古書店丁稚の迷走記│回想記7
ここ最近、「普段、どんな仕事をされているんですか」と聞かれる機会が多いのですが、明確に答えられなくて、情けないことになっています。要するに、自分がどういう価値提供ができるのか言語化できていないということですね。
一方で、開店休業状態の家業、甲陽書房の復活を目指してチャレンジした古書店の立ち上げの経験については、別のカタチで活かす機会がやってきそうな感覚があります。
1ヵ月くらい前にはじめた、10年くらい前の経験を振り返る「自分語り」シリーズ。自分のルーツをまとめ、今後に活かすために、完全に失敗して断念したところまで、あと何日かにわけて書ききっておこうと思います。これまでのものはマガジンにまとめました。(自分のために)
次のステップへいくための、自分なりの儀式だと思ってください。
……ということで。
前回は、ネット古書店における、出品作業について書きました。
そう、もはや作業。作業ですから、当時、いかに効率よく、美しく出品していくか……ということに情熱を傾けてしまいました。
別に差別化とか、そういうことは考えていなかったですが。
タイトル等でしか検索されず、ほかの店舗と並んだ時に、値段以外で差別するのは、写真と詳しい説明以外になかった(できなかった)んですね。
なので、綺麗に写真を撮り(結果的に、スキャナを使うのが綺麗だった)、猛烈に状態を探り、潔癖か!という突っ込みが入りそうなくらい綺麗にする……という流れを、単に高速化した感じですね。
1日あたり写真付きで100冊出品できたら、割とすごい方……という感覚なのですが、その水準まではコンスタントに出せるようになりました。
……で。
まぁ、まずは量を増やさないことには、検索にも当たらないということで、せっせと数を増やすことを目指していたのですが……。
まぁ、売れませんね。さっぱり。
(いまも、経営や商売について詳しいわけじゃないけど)売り方が良くないのかな……と、当時は思ったんですね。値付けは相場でほぼ決まっていて、奇抜なことはできない状態だったので(出版社としての品位を保ちたい)、打てる手が限られている感じがしていたのです。
また、同時に、わたし自身が本に詳しくない……というコンプレックスのようなものを感じていて。これもまた、高速で本を読めるようになればいいんじゃないかということもあって(ちょっとほかの理由もあったのですが)、フォトリーディングという速読塾みたいなものにも通ってみたりして。
あとはブログ等も始めたりしました。当時、発信するという感覚はまったくないうえに、できるだけ隠れたい(?)願望もあり、何を書いたらいいのか、さっぱりわかりませんでしたね。ブログの講座みたいなものにも参加したり……。
そんな迷走期が続きます。
それで、ネット上で見つけてもらえないなら……ということで、ポータルサイト「スーパー源氏」さんの伝手で、神田神保町にある三省堂書店へ、加盟店で参加する、古書市へ出店してみようということになりました。
その話は次回に。
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