抗力による作業の中断が多く、そこが”隙(すき)”となって、集中力が続かない…という状態が問題なのです。でも、中断が避けられないならば、まずは中断からの復帰を早めるのが近道だと私は思っています。

まずは、どんな中断にあっても、常に「今やること」がわかる状態を作っていきます。そのために、わたしは「remember the milk」というツールを使っています。(以下の画像は公式サイトから拝借)

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ツールは何でも結構です。なんなら、大学ノート+付箋でも大丈夫です。わたしがこのツールを使っているのは、牛さんマークがかわいいから(動機が不純)。身近なところに、こんなわんわんが居るので、白と黒に愛着が。

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ボストンテリアのがっつさんとぷっちさんです。かわいー。

さて、手順です。

GTD(Getting Things Done)を駆使する

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1 やることを集める
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仕事が中断する/しない以前に、頭の中だけで「やること」をまとめるというのは、無理があります。なので、まず、頭の中を空っぽにするために、公私をわけず「やること」を羅列していきます。

ポイントは、とにかく機械的に出していくことと、「コップを片付ける」みたいな、どうでも良いけど、一応、やること…みたいな細かいことも書くことです。

「remember the milk」であれば、ただひたすらに入力していく感じですね(期限とかもあまり氣にしない)。ノートに書き並べていくのでも良いと思います。


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2 羅列した「やること」のうち、2~3分で終わるものを終わらせる
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意外とパッと終わるものを先延ばしにしていることって多いと思います。やることを集めていると、「あれ? これってリスト化している間に、終わらせた方が早くない?」みたいなことも出てきます。

ただ、はじめて、この仕組み(GTD)を活用する際は、とにかく「やること」を集めることに集中すべきです。すぐに終わるからといって、それに手を付けてしまうと、まさかの自分で作業を中断させる原因を作っているという、本末転倒な状態になりますよね。

手順1をやりきったあとは、「2分ルール」というものを設け、すぐに終わるものは終わらせるという”習慣”を作るという感じです。

「5分ルール」でも良いのでは? という感じもしますが、個人的には5分くらいかかるようなものは、意外とその作業そのものに引っ張られて、元に戻れない(集中から外れる)感じがするので、2分くらいで終わるっていう感覚は重要だと思っています。


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3 2分で終わらない「やること」をグループ分け(リスト化)する
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公私ともに、すぐに終わらない「やること」が目の前に並んでいます。これをリストに分ける作業をします。どこから手をつけようかな…という”悩む”時間が、中断を生む原因でもあるので。

わたしの分け方は、このような感じです。

■ プロジェクト(または取引先)ごとに分ける
■ ルーチン作業
■ 勉強すること
■ 私用・雑用

最初は、とにかく頭の中を空っぽにするために、公私分けずに…という感じでしたが、出したあとに、プロジェクトでわけた感じです。最初から分ければ良いのでは…と思われるかと思いますが、わたし個人は、出すなら出すと決めた方が出やすい感覚があります。


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4 「やること」をできるだけ細かくする
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たとえば、「やること」に、「ホームページをつくる」というような、壮大な(粗いとも言う)やることがあったとします。

これだと、壮大すぎて、「はて、どこから手を付けたものか…」という、またもや中断を生む原因を作ることになるので、工程をできるだけ細かく「やること」に分解していきます。

ここでのポイントは、アイデアなどを「考える仕事」と「単に作業するだけの仕事」とは、明確にわけることです。

これはまた別途記事にしたいところですが、原則として、作業というのは、「仮説を立てる」→「仮説をもとに情報を集める」→「情報をまとめる」→「具体的なカタチにしていく」という流れがあると考えています。

このうち、「仮説を立てる」と「情報をまとめる」は、クリエイティブな作業なので(頭を使う仕事)、成果とかけた時間が必ずしも比例しないことがあります。なので、同じ「やること」であっても、別物と考えるべきと思います。


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5 限定条件の印(タグ)をつける
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「やること」をよく見ると、作業をするのに、条件が伴うものがあるということに氣が付きます。その条件とは、概ね以下の4つです。

■ 作業する場所が限定される
■ 作業する時間が限定される
■ 相手の都合、決裁を待たないと進まない
■ いつかやるけど、緊急性がまったくない

これを踏まえ、以下のタグをつくり、条件に合うものを付けておきます。

場所指定:
@会社,@電車,@お家…など。わたしは移動範囲が少ないので単に「場所指定」で意識している。

日時指定:
スケジュール帳があれば、そこに書き込む。その日しかできない「やること」。

連絡待ち:
こちらでできることは全部やって、相手次第…という状態になった「やること」

あとでやる:
直近1ヵ月を目途に、その期間にはやらない「やること」

隙間時間:
たまたま、ちょこっと空いた時間でできる「やること」

ここまで来ると、なんとなく自分の抱えている「やること」の全体像が見えてくると思います。


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6 「やること」の日程が決まっていないものを洗い出す
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仕事において、「納期」と「やり始める」のは、当然別物です。もちろん、相手方の「納期」によって、作業をやり始める優先順位が変わってくることには違いないのですが、個人でかつ小規模で仕事をしていく場合、納品や確認が早いに越したことはないのです。

「やること」の日程を、納期から逆算して決めることが多いように思いますが、個人の場合は、まず「やり始める」方が重要だと私は思います。

なので、「やること」のやり始める日程が決まっていないものを、すべて洗い出します。

機械的に抽出するとすれば、リスト化した中の「ルーチンワーク」「勉強すること」以外で、かつ、タグ「あとでやる」「連絡待ち」「隙間時間」以外ということですね。

「remember the milk」であれば“スマートリスト”機能を使い、上記の条件で検索をかけるものを作っておけば、OKです。


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7 やり始める日程を決める
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計画どおり、できる/できないを別として(あまり深く考えないで)、やり始める日程を決めていきます。

このとき、相手方の「納期」とともに、参考にしたいのが「月の満ち欠け」です。これについては次回、noteの記事にし、数日以内に公開します。

すべての「やること」に日程が決まれば、「今日」やることが、はっきりするはずです。

…で。

ここで満足したいところですが、これだけでは意外と「中断」に勝てないのです。

理由としては、今日「やること」リストは、いわゆるToDoリストになっているのですが、「行動の自然な流れを表現できない」という構造上の欠陥があるからですね。行動の連続性が途切れるところで、例によって中断を生むわけです。

また、これと別に、今日「やること」が、意外とたくさんある…ということです。今日、どれからやろうかな…という罠ですね。

わたしの場合は、あまり移動することがないので、ここで「アイビーリーメソッド」を活用します。


アイビー・リー・メソッドを駆使する

アイビー・リー・メソッドの詳しいことは、前述の参考サイト(こちら)をご覧いただくことにして、これをどう活用するかについて述べます。

本当に簡単に言うと、ToDoリストを作って、それを順番にこなしていくということ。ポイントは、順番を追い越さないということ。

要するに、優先順位を作って、何があっても1番から始めることによって、今、この瞬間に「やること」が終わるまでブレないということ。

これだけ? と思われるかもしれませんが、中断から戻った際に「今日のやることリスト」を見るのと、優先順位が整ったものを見るのとでは、全然違います。

さらに。

わたしのような意志力に欠けている…というか、注意力が散漫な人は、優先順位が整っているだけでは、ダメなんですね。

リスト上に、今日やることが「見えている」から。1番目をやりつつ、3番目のことが氣になったりするのです。

では、どうするか。ひとつひとつに「付箋」で分解し、それを重ねていきます。めくらないと、次が見えない状態にするということですね。

この付箋を、常に見える場所に置いておくことによって、やっと中断からの復帰が早くなるのです。こ、ここまで長かった…。


まとめと予告

文章にすると長くなりますが、やってみると、そんなに複雑ではないハズです。ただ、やってみないとわからないことは多いかと思います。

ここまで読んだだけだと、ある程度進めるのかな…と思うのですが、実は重要なのは、見返すということ。リストを作ったまま…という方も多いと思うのです。

それで、見直す手順をある程度機械的に進められる方法として、「月の満ち欠け」を味方につけています。その方法を次回、ご案内したいと思います。

誰かのお役に立てれば、嬉しく思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


参考文献

もっと詳しいことを知りたい方は、ぜひこちらの本を。多くのことを学ばせていただきました。心からお礼申し上げます。



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